米Microsoftは8月1日(現地時間)、Windows 8のRTM(Release to Manufacturing)が完了したと発表した。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「いよいよRTMが完了し、もうこれ以上は遅れることがないという状況に至った。私自身もワクワクしている」とコメント。「Windows 8は、自信をもってお勧めできるものに仕上がっている。マイクロソフトのビジネスモデルはパートナー戦略。日本のPCメーカーをはじめ、数多くのハードウェアメーカーから、Windows 8を搭載したさまざまなバリエーションのPCやタブレットが登場することになる。すばらしいハードウェアが登場することを期待している。また、エンドユーザーには、新たなアプリケーションや、新たなユーザーインターフェイスなどを体験していただくことができるだろう。発売まではもう少しである。ぜひ、それを楽しみに、もう少しだけお待ちいただきたい」などとした。
RTMの完了により、ハードメーカーなどがWindows 8を搭載したPCやタブレット端末の最終準備を行なえるようになり、2012年10月26日の発売に向けて、開発が加速することになる。
マイクロソフトの発表によると、8月15日からはWindows 8向けの新アプリケーションを構築中の開発者が、MSDNサブスクリプションを通じてWindows 8 RTMバージョンをダウンロードが可能になるほか、Windows Dev CenterからVisual Studio 2012の最終ビルドにアクセスが可能になる。
また、同じく8月15日からは、ITプロフェッショナルが、TechNetサブスクリプションを通じてWindows 8 RTMバージョンにアクセス可能になる。
8月16日には、Windowsソフトウェアアシュアランスの既存ユーザーが、VLSC (Volume License Service Center)を通じて、Windows 8 Enterpriseのエディションをダウンロードが可能になるとともに、Microsoft Partner Networkのメンバーも利用できる。
さらに、8月20日には、MAPS(Microsoft Action Pack Provider)がWindows 8にアクセスできるようになり、9月1日には、ソフトウェアアシュアランスなしのボリュームライセンス顧客がMicrosoft Volume License Resellerを通じてWindows 8を購入できる。
そして、10月26日から、Windows 8の一般向け販売が開始される。
樋口社長は、8月2日午前に、日本マイクロソフトの全社員に向けてメールを配信し、「その中で、全社員にすぐにRTMをインストールするように指示をした」としており、「発売日までにWindows 8をインストールしている社員を8割にまで高める」とした。
「これまでのコンシューマプレビュー版およびリリースプレビュー版についても社員にインストールするように呼びかけたが、それは社員自らが使い、不具合などを発見し、完成度の向上に貢献するといった狙いがあった。特に、日本語IMEに関しては、全世界の中で、日本マイクロソフトの社員が果たす役割が極めて大きいという意味があった。しかし、RTMでは社員自身がWindows 8に馴染み、その良さを体感し、自信をもって説明できる環境を作るという狙いがある。Windows 8のすばらしさを広く伝えるという意味で、RTMのインストールを指示した」と語る。
一方で、「対外的には、RTMが完了したという社内的なマイルストーンを強調するよりも、実際にお客様に提供する時期などについて、明確に伝えていく必要があると考えている。また、Windows Storeといった新たなマーケットプレイスへの取り組みについても訴求していく必要がある」とし、今後、積極的な訴求活動を開始する姿勢を改めて強調した。
日本マイクロソフトによると、Windows 8の発売にあわせて、「過去最大規模のキャンペーン投資を行なう」(樋口社長)としており、Windows 8の10月26日の発売を前後して、長期間に渡るTV CMを計画するなど、長期的な訴求活動に取り組む考えも明らかにした。
Windows 8の発売にあわせての具体的な販売プロモーションについては、今後明らかになるが、現在、樋口社長のスケジュールは、10月25日から発売日を挟んだ10月27日まですべてブロックされており、10月26日深夜0時のカウントダウン販売も樋口社長が販売現場を訪れる形での実施も視野に入れた検討が開始されている模様だ。
なお、今回のWindows 8の発売日のイベントは、グローバルでの統一プロモーションが実施されることになっており、もっとも早く発売時間を迎える日本での訴求活動にも、世界的に注目が集まりそうだ。
(2012年 8月 2日)
[Reported by 大河原 克行]