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MIT、無線でVRを使えるシステム「MoVR」

 米マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能開発所(MIT CSAIL)は14日(現地時間)、無線でVRが使えるようになるデータ転送システム「MoVR」を発表した。

 VRヘッドセットは高解像度の映像を映すために、継続的に6Gbps以上のデータ送受信を必要とし、かつリアルタイムに映さなければならないため、データを圧縮することが難しい。それを満たすためにHDMIケーブルがヘッドセットに接続されていた。

 高速インターネット接続やガン検査などに有望なミリ波を無線に使えば、データ転送速度の問題は解決できるが、ミリ波は障害物に弱く、反射しにくいという特性を持つため、人間が常時動き回るVRに用いることは困難だった。

 そこでMITのMoVRでは、通常のミリ波送信機に加え、プログラマブルミラーを開発。送信機から送られてくるミリ波を察知し、それをヘッドセットの方向へと正しく反射する。これにより、ミリ波が手の動きや家具に邪魔されることがなくなるという。

 MoVRには、クレジットカードの半分以下の2つの指向性“フェーズアレイ”アンテナで構成されている。将来のバージョンではさらなる小型化、およびマルチプレイヤー対応を進める。