西川和久の不定期コラム

ドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」

〜十分なクオリティで19,980円の8型Windowsタブレット

 ドスパラは10月23日、税込みで19,980円の8型Windowsタブレットを発表、11月21日から販売を開始した。ファーストロットは既に完売しており、気になっている人も多いのではないだろうか。編集部から実機が送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。

late 2014版8型タブレットは価格が下がり死角無し

 ちょうど1年前の2013年末に、日本エイサー「ICONIA W4」、東芝「dynabook Tab VT484」、デル「Venue 8 Pro」、レノボ・ジャパン「Miix 2 8」など数多くの8型Windows 8タブレットが出荷された。

【年末特別企画】この冬絶対買いたい8型Windows 8.1タブレット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20131203_625179.html

 スペック的にはBay Trail-Tを搭載し、メモリ2GB、ストレージ16〜32GBと言った感じで現在とさほど変わらず、価格帯は5万円前後となっていた。ただGPSが無かったり、Micro HDMI出力が無かったり、何か欠けていたか、全て揃っているのは高価なモデルとなっていた。

 しかし1年後の2014年末は、Windowsの0ドルライセンスプログラムが開始されたり、Bay Trailの新リビジョンで、若干性能はアップしつつ、少し制限(メモリ帯域や最大容量など)を付けて安価になったり、SSDや液晶パネルも量産効果で単価が下がり……と、主要コンポーネントにコストがかからなくなった関係で、去年の半分ほどに価格になっている。

 今回ご紹介するドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」は、12月現在最安値で、しかも何も機能が削られていない8型Windows 8.1搭載タブレットだ。主な仕様は以下の通り。

【表】ドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」の仕様
SoC Atom Z3735F(4コア4スレッド、クロック1.33GHz/バーストクロック1.83GHz、キャッシュ2MB、SDP 2.2W)
メモリ 2GB(DDR3L-RS-1333)
ストレージ 16GB/eMMC
OS Windows 8.1 with Bing(32bit)、InstantGo対応
グラフィックス プロセッサ内蔵Intel HD Graphics、Micro HDMI(HDMI変換アダプタ付)
ディスプレイ 8型光沢WXGA(1,280×800ドット)液晶、10点タッチ対応
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェイス Micro USB2.0、microSDカードリーダ、音声入出力、前面/背面200万画素カメラ
センサー 加速度センサー、GPS
サイズ/重量 127.96×213.8×8.6mm(幅×奥行き×高さ)/約345g
バッテリ駆動時間 約6.1時間
価格 19,980円

 SoCは、Atom Z3735F。4コア4スレッドでクロックは1.33GHzから最大1.83GHz。キャッシュは2MBでSDPは2.2W。最大メモリ2GBでチャネル数は1に抑えられているSKUだ。メモリはDDR3L-RS-1333で2GB。ストレージはeMMCの16GBを搭載している。

 OSは32bit版のWindows 8.1 with Bing。プロセッサ自体は64bit対応だが、よりフットプリントの小さい32bit版を選んだのだと思われる。powercfg/aで確認したところ、InstantGo対応だった。

 グラフィックスは内蔵Intel HD Graphics。外部出力用にMicro HDMIを装備し、HDMIへの変換アダプタも付属している。液晶ディスプレイは、8型光沢WXGA(1,280×800)液晶で10点タッチ対応だ。

 そのほかのインターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0、Micro USB 2.0、microSDカードリーダ、音声入出力、前面/背面200万画素カメラ。Micro USBは充電ポートも兼ねている。センサーは、加速度センサー、GPSを搭載。GPSがあるのはポイントが高い。

 サイズは127.96×213.8×8.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約345g。バッテリ駆動時間は約6.1時間。

【12月5日訂正】記事初出時、重量を330gとしておりましたが、ドスパラより345gに訂正されました

 価格は19,980円と、2万円を切る低価格なタブレットに仕上がっている。ストレージは16GBと少な目とは言え、Micro HDMIとmicroSDカードスロットも含め一通り揃っているのは魅力的だ。

