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人が乗っても壊れなかった世界最軽量777gの富士通製堅牢13.3型ノート
~代表取締役社長の齋藤邦彰氏がLenovoとの提携にも言及
2017年1月17日 16:47
富士通株式会社は17日、FMVブランドのノートPCやデスクトップPC、ARROWSタブレットなどを含めた新製品発表会を都内で開催した。
発表会の目玉となったのは、既報の13.3型ノートで世界最軽量の777gを実現したモバイルノートPC「LIFEBOOK UH75/B1」(法人向けはU937/P)。NEC PCが2015年に発表した779gの13.3型モバイルノート「LAVIE Hybrid ZERO」をさらに下回る重量を達成したことにより注目を集めた。
発表会に登壇した富士通クライアントコンピューティング代表取締役社長の齋藤邦彰氏は、現在の日本について、高齢化や少子化によって育児や介護に対する労働時間の最適化が必要であり、人口減少が続く中、仕事の処理を効率化していかなければならないとの現状を説明。解決策の1つとして、時間の有効活用を説き、場所や時間に捕らわれずに安心して仕事を行なえる環境の実現が必要であるとした。
その解として出されたのが、モビリティとセキュリティを兼ね備えた「LIFEBOOK U937/P」で、ノートPCを外に持ち出して利用する際に問題となる“持ち運びやすさ”、“壊れにくさ”、“セキュリティ”の3点の課題を解決したという。
U937/Pの最軽量重量は約799gで、コンシューマ向けUH75/B1の約777gよりも重くなっているが、これは若干のコンポーネントの違いと、天板の素材が前者がマグネシウム合金であるのに対し、後者はマグネシウムリチウム合金になっているからである。剛性的にはどちらも遜色ないとのことだが、コンシューマ向けではさらなる軽量化をアピールすべく、あえてコストのかかる方を採用している。
実際に手に持つと相当な軽さで、中身が入っていないのではないかと驚くほどだった。これだけ軽いとすぐに壊れそうとのヤワな印象を受けてしまうが、齋藤氏は前面加圧試験約200kgf、底面落下試験約76cmといった厳しい評価試験を突破していることをデモ映像とともに説明。会場では実際にコンパニオンの女性に、地面に置いて閉じた状態のU937/Pに両足で乗ってもらうというパフォーマンスを披露し、その後ディスプレイを開いて問題なくWindowsが動作していることを示して見せた。
セキュリティ面に関しては、法人向けのU937/Pには手の平の静脈を読み取る生体認証機能を備えているほか、カード認証、秘密分散セキュリティ、リモートデータ消去機能といった多彩な防衛手段を利用可能。コンシューマ向けの方でも指紋認証に対応しており、Windows Helloによる生体ログインが可能となっている。
UH75/B1には大容量バッテリを備えた上位モデルのUH90/B1もあり、こちらはバッテリ駆動時間が約17時間と長時間動作を可能としている。
齋藤氏の経験によれば、ノートPCの事故で1番起きやすいのが液晶割れであり、液晶部に手をついた場合、自転車のカゴに入れた場合などが特に割れやすいとのこと。しかし、こういった事故が起こり得る使い方でも本製品は大丈夫であると保証できると述べ、安心して使って欲しいと強い自信を見せた。
これ以外にも、デザインを刷新した一体型PC、2in1、6型液晶を備えた業務用Windows 10 Proタブレットなどを説明。これらの製品については以下のリンクから別掲の記事を参照されたい。
- 富士通、スッキリデザインのリビング向け新一体型PC
- 富士通、筆圧が1,024段階に向上したarrows Tabの12.5型2in1
- 富士通、UHD BD対応の4Kハイエンドノート「AH90/B1」
- 富士通、フルWindows 10搭載の6型片手持ちタブレット「ARROWS Tab V567/P」
質疑応答では昨年(2016年)の10月に発表されたLenovoとの提携についての質問が出たが、齋藤氏はこの点に関して詳しいことはまだ言えないと前置きしつつ、法人とコンシューマを含めた現在の販売方針といった展開が変わらないこと、提携はあくまでもビジネス強化のためであることの2点については確かであると明言。強化可能なら今までの延長線上にないことにも挑戦するという。
また、島根と福島にある自社工場に関しても、顧客に訴求する上での重要なツールであり、工場がなければ自分たちの強みが活かせないとし、両工場とも維持していくとの意向を示した。
齋藤氏は「これからも自分たちにしかできない価値を探求してより一層お客様の役に立っていきたい。将来についても自分たちに期待してもらえれば幸いである」と発表会をまとめた。
以下、発表会場に展示されていた新製品の実機写真を掲載している。