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スタンフォード大、生分解性の有機半導体と基板を開発

~人体に埋め込み可能な電子デバイスの実現に向けて前進

 米スタンフォード大学のZhenan Bao教授が率いるグループは5月1日(現地時間)、折り曲げが可能で、生分解性のある半導体を開発したと発表した。

 Bao教授は化学および素材技術を開発しており、過去には人間の皮膚に適用可能な、引き伸ばし可能な導電性プラスチックのポリマー電極を開発した。しかしこの素材は生分解不可であり、人体に埋め込むようなアプリケーションに制限が生じていた。

 今回Bao教授らは、生分解可能な電気回路と、電気部品を取り付けるための生分解性基材(基板)を開発。これにより構成されたデバイスが必要なくなれば、全体が生物分解によって無毒成分に変わるようにできる。

 半導体を担う部分は、電子を運ぶ特別な化学結合のポリマーを採用した。この化学結合は酸に弱く、酢を使って1週間で溶かすことができる。一方、基板は人体にとって無害な鉄とセルロースによって構成し、容易に分解できるようにした。

 この技術により、血圧、血糖値、汗などを測る使い捨てデバイスの実現が容易になるほか、今後は生体適合性に関する研究を進め、埋め込み型デバイスへ応用可能かどうかについて調査を進めるとしている。