株式会社富士通研究所は1日、世界最小/最薄の手のひら静脈認証センサーを開発したと発表した。

　これまでの手のひら静脈認証センサーは、認証性能や操作性の点で受光面積が大きな高性能イメージセンサーが必要で、A4ノートPCへの内蔵が限界だった。

　今回開発したセンサーは、携帯電話やWebカメラなどに用いられている小型のイメージセンサーを採用し、その撮影画像を認証に利用できる品質に補正する技術を開発。さらに、大型センサーと同等の画角を得られる歪みの小さい広角レンズと、均一な照度分布が可能な拡散照明系を組み合わせた。これにより、従来と同等の認証性能を得たという。また、従来のセンサーと互換性を保つ。

　2011年5月に出荷した手のひら静脈認証センサーと比べて、容積で80%減少、厚さは5mmとなり、指紋センサーを設置していた部分に格納できる。ノートPCやタブレットなどの薄型のモバイル機器にも実装可能になった。

　富士通研究所では、実用化に向けた研究開発を進め、早期の実用化を目指すとしている。