西川和久の不定期コラム

マウスコンピューター「WN801V2-BK」

〜Office Home and Business 2013を搭載して2万円台の8型タブレット

 マウスコンピューターは2014年12月24日、Office Home and Business 2013を搭載して税込みで25,704円の8型タブレット「WN801V2-BK」を発売した。ここのところ何種類か同クラスのタブレットをご紹介したが、2GB/32GBでOfficeを搭載してこの価格は衝撃的だ。気になっている方も多いのではないだろうか。編集部から実機が送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。

Atom Z3735Fを搭載した全部入りの8型タブレット

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。去年2014年12月にドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」、オンキヨーデジタルソリューションズ「TW08A-55Z8」と、立て続けに8型タブレットをご紹介したが、2015年1つ目として取り上げる製品もその流れを引き継いだ格好となった。

 先に挙げた2機種のSoCはAtom Z3735Fだが、前者は2万円を切るものの2GB/16GBとストレージが少なく、後者は2GB/32GBとストレージが倍だが約5千円高であった。その後ドスパラは2GB/32GBの「Diginnos DG-D08IWB 32GB」を投入し、価格はほぼ並ぶ感じであった。

 ところが今回ご紹介する「WN801V2-BK」は2GB/32GBで、先の理屈であれば約2.5万円のところを、何とMicrosoft Office Home and Business 2013付きで税別23,800円を実現した。明らかにこれらの機種よりも安い。主な仕様は以下の通りだ。

【表】マウスコンピューター「WN801V2-BK」の仕様
SoC Atom Z3735F(4コア4スレッド、クロック 1.33GHz/1.83GHz、キャッシュ2MB、SDP 2.2W)
メモリ 2GB(PC3-10600 DDR3L/オンボード)
ストレージ 32GB/eMMC
OS Windows 8.1 with Bing(32bit)、InstantGo対応
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、Mini HDMI出力
ディスプレイ 8型1,280×800ドット光沢液晶、5点タッチ対応
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE
インターフェイス Micro USB 2.0(Micro USB-USB変換ケーブル付)、microSDカードスロット、音声入出力、前面/背面192万画素カメラ、ステレオスピーカー/モノラルマイク内蔵
センサー 加速度センサー
その他 Office Home and Business 2013
サイズ/重量 126.7×207×10.1mm(幅×奥行き×高さ)/約370g
バッテリ/駆動時間 リチウムポリマー/約5.8時間
直販価格 23,800円(税別)

 SoCはここ最近よく登場するAtom Z3735F。4コア4スレッドでクロックは1.33GHzから最大1.83GHz。キャッシュは2MBでSDPは2.2Wだ。ドスパラやオンキヨーの8型タブレットも同じSoCだったので、同程度の性能だと思われる。メモリはPC3-10600 DDR3Lの2GBでオンボードとなっている。ストレージはeMMCの32GB。OSは32bit版のWindows 8.1 with Bingを搭載している。powercfg/aで調べたところ、InstantGo対応だった。

 グラフィックスはSoC内蔵Intel HD Graphics。外部出力用にMini HDMIを装備している。年末近くに発表された同クラスは全てHDMIがあるので、ディスプレイを接続して超薄型PCとして使うなど、用途の幅が広がるような工夫がされている。

 ディスプレイは、8型1,280×800ドット光沢液晶パネルを採用。ただし、タッチには対応しているものの5点までとなっている。とは言え、このサイズで10点フルに使うことは少ないと思われるので、特に欠点とはならないだろう。

 そのほかのインターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE、Micro USB 2.0(Micro USB-USB変換ケーブル付)、microSDカードスロット、音声入出力、前面/背面192万画素カメラ、ステレオスピーカー/モノラルマイク内蔵。センサーは加速度センサーを備える。

 ここ最近ご紹介した8型タブレットはMicro USBが充電ポートを兼ねているものばかりだったが、この「WN801V2-BK」は、別途専用の電源入力端子があり、試したところMicro USBからは充電できない。

 これはメリットとデメリットを持っており、メリットは充電しながらUSBポートが使えることで、デメリットは汎用的なUSBポートから充電できず、専用のACアダプタが必要になることだ。一長一短で使い方にもよるため、何とも言えない部分だが、どちらかと言えば、汎用的なUSBポートから充電できた方が良いと思うユーザーが多いのではないだろうか。

 サイズは126.7×207×10.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量約370g。少し厚みがあるものの、重量は軽い。バッテリ駆動時間は約5.8時間。おそらくいつものBBenchだともっと伸びると思われる。

 そしてMicrosoft Office Home and Business 2013をプリインストールしているにも関わらず、税別価格は23,800円と激安だ。Atomで2GB/32GBクラスの8型タブレットとしては、現在最もコストパフォーマンスが高いだろう。

前面。上部右上に前面カメラ。中央下にWindowsボタンは無い
上部。電源ボタン、充電ステータスLED、ヘッドフォン端子、Micro USB、Mini HDMI、microSDカードスロット、マイク、電源入力
右側面。Windowsボタン、音量±ボタン。左と下には何も無い
背面。左中央に背面カメラ、その下にステレオスピーカー
ACアダプタなど。サイズは70×23×40mm(同、プラグなど突起物含まず)、重量92g。5V/2A出力(コネクタ内側が+)
重量は実測で366g

