西川和久の不定期コラム
エプソンダイレクト「Endeavor NA511E」
~Core i7と13.3型HDパネルを搭載し、基本構成時約1.14kgの軽量ノートPC
(2014/12/12 06:00)
エプソンダイレクトは12月9日、14型のノートPC「Endeavor NA601E」の後継機となる「Endeavor NA511E」を発表、同日より受注を開始した。HD解像度(1,366×768ドット)のままパネルサイズを13.3型へ変更。フットプリントを小さくした上で、さまざまな強化を施したモバイルノートPCだ。編集部から試作機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。
14型Endeavor NA601Eを13.3型へとスリム軽量化してパワーアップ!
同社はこれまでモバイルノートPCとしては14型の「Endeavor NA601E」を発売していたが、その後継機として、今回ご紹介する13.3型の「Endeavor NA511E」を発表した。
画面サイズが変わりフットプリントが小さくなったのに加え、プロセッサがCore i5からi5/i7へ、重量が最軽量構成時約1.65kgから1.14kgへ、ACアダプタの小型軽量化、バッテリ駆動時間の向上など、多くの部分を改良、そして強化している。
逆に、なくなったものとして内蔵光学ドライブがあるものの、最近めっきり利用する機会も減っており、問題にならない人も多いだろう。
BTOでプロセッサにCore i7-4510U(2.0GHz/Turbo Boost時3.1GHz)かCore i5-4210U(1.7GHz/同2.7GHz)、メモリ2GB~16GB、OSは64bit版Windows 8.1/8.1 Pro、32/64bit版Windows 7 Professional、ストレージはM.2 SSD 128から512GB、セカンド2.5インチHDD 250GB~500GBなどを選択可能。今回届いた構成は以下の通りだ。
エプソンダイレクト「Endeavor NA511E」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-4510U(2コア/4スレッド、クロック2GHz/Turbo Boost時3.1GHz、キャッシュ4MB、TDP 15W) |
メモリ | 8GB(PC3L-12800/4GB×2)、2スロット空き0、最大16GB |
ストレージ | M.2 SSD 256GB |
OS | Windows 8.1 Update(64bit) |
ディスプレイ | 13.3型(非光沢)液晶ディスプレイ、1,366×768ドット、タッチ非対応 |
グラフィックス | プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0 |
その他 | USB 3.0×2、USB 2.0×1、メモリカードスロット、Webカメラ、音声入出力 |
バッテリ駆動時間 | 最大約6.8時間(JEITA測定法Ver2.0、Windows 8.1搭載時) |
サイズ/重量 | 319×226×21mm(幅×奥行き×高さ)/最軽量時約1.14kg(メモリ1枚、M.2 SSD、セカンドHDDなし) |
構成価格 | 145,000円(税別) ※基本構成は税別109,000円から |
プロセッサは、Core i7-4510U。2コア4スレッドで、クロックは2GHzから最大3.1GHz。キャッシュ4MB、TDP 15W。メモリは2スロットあり、PC3L-12800の4GB×2で計8GB。最大16GBまで対応している。
ストレージはM.2 SSDで256GB。別途2.5インチベイがあるため、HDDやSSDを追加し、2ドライブ構成にすることも可能だ。OSは64bit版のWindows 8.1 Updateを搭載している。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4400。外部出力用にHDMIとミニD-Sub15ピンを装備。ディスプレイは、13.3型(非光沢)1,366×768ドットの液晶ディスプレイ。タッチには非対応となる。
ネットワークは、有線LANはGigabit Ethernet、無線LANはIEEE 802.11ac/a/b/g/n。Bluetooth 4.0にも対応している。
そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×1、メモリカードスロット、Webカメラ、音声入出力。USB 3.0の片方は電源オフ時の給電をサポートしている。
サイズは、319×226×21mm(幅×奥行き×高さ)、重量は、メモリ1枚/M.2 SSD/セカンドHDDなしの状態で約1.14kg。バッテリ駆動時間は最大約6.8時間(JEITA測定法Ver2.0/Windows 8.1)。価格は今回の構成で145,000円となる。
パッケージから筐体を取り出した時の第一印象は「軽い!」だった。取り出した直後はバッテリを搭載していないこともあり、1,155g(本体)-187g(バッテリ)=968gと、1kgを楽々切っている。またマグネシウムを天板に使用した手触りも関係あるかも知れない。全体はマットなブラックで落ち着いた雰囲気を持っている。
前面は、液晶パネル中央上にWebカメラ、その左にマイク。正面側面中央にステータスLED。背面はこのタイプとしては珍しくGigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力を配置している。机の上で使用する時、ケーブル類で周囲が煩雑にならないよう考慮された形だ。
