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ASUS、Google Tango対応の「ZenFone AR」を夏に国内投入

~世界初の8GBメモリ、シリーズ初のWQHD AMOLEDディスプレイ搭載

ZenFone AR

 ASUSは13日、GoogleのAR技術「Tango」およびVR技術「Daydream」に両対応した高性能スマートフォン「ZenFone AR」を2017年夏に発売する。

 税別価格は、メモリ6GB/ストレージ64GBの「ZS571KL-BK64S6」が82,800円、メモリ8GB/ストレージ128GBの「ZS571KL-BK128S8」が99,800円。

ZenFone ARの価格

 Tangoを実現するための3つのカメラ「TriCam」システムを搭載。メインカメラに加え、深度カメラ、モーショントラッキングカメラによって、空間を認識し、物体までの距離を計測するため、正しい奥行きや距離情報に基づいたARを実現する。

 SoCにはTango向けに最適化されたSnapdragon 821を搭載。上位のBK128S8はスマートフォンとして世界で初めてメインメモリ8GBを搭載。本体の正面中央下には、物理ホームボタンを備え、指紋センサーも内蔵した。

 カメラ機能は「PixelMaster 3.0」に進化。F2.0の大口径レンズ、センサーが補足した光が別の画素に漏れないディープトレンチアイソレーション技術に加え、レーザーオートフォーカス、像面位相差オートフォーカス、コンティニュアスオートフォーカスという3つの技術を搭載する。光学式/電子式手ブレ補正機能も備える。

 通信はデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)をサポート。5マグネットスピーカーの搭載やハイレゾのサポート、SonicMaster 3.0技術の搭載、Quick Charge 3.0への対応も謳われている。

 メモリとストレージ以外の仕様は共通で、2,560×1,440ドット表示対応5.7型Super AMOLEDディスプレイ(ZenFoneシリーズ初)、OSにAndroid 7.0を搭載。インターフェイスは、USB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、nano SIMスロット×2(うち1基はmicroSDと排他)、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2、音声入出力などを搭載する。

 カメラは背面が2,300万画素、前面が800万画素。センサーはGPS、加速度、電子コンパス、光、近接、ジャイロ、指紋、RGB、気圧、NFCなど。WWANの対応バンドは、FDD-LTEが1/2/3/5/7/8/18/19/20/26/28、TD-LTEが38/40/41、W-CDMAが1/2/5/6/8、GSM/EDGEが850/900/1,800/1,900MHz。

 バッテリはリチウムポリマーで、駆動時間は約14.4~15.3時間。本体サイズは約77.7×158.98×4.6~8.95mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約170g。

本体背面。ZenFone Zoomと同様、革風の仕上げが特徴だ
カメラ部。メインカメラ、深度カメラ、モーショントラッキングカメラ、レーザーオートフォーカス、LEDフラッシュなどがあるため非常に賑やかだ
本体左側面。SIMトレーが見える
右側面。ボリューム調節と電源ボタン
本体上部。マイクと思われる穴が見える
本体底面。USB 2.0 Type-C端子を備えているが、ステレオミニジャックも残されているのは嬉しい
OSはAndroid 7.0
ARアプリの例。恐竜を実際の部屋の中に配置してみたところ
シンシア氏と恐竜のツーショット
TangoとDaydreamの両対応はZenFone ARが世界初
従来はQRコードといったタグを置いて認識させる必要があったが、Tangoは空間を自動で認識し、実寸にあった物体の大きさを表示でき、3Dモデルが現実を“つけ抜けたり”することがない
Tangoを実現するための3つのカメラ
Tangoを実現するモーショントラッキング、空間記憶、深度認識技術
物体を3次元データとして認識させることができる
Tangoの将来像。例えば実際にスーパーに訪れた場合、買い物リストにあるものが置いてある場所までナビゲーションする
教育分野にも活用できる
製品を買う前に大きさや置いた感じなどを確認できる
AR対応のアプリは既に30タイトル以上存在するという
AR対応アプリ(ドミノ倒しゲーム)の一例。現実世界の段差などを認識し、その場所にドミノを置く
AR対応アプリ(恐竜の3Dモデルを実寸大で置けるアプリ)の一例
メジャーとして使うこともできる
ZenFone ARで取り込んだ3Dデータ例
こちらは車の3Dモデルを取り込んだ例
ARを体験できる立体視メガネが付属する(組み立て式)
Daydream内でゲームをプレイするためのコントローラも用意するという(現時点では発売未定)
Snapdragon 821やメモリ8GBの搭載
高スペック/高機能でありながら、薄型軽量な筐体も特徴
シリーズ初のSuper AMOLEDを採用する
ハイレゾ対応のイヤフォンも添付する
2,300万画素の背面カメラ(ソニーIMX318センサー採用)
DSDSも特徴の1つ
ZenFone AR
株式会社リビングスタイル 代表取締役の井上俊宏氏
リビングスタイルの取り組み。これまでSecond Life向けの3Dデータを制作してきた
さまざまな家具の3Dデータを持ち、実際の空間に置いて試せるアプリ「RoomCo AR」
多くの家具の3Dデータが収録されている
ソファを置いてみたところ
Tango対応版では物体の奥行きを正しく認識するため、人間が3Dデータの前に立つと人間が切り出され正しく表示される
現実を拡張するZenFone AR

 13日に都内で開かれた製品発表会では、ASUS JAPANマーケティング部 部長を務めるCynthia Teng(シンシア・テン)が挨拶。2015年に投入した初代の「ZenFone 5」から、“性能怪獣”と呼ばれた2世代目の「ZenFone 2」、IntelおよびHOYAと共同開発した「ZenFone Zoom」、廉価なSIMロックフリースマートフォン市場を開拓した「ZenFone Go」、そして長駆動時間を実現した最新の「ZenFone 3 Max」に至るまでを振り返り、さまざまなラインナップで多様なニーズに応えられるシリーズとしてアピール。「SIMロックフリーだから単純に安いだけというイメージを覆し、SIMロックフリースマートフォン市場の拡大に大きく貢献した」と語った。

 そして今回投入するZenFone ARは、市場のニーズに追従して生まれたものではなく、世界初のTango/Daydream両対応スマートフォンとして、むしろ業界のイノベーターであることをアピールした。

 なお、今回は製品発表から製品投入までやや期間が開いているが、これは今後、日本の企業やパートナー各社と協力してさまざまなコンテンツを充実させるとともに、企業から得られたフィードバックをもとに、さらに製品をより良くしていくための期間であるとのことだ。

シンシア・テン氏
初代のZenFone 5
ZenFone 2発表時の1シーン
自撮りに最適化したZenFone Selfie
IntelやHOYAと共同開発したZenFone Zoom
長時間駆動のニーズに応えたZenFone Max
低価格スマートフォンの決定打となったZenFone Go
質感が向上したZenFone 3
大画面のZenFone 3 Ultra
最新モデルとなるZenFone 3 Max
ZenFoneに対する世間の評価
ASUSはARにも進出する