エプソン、マイクロピエゾ技術を生かし産業用ラベル印刷機を投入
~商業/産業用機器市場へ本格参入

「SurePress L-4033A」

10月 発売
価格:オープンプライス



 エプソンは、産業用インクジェットデジタルラベル印刷機「SurePress L-4033A」(シュアプレス)を10月に発売する。カスタマイズやサポートの関係で、専用窓口による直販となる。

 価格はオープンプライスで、販売価格は2,500~3,000万円の見込み。定期交換部品付年間保守料金は約200万円の予定。向こう3年間の国内販売目標台数は100台、世界では500台としている。

L-4033Aによるラベルの出力例このようにロールで出力されるペットボトルに貼付した例
小ロットに対応できるため、限定品のラベルなどに向いている専門性の高い製品のため、専用窓口で直販される

 L-4033Aが対象としているのは、ペットボトル製品などに貼付されているラベル類で、特に小ロットの製品を対象としている。エプソンでは、この印刷機を核としたデジタル印刷工程は、従来のアナログ印刷工程に対し、納期の短縮やコストの圧縮などのメリットがあるとしている。また、従来の工程で必要なフィルムやプレートが不要となるため、環境負荷が少ないとしている。

長さ5m弱、重さ約1.8tに達する顔料を樹脂で包んだ「AQ ink」を新開発したマイクロピエゾヘッド。1,440本×15個という多数のノズルを持つ
儲かりにくい小ロットの仕事を利益に変えると訴える現在のアナログ印刷工程L-4033Aを中心とするデジタル印刷工程

 すでに同社は、大判インクジェットプリンタMAXART(マックスアート)の販売や、産業向け製品への部品の外販を行なってきた。しかし今回は、2009年3月に提唱され、2015年をターゲットとする長期ビジョン「SE15」に基づき、C&I(商業/産業)市場に本格的に参入する第一歩と位置づけられている。今後も、自社の独自技術であるマイクロピエゾテクノロジーをコア技術として、この分野への製品展開を図るとしている。

 エプソンでは、7月22日に開幕する「ラベルフォーラムジャパン2010」などの専業者向けイベントへの出展も予定している。

「SE15」に基づき、産業用印刷機器へ力を入れるC&I事業の領域
キーデバイスはマイクロピエゾヘッドラベル印刷機器に留まらず、図面/地図などの分野にも展開する

(2010年 7月 1日)

[Reported by 伊達 浩二]