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Imagination、「MIPS」および「Ensigma」事業を売却へ

~Appleとの紛争解決手続きを開始

 英Imagination Technologiesは4日(現地時間)、同社の年間動向の見通しなどについての報告を行なった。

 4月3日に同社製GPU「PowerVR」を製品に採用してきたAppleが、自社設計GPUへの移行に伴って採用を見送る(AppleがPowerVRを採用停止し自社GPUへ移行)という発表が行なわれたが、Imatinationでは、Appleとの現行のライセンスとロイヤルティ契約に代わる商業契約について、満足のいく進捗を得られなかったため、「より合理的なプロセスを通じて合意に達すること」を目指し、ライセンス契約に基づく紛争解決手続を開始したと述べており、AppleがImaginationの機密情報、および知的財産権を不正に使用したことに関する、全権利を持っているとしている。

 Imaginationでは、4月3日より取締役会で事業構成の見直しを図っており、その結果、同社が2012年に1億ドルで買収したとされる「MIPS」、および2000年に買収した「Ensigma」について、それら事業を売却しPowerVRに資源を集中させ、同社のバランスシートを強化する判断を下したという。

 なお同社によれば、MIPSはネットワーキング、ルーター、DTV/STBでの優位性や、LTEモデムや産業用IoT市場において好調で、自動車市場でも成長を見せているとするほか、Ensigmaは低消費電力のモバイルコンピューティング、無人システム、IoTなどの市場に向けたIPライセンスを提供しており、2017年上半期ではライセンシングの増加で収入が倍増したとしている。