Wi-Fi Alliance、9月にIEEE 802.11n標準を最終決定へ

IEEE 802.11nは9月に最終決定へ

7月22日(米国時間) 発表



 Wi-Fi Allianceは22日(米国時間)、2009年9月のIEEE(米国電気・電子学会)においてIEEE 802.11nの標準仕様が最終決定される見込みだと発表した。

 最終仕様に追加される一部のオプション機能に関して、相互接続性テストが加わるが、現行のすべての802.11n draft 2.0認定済みの製品は、最終的な認定プログラムの中核要件と相互接続性を満たしているため、再テストを受けることなく802.11nロゴの使用が認められる。

 新たに追加されるオプションの機能は以下の通り

・データ転送の効率向上を図るパケットアグリゲーション(A-MPDU)
・一定の環境でパフォーマンスを高めるマルチアンテナ伝送手法のSpace-time Block Coding(STBC)
・40MHzチャネルオペレーションにおいて近隣と干渉しないチャネル共存策
・3つの空間ストリームをサポートするデバイスのテスト

 ただし上記の機能は必須ではなくオプションで、どの追加テストでも従来製品との互換性に問題はないとしている。詳細については今後逐次発表していく予定。

802.11nに追加されるオプション STBCによりシングルストリームでも電波が届かない場所を減らす

●2010年には新機能の追加も

 23日に都内で開かれた記者会見で、来日したWi-Fi Allianceのマーケティング ディレクター ケリー・デイヴィス・フェルナー氏が、Wi-Fiの現状と今後の取り組みについて説明した。

 現状については、世界中の10人に1人がWi-Fiを活用して、累計20億個のチップセットを出荷する実績、対前年比2桁台の成長、SOHOや企業におけるWi-Fiの普及を挙げ、「比類ない成功を収めたテクノロジの1つ」と表現した。

 今後についても堅調な伸びを予測し、2011年にはWi-Fi搭載機器の出荷台数が6億5,000万〜10億台になるだろうとした。それを押し上げる一因として、携帯端末やネットブック、MIDなどを挙げた。

ケリー・デイヴィス・フェルナー氏 Wi-Fiの成功 今後もWi-Fi搭載機器の出荷は継続的に増加する

 一方、802.11nについては、既に649種類のデバイスが認定を受けていることを強調。さらに、2009年に出荷されるWi-Fiチップセットのうち約45%が802.11nをサポートし、2012年には約60%が対応するだろうとした。

 802.11n認証機器としては、PCやルーターだけでなく、家電やメディアサーバー、セットトップボックスといった製品が増えている。また、企業においても802.11nの導入が増えており、「これらは802.11nの高パフォーマンスと堅牢なセキュリティを持ち合わせた結果である」とした。

2012年にはWi-Fi対応デバイスのうち60%が802.11nに対応する 家電やメディアサーバーなどにもWi-Fiの搭載例が増えている セキュリティ性の確保により企業での採用例も増えている

 続いて、2010年にWi-Fiに追加するいくつかの新機能を紹介した。

 1つ目は「Wi-Fi Protected Setup(WPS)」のアドホックモードの対応で、アドホックモードをより容易に利用できるようになるという。インフラストラクチャモードのWPSと同様、押しボタン、PIN、NFCの3つのいずれかの方法で簡単にセキュアなネットワークが構築できるようになる。

 2つ目は「Wi-Fi device-to-device connectivity」の追加で、デバイス間のネットワークを容易に構築できるようになる。これを利用すると自動的にデバイスのうちの1つがアクセスポイント、残りはクライアントとして動作し、IPベースの接続性を実現する。これにより、例えばカメラからプリンタへの直接印刷や、ポータブルオーディオの音楽共有、携帯電話間の情報同期などが実現できるとした。

 このdevice-to-device connectivityのBluetoothに対してのアドバンテージについてフェルナー氏は、「Wi-FiはIPベースの接続性を提供でき、付加的な技術を追加することなく、ホームネットワークデバイスの相互接続が実現できる」と説明した。

WPSがアドホックモードに対応する device-to-device connectivityによりデバイス間の通信が容易になる

 米Broadcom ブロードバンド コミュニケーション グループ テクニカル ディレクターのスティーブン・パーム博士は、現状のアプリケーションのニーズを分析し、異なるニーズに対して的確な製品を提供する必要があると指摘し、それに対してBroadcomが最適な製品を提案できるとした。

 例えばルーターなどは、複数のストリームをサポートすることが要件として挙げられ、5GHz帯を動画アプリケーション、2.4GHz帯をデータ/音声アプリケーションに同時提供できるデュアルストリーム製品が有効だとした。一方、低い帯域幅で十分であり、低消費電力と低コストが求められる携帯電話のような製品には、シングルストリーム製品が有効である。Broadcomでは、前者は「Premium 802.11n」、後者を「Value 802.11n」として位置づけ、製品を提供し、多様なニーズに応えることでエコシステムを拡大したいとした。

スティーブン・パーム博士 アプリケーション別のネットワーク環境への要求
ルーターのような製品にはデュアルストリーム、携帯電話のような製品にはシングルストリームが向く デュアルバンド向けを「Premium 802.11n」、シングルストリーム向けを「Value 802.11n」と定義

(2009年 7月 23日)

[Reported by 劉 尭]

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