Windows 8.1カウントダウン

Xデイは10月最終週!?

 Microsoftが開発者向けのbuildカンファレンスでWindows 8.1のPreview版を発表し、同時に誰でも入手可能なかたちで公開したのが6月26日。さらに7月8日、パートナー向けのWorldwide Partner Conference(WPC)において、OEMパートナーに向けて8月下旬にRTM(製品版)を提供すると発表した。それを受けてパートナー各社が評価に入り、ホリデーシーズンのPC新製品にプリインストールされて発売されることになるはずだ。昨年(2012年)のWindows 8も似たようなタイミングのスケジュールだったので、一般ユーザーがWindows 8.1を入手できる Xデイは、10月の最終週といったところだろうか。

頻繁な更新でインストールのたびに変わる挙動

 今、手元では4つのハードウェアでWindows 8.1環境が稼働している。その内訳は、

1. buildの基調講演会場での発表直後にインストールを開始したLet'snote SX1。日本語版Windows 8からWindows Updateでモジュールを入手、続いてストアでダウンロードしてインストール。

2. 日本で発売されたAcerの8型タブレットIconia W3。日本語版Windows 8を日本語版8.1のISOファイルから抽出したファイルを使ってアップデート。

3. buildで配布されたSurface Pro。英語版Windows 8をbuildで配布された英語版8.1を使ってアップデート。

4. 2年前の2011年夏にクリーンインストールしたWindows 7環境を、1年後にWindows 8にアップデート、さらに、それを今回日本語版ISOファイルから抽出したファイルを使ってアップデートした手元のデスクトップPC。

となっている。

 この4環境に絞り込むまでは、いろいろと何十回もインストールを試みている。特に、2と3は、入手直後の状態で、どうなっても困らないので、本当に何度もインストールやアップデートを繰り返して挙動を確認している。

 アップデート時に、ネットワークが使える環境であれば、インストーラは更新されたモジュールをダウンロードし、それを使ってアップデートする。だから、インストールするたびに、少しずつ挙動が異なり、多くの場合、完成度が高まる。

 今回の反省は、1〜4のうち、4の環境をフルバックアップもとらずにPreview版でアップデートしてしまったことだ。Preview版はアンインストールができない上に、製品版への移行も保証されていないので、RTM後にはクリーンインストールし直さなければならない。それはそれでかまわないのだが、ここまでグチャグチャになった環境は珍しく、製品版のアップデートの実力を知るためにも貴重だったかもしれないと思うと、ちょっと惜しい。

テスト環境にのみ推奨したいPreview版

 すでに書いたように、Windows 8.1 Previewは、誰でも入手できる。このページは、すでに日本語化されている。Windows 8からこのページを開くと「さっそく体験してみよう」となり、Windows 8.1からこのページを開くと「Windows 8.1 Previewをご利用いただきありがとうございます」となる。

 また、ダウンロードのページが用意され、各国語版のISOファイルが提供されている。

 通常は、Windows 8の環境から、更新プログラムを入手してインストール後、そのプログラムのナビゲートにしたがいストアに移動してダウンロードしてアップグレードインストールを行なえばいい。

8.0から見たPreview版サイト。「今すぐ入手」のボタンが見える
8.1から見たPreview版サイト。「ご利用いただきありがとうございます」とある

 だが、このアップデートは後戻りができないだけに、誰にでもお奨めできるものではない。Windows 8のプリインストール機は、Windows 8.1にアップデートしても、新しくなったPC設定の「保守と管理」の「回復」で、「すべてを削除してWindowsを再インストールする」を実行することで、元のWindows 8プリインストール環境に戻るが、日常的に使っている環境をアップデートした場合は、元の環境には戻れない。ゼロスタートに戻るしかないのだ。Previewを試すには、その覚悟が必要だ。

