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人が乗っても壊れなかった世界最軽量777gの富士通製堅牢13.3型ノート

~代表取締役社長の齋藤邦彰氏がLenovoとの提携にも言及

世界最軽量の777gを実現した13.3型モバイルノート「LIFEBOOK UH75/B1」。重量に関しては個体にばらつきがあるそうで、会場設置の製品版ノートではそれよりも軽い764.5gと出ていた

 富士通株式会社は17日、FMVブランドのノートPCやデスクトップPC、ARROWSタブレットなどを含めた新製品発表会を都内で開催した。

 発表会の目玉となったのは、既報の13.3型ノートで世界最軽量の777gを実現したモバイルノートPC「LIFEBOOK UH75/B1」(法人向けはU937/P)。NEC PCが2015年に発表した779gの13.3型モバイルノート「LAVIE Hybrid ZERO」をさらに下回る重量を達成したことにより注目を集めた。

 発表会に登壇した富士通クライアントコンピューティング代表取締役社長の齋藤邦彰氏は、現在の日本について、高齢化や少子化によって育児や介護に対する労働時間の最適化が必要であり、人口減少が続く中、仕事の処理を効率化していかなければならないとの現状を説明。解決策の1つとして、時間の有効活用を説き、場所や時間に捕らわれずに安心して仕事を行なえる環境の実現が必要であるとした。

 その解として出されたのが、モビリティとセキュリティを兼ね備えた「LIFEBOOK U937/P」で、ノートPCを外に持ち出して利用する際に問題となる“持ち運びやすさ”、“壊れにくさ”、“セキュリティ”の3点の課題を解決したという。

富士通クライアントコンピューティング代表取締役社長の齋藤邦彰氏
ノートPCを外に持ち出す場合、持ち運びやすさ、壊れにくさ、セキュリティの3点の課題がある
13.3型ながら法人向けのU937/Pは最軽量構成で約799g
軽量化だけでなく、約200kgfの加圧試験、約76cmの落下試験をクリア。手の平静脈認証といったセキュリティ機能も備える

 U937/Pの最軽量重量は約799gで、コンシューマ向けUH75/B1の約777gよりも重くなっているが、これは若干のコンポーネントの違いと、天板の素材が前者がマグネシウム合金であるのに対し、後者はマグネシウムリチウム合金になっているからである。剛性的にはどちらも遜色ないとのことだが、コンシューマ向けではさらなる軽量化をアピールすべく、あえてコストのかかる方を採用している。

 実際に手に持つと相当な軽さで、中身が入っていないのではないかと驚くほどだった。これだけ軽いとすぐに壊れそうとのヤワな印象を受けてしまうが、齋藤氏は前面加圧試験約200kgf、底面落下試験約76cmといった厳しい評価試験を突破していることをデモ映像とともに説明。会場では実際にコンパニオンの女性に、地面に置いて閉じた状態のU937/Pに両足で乗ってもらうというパフォーマンスを披露し、その後ディスプレイを開いて問題なくWindowsが動作していることを示して見せた。

 セキュリティ面に関しては、法人向けのU937/Pには手の平の静脈を読み取る生体認証機能を備えているほか、カード認証、秘密分散セキュリティ、リモートデータ消去機能といった多彩な防衛手段を利用可能。コンシューマ向けの方でも指紋認証に対応しており、Windows Helloによる生体ログインが可能となっている。

 UH75/B1には大容量バッテリを備えた上位モデルのUH90/B1もあり、こちらはバッテリ駆動時間が約17時間と長時間動作を可能としている。

厚みは15.5mm
実際にこんな風に持っても重くないし、たわまない
コンパニオンの女性が上に乗ってみる
その後でも問題なくWindowsが動作していた
コンシューマ向けのUH75/B1の重量は約777g。上位のUH90/B1は約913gだが、大容量バッテリを備え約17時間動作が可能
76cmからの落下試験の様子。写真では落下後の動作を確認している
Z軸方向に振動がかかる自転車振動試験
35kgfの1点加圧試験
200kgfの全面加圧試験

 齋藤氏の経験によれば、ノートPCの事故で1番起きやすいのが液晶割れであり、液晶部に手をついた場合、自転車のカゴに入れた場合などが特に割れやすいとのこと。しかし、こういった事故が起こり得る使い方でも本製品は大丈夫であると保証できると述べ、安心して使って欲しいと強い自信を見せた。

 これ以外にも、デザインを刷新した一体型PC、2in1、6型液晶を備えた業務用Windows 10 Proタブレットなどを説明。これらの製品については以下のリンクから別掲の記事を参照されたい。

 質疑応答では昨年(2016年)の10月に発表されたLenovoとの提携についての質問が出たが、齋藤氏はこの点に関して詳しいことはまだ言えないと前置きしつつ、法人とコンシューマを含めた現在の販売方針といった展開が変わらないこと、提携はあくまでもビジネス強化のためであることの2点については確かであると明言。強化可能なら今までの延長線上にないことにも挑戦するという。

 また、島根と福島にある自社工場に関しても、顧客に訴求する上での重要なツールであり、工場がなければ自分たちの強みが活かせないとし、両工場とも維持していくとの意向を示した。

 齋藤氏は「これからも自分たちにしかできない価値を探求してより一層お客様の役に立っていきたい。将来についても自分たちに期待してもらえれば幸いである」と発表会をまとめた。


 以下、発表会場に展示されていた新製品の実機写真を掲載している。

UH75/B1の背面
UH75/B1(ピクトブラック)
UH75/B1(サテンレッド)
左側面
右側面
引き出し式の有線LAN
キーボード
ヒンジの傾斜限界
背面
排気口
指紋センサー
サテンレッドはキーの側面が赤い
サテンレッドの天板
底面
重量は765gだった
ピクトブラックは765.5gとなっており、前述の通り確かに個体によってばらつきがあるようだ
ピクトブラックの天板。サラサラとした手触り
ピクトブラックの側面
内部のキーボード
裏面
従来バッテリ(写真下)との比較
裏面
バッテリはケース内に収容されておらず、上面と底面にPET(ポリエチレンテレフタレート)のラベルが貼られている
天板
天板背面
本体内部。手前に見えるのがバッテリ部分
シロッコファン
無線モジュールと思しきもの
別角度から
キーボード面
「GRANNOTE AH90/B1」はUHD BDをサポートする(4月にアプリを配布予定)15.6型の4Kノート。BDドライブはUHDの広帯域に耐え得るものを採用しており、通常のBDドライブとは異なるという
15.6型の「LIFEBOOK AH77/B1」
15.6型の「LIFEBOOK AH42/B1」
10.1型2in1の「arrows Tab QH35/B1」
12.5型2in1の「arrows Tab RH77/B1」
背面
新デザインを採用した23.8型の一体型PC「ESPRIMO FH77/B1」
こちらはブラックモデル
左側面
光学ドライブを収納
左側面にインターフェイスが集中
引き出し式のWebカメラ
上面
背面
付属キーボード
付属マウス
背面から見た内部構造