富士通、新社長を間塚会長が兼務
~野副社長は病気療養で相談役に

富士通 間塚道義氏

9月25日 発表



野副州旦氏(2009年4月の会見より)

 富士通株式会社は25日、代表取締役会長の間塚道義氏が代表取締役社長を兼務する人事を発表した。代表取締役社長だった野副州旦氏は病気療養のため相談役に退く。

 野副氏側から、病気療養のため、9月25日をもって代表取締役社長および取締役を辞任する旨の申し出があり、これを受理。同日開催の取締役会において、代表取締役の異動について決議した。

 新社長の間塚氏は、'43年10月17日生まれ。'68年4月に富士通ファコムに入社。'69年に富士通に転社。東日本営業本部長を経て、2001年に取締役に就任。2002年に執行役、2003年に経営執行役常務、2005年に取締役専務、2006年に代表取締役副社長を経て、2008年6月に代表取締役会長に就任していた。

 9月25日午後7時から、東京・汐留の富士通本社にて行なわれた会見では、代表取締役会長兼社長に就任した間塚道義氏が登壇。

 「構造改革をあれだけ積極的に推進してきた野副氏の辞任は大変残念である。企業活動の継続性を考えて、当面、私が兼務をする。当面としたのは、緊急事態の影響を最小限に留めるということを優先したものであり、しかるべきタイミングで後任社長を選任したい。構造改革への取り組みなどに変更はない。従業員一同一丸となって、難局を乗り越えたい」として、一時的な社長登板であることを示した。

 「しかるべき時期」については、「年内なのか、年度内なのか、株主総会までなのかは決まっていない。後任社長のイメージについても決まっていない。指名委員会でディスカッションをしていきたい」とした。

 富士通は、2011年度を最終年度とする中期経営計画を掲げており、売上高5兆円、営業利益は2,500億円、当期純利益1,300億円の過去最高益を目指している。また、お客様起点、グローバル起点、環境起点の基本方針を掲げている。

 「これらの計画は、引き続ききっちりとやっていく。野副氏が推進してきた方向性に修正はない。プランはできたので、実行していくことが大切。2009年度には、業種別営業体制の確立による営業改革の仕上げを目指しているが、これについては私自身も同じ意見、意志でやってきた。富士通は第3コーナー、第4コーナーが強いといわれるが、第1コーナーから強い営業体制をつくる」と語る。

 また、「私自身の性格は、コツコツ積み重ねてやっていくこと。富士通のソリューションビジネスは、長い間の信頼関係の積み重ねでつくってきたものであり、その点では向いている」とした。

 なお、野副氏の病気の内容については、プライバシーの問題として明らかにしなかった。

 間塚氏によると、「連休前に野副氏に会い、中堅企業向けに対してどうしていくかといった話を聞いた。その時には、病気の状況にあるとは思っていなかった。また、そうした話も出なかった。本日の取締役会の前に、直接本人から、辞任の申し出があった。私は、治療に専念したいので、社長の職務をまっとうできないと理解した。具体的な病名については聞いていない。後任は考えていなかったが、社長の兼務は、取締役会で決定したものであり、野副氏から指名があったものではない」とした。

(2009年 9月 25日)

[Reported by 大河原 克行]