NVIDIA、チップセット事業は今後も継続


 米NVIDIAは、少なくとも向こう数年間は、チップセット事業を継続する意向であることを明らかにした。

 CPUがメモリコントローラなど、従来のノースブリッジの機能を取り込み始め、さらには今後グラフィック機能も統合することで、チップセットの重要性は薄れているが、これとは別に、NVIDIAは2009年2月にIntelから提訴されたことで、Nehalem向けチップセットを製造できない立場に追い込まれている。そのため、NVIDIAはチップセット事業から撤退するとの憶測が繰り返し登場している。

 これに対し、NVIDIAは再度声明を出した。これによると、「我々にDMIバスのライセンスがないというIntelの誤った主張および不当なビジネス戦術のため、我々は将来のCPU向けのチップセットを市場に出すことができません。そのため、我々は来年法廷でこの問題を解決するまで、Intel DMI CPUに向けたチップセットへの投資を延期することにしました」と述べられている。

 ただし、Intel FSBアーキテクチャに基づく製品や、AMD向けのMCP61ベースのチップセットについては今後も継続して販売していき、少なくとも向こう数年間は重要な収益源の1つであり続けるとしている。

 なお、こういった問題があるものの、今後数カ月の内に、IONの後継プラットフォームや、GPGPU機能を洗練させたFermiアーキテクチャが控えていることも言及しており、PCアーキテクチャにおける同社製GPUの立場が一層重要になっていく考えを改めて示した。

(2009年 10月 14日)

[Reported by 若杉 紀彦]