左側面は、ロックポート、USB 2.0、音声入出力。右側面は電源入力、USB 3.0×2、メモリカードスロット。USB 3.0の上(奥)側は電源オフ時のUSB給電機能付き。
裏は小さいパネルが2つあり、1つはメモリ、もう1つは2.5インチHDDベイ。それぞれネジを2つ外せば簡単にアクセス可能になっておりメンテナンス性が高い。
ACアダプタは85×36×26mm(同)、重量139gとコンパクトで軽量だ。カバンへ入れても苦にならないだろう。
13.3型HD(1,366×768ドット)解像度の液晶ディスプレイは非光沢で映り込みが少なく、長時間操作しても眼が疲れない。明るさ、コントラスト、発色も十分。視野角は左右より上下が気持ち狭いものの、通常の位置から見る限り問題にならないレベルだ。
キーボードはキーピッチ18mm、キーストローク1.7±0.3mmのアイソレーションタイプ。パームレスト部分にグラスファイバーを混ぜ、筐体の薄型・軽量化と共に強度をアップ。キー入力時、ガタツキやたわみが少ないよう工夫されている。上中央にある電源ボタンの左右にタッチパッドオン/オフ、機内モードオン/オフボタンがあるのが特徴的と言えよう。
タッチパッドのボタンは2つあるタイプを採用している。少し硬い印象があったが、これは個体差もあるかも知れない。
今回届いたのはHDD非搭載のゼロスピンドルということもあり、ノイズや振動は皆無。発熱も試用した範囲では全く暖かくならなかった。
サウンドは高音/低音が皆無のカマボコレンジ(ハイカット・ローカットフィルタが入っている雰囲気)の上、パワーも全くなく、か細く鳴る感じだ。ビジネス用途とは言え、もう少し良い音を出して欲しい。
パワフルで長時間バッテリ駆動可能
OSは64bit版のWindows 8.1 Update。Core i7でメモリ8GB、M.2 SSDという環境なので、起動・終了、アプリの操作も含め非常に快適だ。初期起動時のスタート画面は1画面+1アプリ(PCお役立ちナビ)。「楽天gateway」以降がプリインストール。
デスクトップは、同社お馴染みのショートカットが左に並び、壁紙は新パターンへ変更されている。なお試作機なので、以下のアプリ構成も含め、変わる可能性があることを予めご了承いただきたい。
ストレージはM.2 SSDの「LITEON IT L8T-256L9G」が使われ、C:ドライブのみの1パーティション。約210GBが割り当てられ空き185GB。Wi-Fi、Gigabit Ethernet、BluetoothはIntel製だ。
プリインストールソフトウェアは、Windowsストアアプリとして「NAVITIME」、「Yahoo!天気・災害」、「Bing翻訳」、「楽天gateway」と最小限。画面キャプチャは掲載していない。
デスクトップアプリは、同社お馴染みの「エプソンダイレクトお役立ちナビ」、「おすすめアプリケーション」。そして「Intel PROset Wireless」などIntelのツール系で構成されている。
またアプリ画面には表示されていないが、ピークシフト管理/電源プラン切り換え/消費電力モニタリング/バッテリ充電レベル設定に対応した、「電源管理ユーティリティー」が標準添付となった。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、「PCMark 8 バージョン2」の結果を見たい。バッテリ駆動時間テストは「BBench」を使用。また「CrystalMark」の結果も掲載した(今回は2コア4スレッドと条件的には問題ない)。
winsat formalの結果は、総合 5.3。プロセッサ 7.4、メモリ 7.5、グラフィックス 5.8、ゲーム用グラフィックス 5.3、プライマリハードディスク 8.2。PCMark 8 バージョン2は2632。CrystalMarkは、ALU 45163、FPU 43343、MEM 42808、HDD 39587、GDI 17511、D2D 7899、OGL 12851。
グラフィックスがIntel HD Graphicsなので全体の足を引っ張っているものの、プロセッサ、メモリ、ストレージのスコアは十分速い。ビジネス用途以外にも使えそうだ。
BBenchは、省電力、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で27,512秒/7.6時間。
仕様上の最大約6.8時間を少し上回った。ただしバックライト最少では暗いので、実際はもう少し短くなると思われる。7時間前後で1日は不安と言う場合も、バッテリが187gと軽量なので、予備をもう1つ持つという選択肢もあるだろう。
以上のようにエプソンダイレクトの「Endeavor NA511E」は、13.3型HD解像度の非光沢液晶ディスプレを搭載したモバイルノートPCだ。前モデルに相当する14型のEndeavor NA601Eよりサイズはもちろん重量も1kg程度と軽くなり、Core i7まで対応可能でパワーアップした上、バッテリ駆動時間が7時間前後と伸びている。ACアダプタの小型軽量化や一般的にバッテリ内蔵が多い中、着脱可能なのも見逃せないポイントと言えよう。
個人的にサウンドが貧弱なのは気になるものの、ビジネス用途と割り切り、軽くてパワフル、そして長時間バッテリ駆動可能なモバイルノートPCを探しているユーザーにお勧めの1台だ。