株式会社バッファローは、無線LAN親機「AirStation」シリーズのフラグシップモデル「WZR-HP-AG300H」を6月に発売すると発表した。
ユーザーから要望の多かった、2.4/5GHz同時使用可能、ハイパワー、省エネ機能、USB HDDポートなどを装備した製品。もちろんIEEE 802.11a/b/g/n対応で、nは最大300Mbps対応となっている。また、WAN/LANともにGigabit Ethernetを装備する。
発表会場では、ハイパワーの証として、電波状況の悪い条件下では、既存モデルの2倍以上に速度向上する実験例も紹介された。詳細については追って発表とされており、価格も明らかにされなかった。
「WZR-HP-AG300H」 | 右はUSB HDDを接続し、アンテナを広げた状態 | 上から見た状態 |
ようやく登場した感が強いフラグシップモデル | ハイパワー機能により、電波状況の悪いときほど威力を発揮する |
バッファローが5GHz帯を重視するのは、TVをインターネット接続することを想定しているためで、TV用の簡単スターターパック「WLAE-AG300N/V2」も同時に発表された。価格は15,330円。追加や中継用の単体モデル「WLAE-AG300N/V」は8,295円。発売は8月上旬。
これは、大きめのACアダプタほどのボックスで、最初からペアリングした状態で出荷される。本体底部に2つのEthernet端子を備えており、TVやHDDレコーダを接続する。2台の間は、最大300MbpsのIEEE 802.11nで接続され、5GHz帯を優先しながら、周囲の電波状況を選択して電波チャンネルを接続する。
「WLAE-AG300N/V」。ちょっと見るとミニサーバーか電灯線経由のネットワークアダプタのようだ | 製品を手にしながら機能を説明するブロードバンドソリューションズ事業部 佐藤恒多氏 | ネットワーク機能を備えたTVは増えている |
しかし、大半のTVはネットワークに接続されていない | TV接続を意識した自動省電力機能が特徴 | 2階の隅の部屋でも実用的な速度が得られる |
バッファローによれば、2.4GHzの使用率が90%なのに対し、5GHzは10%ほどしか使用されておらず、電波干渉が少ないという。また、最大300Mbps転送に対応したことで、ハイビジョン放送の画像もスムーズに転送できるという。
ボックスにはAOSSボタンが用意されており、ルーターとの設定はボタンを押すだけで行なわれるが、手動設定も可能。また、LEDの色で転送速度を表示する機能や、TVの電源がOFFの場合は、自動的にスタンバイモードに入る「おまかせ節電機能」を備える。電源はAC 100Vで、電源ケーブルのほか、本体を直接コンセントに差すこともできる。
また、バッファローでは、AirStationの発売10周年と総出荷台数が2,000万台を越えたことを記念し、6月中旬よりオープン懸賞を含むキャンペーンを行なう。詳細は、Webページにて発表の予定。
発表会場に展示された歴代の無線LAN機器。当初は「AIRCONNECT」というシリーズ名だった | BCNによる無線LAN機器シェアの推移。現在でも50%を越えている | 出荷実績と機能追加の歩み |
(2010年 6月 10日)
[Reported by 伊達 浩二]