 実際、いくつかのトラブルも経験しているし、その解決方法はまだ見つかっていない。

 1つは、デスクトップ環境において、設定時間後スクリーンがロックされてディスプレイの電源が切れるのだが、キーボードの打鍵やマウスの移動でも復帰しないことがまれにある。アプリは稼働を続けているようで、その証拠にOfficeのOutlookは、プロバイダーからメールのチェックをし続けているのだが、リモートデスクトップで接続を試みたり、外部からshutdown /r でリブートしようとしても応答がない。怪しいのはビデオカードなので、RadeonのWindows 8.1対応ドライバを使ってみてもいるのだが、それでも改善しない。他の環境は、ノートPCでIntelプロセッサの内蔵グラフィックスばかりで今のところはお手上げの状態だ。

 もう1つのトラブルも、やはりデスクトップ環境で、Windows 8では、デスクトップ版SkyDriveが正常稼働していたにもかかわらず、8.1へのアップデート後、SkyDrive機能がOSに統合されたのに同期が行なわれなくなってしまっている。Windows 8.1では、SkyDriveを使ってファイル以外にも、パーソナル設定やアプリの設定などを同期するが、それらは正常に働いているので、何か別の要因があるようだが、これまた解決には至っていない。同期がされなくては困るので、デスクトップ環境からは正常に同期が行なわれている別のPCのストレージをネットワーク経由で開くといったややこしいことで凌いでいる。

新しいPC設定のトップ。設定のトップでSkyDriveの存在が強くアピールされている
スタートスクリーンの背景やアクセントを設定すると、他のPCにもそれが同期される

 こうしたトラブルが発生する可能性があるので、よほどの覚悟がない限り、アンインストールや製品版への移行が保証された新たなPreview版が出るか、出なければ製品版までは傍観しているのが無難だ。クリーンな環境でうまく稼働するのは、当たり前といえば当たり前だ。だから、サイトのFAQにも、「経験豊富な PC ユーザーのみが Windows 8.1 Preview または Windows RT 8.1 Preview を試すことを強くお勧めします」と記載されている上、次のような条件が挙げられている。

  • 次のすべての条件に当てはまる場合のみ、プレビュー版のダウンロードをお勧めします。
  • 最新のソフトウェアを使って新機能を試してみたい。
  • PCのバックアップ、ハード ドライブのフォーマット、オペレーティング システムのクリーン インストールが苦にならない。
  • PCで問題が起きた場合に自分で解決できる。
  • ソフトウェアを頻繁に更新することが苦にならない。
  • Windows 8.1 Preview のテストが完了した後に以前のオペレーティング システムに戻すためのインストール メディアやリカバリ メディアを持っているか作成でき、その知識がある。

 ある意味で、ハードウェア要件よりもずっと厳しい要件だ。ちなみに、Windows 8.1 Previewのハードウェア要件は、Windows 8と同じで、下記のようになっている。多くの場合、あっさりとクリアできる要件だ。

・CPU:1GHz以上
・メモリ:1GB(32bit)または2GB(64bit)
・HDDの空き領域: 16GB(32bit)または20GB(64bit)
・ビデオカード:WDDMドライバ搭載のDirectX 9対応ビデオカード

アップデートしない理由が見当たらない

 これまでのWindowsのアップデートとは異なり、今回のWindows 8.1は、Windows 8ユーザーに対して無償で提供されることがアナウンスされている。個人的にはいくつかのトラブルに遭遇しつつも、新たな環境を日常的に使っての感想として、Windows 8のユーザーがアップデートしない理由はないと考えている。

 Windows XPのサポートが来年、つまり2014年4月に終了することがわかっている今、Windows 7 SP1を入れてなお、150を超えるWindows Updateをひたすら適用して使うよりも、Windows 8を使うのがてっとりばやいと思うし、それを8.1にする方がずっと高い付加価値が得られる。

 手元のWindows 8.1は、日常的に使っている環境ばかりなので、結果としてPCを使う時間のほとんどがWindows 8.1となってしまい約3週間が経過した。そして、いろいろなことがわかってきた。この連載では、製品版が出るであろうXデイのタイミングを待ちながら、Windows 8.1の何がよくて、何がダメなのか、そして、今までとはどう違うのかを、さまざまな観点から見ていくことにしたい。

復活したスタートボタン。期待していたのと違うという意見も出ているそうだから勝手なものだ。右クリックで各種のコマンドも実行できる。今までのWindowsキー+Xで表示されていたものと、そんなに違わない

(山田 祥平)