ブラザー、2011年末向けプリンタ発表会を開催
~国内“第3の”総合プリンタメーカーとしての認知を目指す

9月6日 開催



 ブラザーは6日、家庭向けインクジェット複合機「マイミーオ」シリーズ、レーザーを含むビジネス向けプリンタ/複合機「ジャスティオ」の2011年末商戦向けモデル発表会を開催。新製品の特徴や狙い、また販売戦略などについて説明を行なった。

 同社の2010年度連結売上高は約5,000億円で、その内7割近くをプリンタ、複合機、FAXなどのプリンティング・アンド・ソリューションズ事業が占める。その家庭向けプリンタブランドであるマイミーオは、FAXや電話機能を搭載するのが特徴で、単体FAXからの買い換えニーズにうまく応えていた。

 しかし、今回のマイミーオシリーズのフラグシップモデルは、別記事にある通り、印刷性能の向上に特化。プリントヘッドと給紙機構の改良により、印刷速度を高めただけでなく、画質の向上にも注力した。

 この商戦ではこの点を訴求すべく、ブラザー販売代表取締役社長の片山俊介氏は「『プリンターに、第3の選択肢』というキャッチコピーを掲げ、FAX/FAX複合機メーカーから、総合プリンタメーカーとしての認知を目指し、幅広い製品提供を行なっていく」と述べた。

ブラザー販売代表取締役社長の片山俊介氏企業向けのジャスティオと家庭向けのマイミーオマイミーオでは競合を強く意識したキャッチコピーで訴求を図る
フラグシップのDCP-J925NFAX機能と電話子機が付くMFC-J705D電話子機

 インクジェットプリンタの市場は年間600万台で、今後も買い換えを中心に堅調に推移。その中で、複合機の割合は8割を超えており、今後もこの流れは続くと同社では見ているが、製品の位置づけは「普通紙印刷ターゲットのローエンド商品」と「写真印刷ターゲットの高付加価値商品」とに二極化している。そういった中、今回の新製品は、「普通紙印刷ターゲットの高付加価値商品」という新しい枠組みに位置付けられる。

 ここで言う高付加価値とは、FAXや電話機能、そして先に挙げた高速印刷のほか、多機能でありながらコンパクトな筐体、スリープ時で3~4割、電源オフ時で6割削減した低消費電力とエコ設計、そしてクラウド・モバイル連携という新仕様のことが含まれる。

 こういった特徴を武器に、同社はマイミーオシリーズだけで年間50万台の出荷と、インクジェットプリンタ市場で、現在年間を通じて8%前後のシェアを、10%超にまで持って行くことを目指す。

新マイミーオの特徴普通紙印刷で高付加価値という位置づけを狙う目標は50万台の販売と10%超のシェア

 マーケティングにおいては、梨奈カロリーナさんを起用したTV CMを9月末から展開する。カロリーナさんは弱冠14歳のファッションモデルで、認知度はまだ低いが、その点を逆手にとって「これは誰?」と思ってもらうことで、製品へ興味を持ってもらうきっかけとなることを狙う。

 また、ファッションブロガーで写真家としても評価の高いスコット・シューマン氏主演のドキュメンタリー映像「東京のサルトリアリストたち」を9月21日より同社ホームページで公開する。サルトリアリストとは、着こなしの上手な人を意味し、本作品には、シューマン氏が東京のストリートで出会ったファッション性豊かな一般人を路上で撮影する様子などを収めている。

 さらに、そのPR大使にはタレントの峰竜太さんが任命され、発表会では片山氏との対談を行なった。峰さん自身もシューマン氏による撮影を受け、その写真はマイミーオで印刷して発表会で配布された。峰さんは、「世の男性はもう少しファッションに頑張っても良いと思う。私自身、ファッションに少し気を遣った結果、こういったPR大使にも選ばれることにもなった。皆さんもおしゃれした自分の写真を撮って、それをマイミーオでハガキに印刷して、年賀状で送るなどして楽しんでもらいたい」などと語った。

ジャスティオは4機種を投入マイミーオのイメージキャラクタとして梨奈カロリーナさんを起用カロリーナさんはビデオレターで出演した
「東京のサルトリアリストたち」というドキュメンタリー映像というちょっと変わったプロモーションも行なうPR大使には峰竜太さんが任命され、発表会にも登壇した

【動画】先行公開されたTV CM

(2011年 9月 6日)

[Reported by 若杉 紀彦]