前面液晶パネル中央上に200万画素前面カメラ、中央下にWindowsボタン
右側面と底面。電源ボタン、音量±ボタン、microSDカードスロット。下には何も無い
左側面と上部。左には何も無く、上にスピーカー、Micro HDMI、Micro USB、音声入出力
右上に200万画素背面カメラ。各ポートにアイコンがあり分かりやすい
ACアダプタは約35×35×40mm(同)で重量52g。出力5V/2A。プラグが折り畳める。Micro HDMI→HDMIの変換ケーブルとUSBケーブルも付属
重量は実測で344gと8型Windowsタブレットとしては軽量級だ

 筐体はよくある普通の8型タブレットだ。周囲はクロームっぽい仕上げ、背面は下の部分だけマット系のブラック、その他の部分は少しヘアラインがかったブラック。安価だからと言ってチープな雰囲気は無い。右上に200万画素の背面カメラがある。

 重量約345gなので軽々持ち上がるものの、厚み8.6mmとは言え8型なので幅があり(個人差はあると思うが)、扉の写真からも分かるように、片手で持つのはギリギリといったところか。

 前面には液晶パネル中央上に200万画素の前面カメラ、中央下にWindowsボタン。右に電源ボタン、音量±ボタン、microSDカードスロット。上にスピーカー、Micro HDMI、Micro USB、音声出力を配置。

 ケーブル類は全て上部に集中しているので、外部ディスプレイを接続し、超薄型デスクトップPC的な使い方をする時でもスッキリまとめられそうだ。

 安価なので発表当初気になっていた液晶パネルのクオリティは、明るさ/コントラスト/発色共に十分以上、IPS式とは書かれてないが、視野角も広い。このクオリティは価格を考えると驚きだ。もちろん10点タッチもスムーズに反応する。

 付属品としてはUSB式のACアダプタ、Micro HDMI→HDMIの変換ケーブルとUSBケーブル。ACアダプタは、サイズ約35×35×40mm(幅×奥行き×高さ)で重量は52g。プラグは折り畳みに対応しており邪魔にならない。出力は5V/2Aと高めだ。もちろんPCなどの普通のUSBポートからも充電できる。

 振動やノイズ、発熱に関しては試用した範囲では問題無かった。サウンドに関しては、モノラルスピーカーではあるものの、このクラスのタブレットとしては出力もある程度あり(最大だと若干歪む)、本体だけでもそれなりに聞け合格レベル。

 以上のように「安価だから仕方ない」的な部分は無く、コストパフォーマンスは非常に高い。200万画素のカメラは、よくあるビデオクオリティだが、他社も同様なのでマイナスポイントとはならないだろう。これで2万円を切るのだから、Androidタブレットには(用途にもよるだろうが)厳しい時代に突入しそうだ。もっとピンチなのはWindows RTかも知れないが(笑)。

ライトな用途であれば問題無い性能

 OSは32bit版Windows 8.1 with Bing。メモリ2GBストレージ16GBなので最小構成だが、起動も速く、アプリなども結構キビキビ動く。初期起動時のスタート画面は縦表示の場合2面。Skype WiFi以降がプリインストールとなる。デスクトップに関しては壁紙も含め、Windows 8.1の標準そのままだ。

 ただ8型WXGA(1,280×800ドット)のデスクトップ画面は、各パーツが小さく、指でタップするのは慣れが必要だ(慣れても厳しい)。またWindowsとしては解像度が低めなので、コントロールパネル/ディスプレイの「すべての項目のサイズを変更する」が効かなくなっており調整もできない。OS側の問題なので、もどかしい部分だ。Windows 10で改善していることを望みたい。

