12月15日 発表
株式会社矢野経済研究所は15日、HDD市場に関する調査結果を発表した。これによると、2010年の世界市場規模は6億4,700万台を超え、2013年には8億台を突破すると予測している。
HDDはリーマンショックの影響で2008年第4四半期から2009年第1四半期にかけて落ち込んだが、通年ではともに好調だった。特に2009年第4四半期は大きく伸び、メーカー各社は増産体制に入ったが、2010年第1四半期が期待ほど伸びず、生産を抑えながら在庫を捌いていた。その後、2010年第3四半期以降、世界的にノートPC市場が好調で、2.5インチHDDが大きく伸び、各社が増産体制に戻ったという。
サイズ別では、3.5インチが3億3,118万台、2.5インチが3億960万台、1.8インチが6,300万台と予測。新興国でのノートPCの需要や3.5インチからのダウンサイジングにより、2011年には2.5インチの出荷量が3.5インチを逆転する見込みだという。
SSDは2009年に700万台、2010年に1,000万台と急激に拡大。今後もVODやオンライントランザクション処理向けのサーバー市場やモバイル機器がSSDにシフトすると予測。ただし、HDDと競合するものではなく、速度と容量の補完関係で共存共栄、大きく成長すると予測している。
今後も、新興国の経済発展、EU統合拡大による市場活性化、デジタル放送への移行、データ容量の増加、クラウドコンピューティングの普及などにより、大きく成長するとしている。2009年から2013年の年平均成長率は9.8%と見積もり、2011年に7億2,100万台、2012年に7億6,850万台、2013年には8億450万台と予測。サイズ別では、3.5インチと1.8インチが縮小傾向で、2.5インチが20%近い増加率で推移すると見込んでいる。
(2010年 12月 15日)
[Reported by 山田 幸治]