シャープ、スマートフォン事業説明会を開催
~国内シェア3割、出荷台数500万台を目指す

11月15日 開催



 シャープ株式会社は15日、スマートフォン事業に関する説明会を開催。同社執行役員 情報通信事業統轄の大畠昌巳氏が、スマートフォン市場の動向や、同社の戦略などを語った。

 同社のスマートフォンおよび類似製品は、すでに同社あるいは、携帯電話事業者から発表済みで、今回は事業戦略についての説明がなされた。

 まず、市場動向について大畠氏は、ワールドワイドでAndroidが台頭しており、2014年にもSymbian、RIM、iOS、Windows Phoneといった競合を抜き去る見込みとの第三者予測を示した。国内でも、携帯電話全体の販売台数が横ばいとなる中、スマートフォン(他OS含む)は、右肩上がりで成長する見込みという。

 スマートフォン成長の背景には、Twitterなどのマイクロブログや、SNS、YouTubeなどの動画サービスの利用拡大がある。同氏が示したデータによると、PCや携帯電話を含んだ端末全種類の中で、スマートフォン経由のアクセスがいずれも5割近く(重複含む)に達するという。

シャープ大畠昌巳氏世界市場での携帯電話OSのシェア予想国内市場でのスマートフォンの販売予想
マイクロブログの利用動向SNSの利用動向YouTubeの利用動向。いずれもスマートフォンからが5割近い

 とはいえ、スマートフォンに興味を示しながらも、機能/サービス面で従来の携帯電話(フィーチャーフォン)に劣る部分があることから、購入は躊躇しているユーザーがいるのも事実。

 同社ではこういった現状をスマートフォン国内市場本格参入への好機と捉えており積極的な展開を図っていく。すでに端末投入で他の国内メーカーには先行する同社だが、機能および付随サービス/コンテンツの面で差別化を図る。発表されているとおり、KDDI、ソフトバンクモバイル、およびNTTドコモから出される同社スマートフォンは、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信といった、フィーチャーフォン特有の機能を、必須機能として搭載させることで、海外メーカー端末との差別化を図る。

 また、GALAPAGOSに見られるように、電子書籍やエンターテイメントコンテンツの配信も手がけるほか、裸眼立体視が可能な3D液晶、デザインなどで付加価値を訴求していく。さらに今後は、スマートフォンで購入した動画をAQUOSでも見られるような仕組みも構築していくほか、医療、教育、B2Bに向けた製品も展開していくという。

 大畠氏は、その目標について、向こう2~3年で、台数500万台、シェア3割との具体的数値を示し、現在のフィーチャーフォンと同規模のシェアを取るとの意気込みを示した。

 なお、従来型のフィーチャーフォンについても、これまで通りフルラインナップを揃えて、開発/販売を続けていくほか、スマートフォンのOSについては地域や通信事業者に応じて、Android以外のものでも採用していく予定という。

 海外も、インド、中国を足がかりに展開を図る。おサイフケータイなどの機能は不要だが、スマートフォンとしてのベース部分は共通した開発を行なっていく。すでに、液晶TVでは高機能さで定評を得ていることから、スマートフォンでも高級ブランドとしての訴求を狙う。

スマートフォンへの移行を加速する同社はすでに国内で5機種のスマートフォンを発表今後スマートフォンと液晶TVでのコンテンツ共有などの仕組みも用意
ソフトバンクモバイルから出るGALAPAGOS 003SHKDDIから出るIS03NTTドコモから出るLYNX 3D SH-03C
NTTドコモから出る電子書籍端末SH-07Cシャープ自身が発売する電子書籍端末GALAPAGOS 5.5型モデル同10.8型モデル

(2010年 11月 15日)

[Reported by 若杉 紀彦]