 ストレージは16GB/eMMCの「Toshiba 016GE2」が使われ、C:ドライブのみの1パーティション。約10.85GBが割り当てられ空きは6.53GB。BitLockerで暗号化されている。容量が少ないだけに、回復パーティションへ3.6GB取られているのは少し痛い。いずれにしてもデータはmicroSDカードへ逃がす必要があるだろう。

 Wi-FiやBluetoothはAtomプロセッサ搭載タブレットでよくある構成だ。センサーにはBroadcomのGeolocation Sensorの項目が見える。

スタート画面1。Windows 8.1標準
スタート画面2。Skype WiFi以降がプリインストール
起動時のデスクトップ。特にカスタマイズされておらず、Windows 8.1標準そのまま
デバイスマネージャー/主要なデバイス。ストレージは16GB/eMMCの「Toshiba 016GE2」。センサーにはBroadcomのGeolocation Sensorの項目が見える
eMMCはC:ドライブのみの1パーティション。約10.85GBが割り当てられBitLockerで暗号化されている

 プリインストールのソフトウェアは、Windowsストアアプリは、Skype WiFiとYahoo!天気・災害。デスクトップアプリは、マカフィーインターネットセキュリティのみと非常にシンプルでかつ少ない。

 これはストレージが16GBしかないため、空き容量を優先したものだと思われる。いずれも一般的なアプリなので今回画面キャプチャは掲載していない。

アプリ画面1
アプリ画面2

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、BBenchの結果を見たい。CrystalMarkのスコアも掲載した(4コア4スレッドで条件的には問題ない)。PCMark 8 バージョン2はインストール時エラーとなり測定できなかった。Atomなマシンなので低いスコアが予想され、winsat formalの結果だけで問題無いだろう。

 winsat formalの結果は、総合 4。プロセッサ 5.9、メモリ 5.5、グラフィックス 4.1、ゲーム用グラフィックス 4、プライマリハードディスク 6.95。CrystalMarkは、ALU 20831、FPU 17223、MEM 18830、HDD 12837、GDI 3994、D2D 3009、OGL 2677。参考までにGoogle Octane(デスクトップ版IE)は3421。

 Bay Trail-Tとしては平均的なスコアだ。winsat formalの結果だけ見ていると悪くない。ただ本機に限らずGoogle Octaneのスコアは3千台とかなり低い。Office OnlineなどWebアプリはJavascriptの動作速度が影響するため、せめて1万台は欲しいところ。Atomプロセッサ全般の課題と言ったところか。

 またストレージはeMMCとは言え、プライマリハードディスク 6.95/HDD 12837と、HDDと変わらない速度だ。先のGoogle Octaneも含め、Atomプロセッサ搭載機でこの2点が改善されれば体感速度はグッと上がるだろう。来年の課題と言えよう。

 BBenchはバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残4%で33,780秒/9.4時間。いつもの5%で9.2時間と、仕様上の約6.1時間を大幅に上回った。これだけ持てば十分だと思われる。

winsat formalコマンドの実行結果は総合 4。プロセッサ 5.9、メモリ 5.5、グラフィックス 4.1、ゲーム用グラフィックス 4、プライマリハードディスク 6.95
Google Octane(デスクトップ版IE)は3421
BBench。バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残4%で33,780秒/9.4時間
CrystalMarkの結果。ALU 20831、FPU 17223、MEM 18830、HDD 12837、GDI 3994、D2D 3009、OGL 2677

 以上のようにドスパラ「Diginnos Tablet DG-D08IW」は、Atom Z3735F、ストレージ16GB/メモリ2GBを搭載した8型WXGAWindows 8.1タブレットだ。Micro HDMIやmicroSDカードスロット、GPSも搭載し、コストパフォーマンスは非常に高いと言える。

 発表当初気になっていた液晶パネルのクオリティも全く問題なく、ストレージの容量が16GBと少ない以外は、特に欠点らしい欠点も見当たらない。発売後、即完売したのも頷ける。今から8型のWindowsタブレットを検討しているユーザーにお勧めしたい逸品と言えよう。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/