 筐体は一般的な8型タブレットだ。ただし前面下にWindowsボタンが無いため、パッと見はWindows PCだと気が付かない。これまでご紹介した機種より厚みが若干あるため、少しボッテリした印象を受ける。外装は、オンキヨーのTW08A-55Z8ほど高級感はない。

 前面は右上に前面カメラのみ。下側面と左側面には何も無く、上側面に電源ボタン、充電ステータスLED、ヘッドフォン端子、Micro USB、Mini HDMI、microSDカードスロット、マイク、電源入力とコネクタ類が集中している。このためディスプレイなどを接続して超薄型PCとして使う場合はケーブル類をまとめやすい。

 右側面はWindowsボタンと音量調節ボタンを配置している。背面は左中央に背面カメラ、その下にステレオスピーカー並んである。

 付属の専用ACアダプタは、サイズ70×23×40mm(同、プラグなど突起物含まず)、重量92g。5V/2A出力(コネクタ内側が+)だ。下側面が空いているので、同じ5VならできればMicro USBの形状にして欲しかったところである。

 8型で1,280×800ドット表示、5点タッチ対応液晶パネルは、これまでの2機種よりは気持ち画質が落ちるだろうか。とは言え、明るさ、コントラスト、発色、視野角も価格を考慮すれば問題無いレベルだ。5点タッチも通常使用であれば10点タッチ対応と変わらない。また、バックライト最小時でもかなり明るい。

 サウンドは、ステレオスピーカーを搭載したのは評価できるものの、さすがにこの幅だとステレオ感は無い。また背面にあるため持って聴くと音が後ろに抜けてしまい、迫力が半減する。

 ただしちょっとしたコツがあって、スピーカーが下側になるよう横置きにして、上側を何かで挟み数cm持ち上げ(つまり斜めにする)テーブルなどに音を反射させると、今一歩パワー不足だがそれなりに鳴りだす。バランスもサイズを考えると悪くない。

Atom Z3735F搭載で横並びの性能

 OSは32bit版Windows 8.1 with Bing。メモリが2GBなので無理に64bit版を使う必要もないだろう。初期起動時のスタート画面は2面。最後にOfficeのタイルが追加されている。デスクトップは壁紙の左側に2つショートカットがあるだけでほぼ素の状態に近い。

 ストレージは32GBの「Hynix HBG4e」。C:ドライブのみの1パーティションで約23.9GBが割り当てられ空きは20.3GB。BitLockerによる暗号化は行なわれていない。回復パーティションは5GBだ。

 Wi-FiやBluetoothモジュールなどは、同クラスと変わらない構成だ。InstantGoに対応しているため(ドライバレベルのチューニングが必要)、構成を変えられないのだろう。Atom Z3735Fを搭載した8型Windowsタブレットは完全に金太郎飴状態と言っても過言ではない。

スタート画面1。Windows 8.1標準
スタート画面2。Windows 8.1標準+Microsoft Officeが見える
起動時のデスクトップ。左側に2つショートカットが追加されただけでほぼ素の状態
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージは32GBの「Hynix HBG4e」。Wi-FiやBluetoothは他の8型と変わらない構成
C:ドライブのみの1パーティションで約23.9GBが割当てられている。BitLockerによる暗号化は行なわれていない

 プリインストール済のソフトウェアは、Windowsストアアプリは特に無し、デスクトップアプリは、Office Home and Business 2013だけとシンプル。容量が少ないだけに、使うか使わないか分からないアプリがいろいろ入っているより、こちらの方が望ましい。

アプリ画面1
アプリ画面2

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2、BBenchの結果を見たい。CrystalMarkのスコアも掲載した(4コア4スレッドで条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 3.7。プロセッサ 5.8、メモリ 5.5、グラフィックス 3.7、ゲーム用グラフィックス 3.9、プライマリハードディスク 6.9。PCMark 8 バージョン2は1139、CrystalMarkは、ALU 20962、FPU 17149、MEM 18974、HDD 19185、GDI 4219、D2D 2907、OGL 2620。参考までにGoogle Octane(デスクトップ版IE)は3429。

 若干良し悪しはあるものの、これまでご紹介したAtom Z3735F搭載8型タブレットと同じ結果となった。Officeはアクティベートが必要なので起動していないが、IEや標準のWindowsストアアプリを触る限り、普通に使える速度だった。

 BBenchはバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残2%で35,008秒/9.7時間。何時もの5%で9.6時間。

 こちらもほぼ同じだ。SoCや主要コンポーネントが同じで、バッテリ容量も変わらないのなら当然だと言える。ただ先に書いたが、液晶パネルはバックライト最少時でもかなり明るい。この点だけはほかの機種とは違うところだ。

winsat formalコマンドの実行結果は総合 3.7。プロセッサ 5.8、メモリ 5.5、グラフィックス 3.7、ゲーム用グラフィックス 3.9、プライマリハードディスク 6.9
PCMark 8 バージョン2の結果は1139
BBenchのテスト。バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残2%で35,008秒/9.7時間
CrystalMarkの結果。ALU 20962、FPU 17149、MEM 18974、HDD 19185、GDI 4219、D2D 2907、OGL 2620

 以上のようにマウスコンピューター「WN801V2-BK」は、Office Home and Business 2013を搭載して3万円を大幅に切る8型タブレットだ。SoCは競合機種と同じで2GB/32GBとライトな用途であれば全く問題無い。

 充電に専用ACアダプタが必要なので、この点については意見が別れそうであるが、とにかく安価で即Officeが使える8型タブレットが欲しいユーザーにはピッタリな逸品と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/