西川和久の不定期コラム

エプソンダイレクト「Endeavor S TB20S」

〜10.1型IPS式液晶パネルとWindows 8.1 with Bingを搭載したタブレット

「Endeavor S TB20S」(※スタンドは筆者が撮影用に使ったもので付属しません)

 エプソンダイレクトは29日、Windows 8.1 with Bingを採用し、35,000円(税別)からと安価な10.1型タブレット「Endeavor S TB20S」を発表、順次出荷を開始する。一足早く編集部から試作機が送られてきたので、試用レポートをお届けしたい。

Windows 8.1 with Bingを搭載したタブレット

 7月中旬頃から、新しいWindowsのSKUである「Windows 8.1 with Bing」を搭載したPCが数多く発表され、多くは従来モデルよりも価格が下がっている。Windows 8.1 with Bingは、その名の通りIEの検索プロバイダをBingに設定されているが、基本的には小型タブレットを中心に製品の価格を引き下げるため、OSのライセンス料を0円にしたOEM専用のWindowsだ。

 機能的にはWindows 8.1 Updateと何ら変わらず、またユーザーが別のWebブラウザや検索プロバイダへ変更することは可能なので、運用上特に不都合は発生しない。各社の新製品を見ていると、差し引かれるOS代はおよそ6,000円程度と思われ、決して小さい額ではない。

 いずれにしても従来よりマシンを安価に購入できるのは、ユーザーとしては嬉しいことだ。今回同社から発表されたタブレットの主な仕様は以下の通り。

エプソンダイレクト「Endeavor S TB20S」(スタンダードモデル)の仕様
SoC Celeron N2807(2コア2スレッド、クロック 1.58GHz/2.16GHz、キャッシュ1MB、SDP 3W)
メモリ 2GB(DDR3L-1333)
SSD 64GB(eMMC)
OS Windows 8.1 with Bing(64bit)
グラフィックス SoC内蔵Intel HD Graphics
ディスプレイ IPS式10.1型(光沢)1,280×800ドット(WXGA)、10点タッチ対応、Micro HDMI出力
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+EDR
インターフェイス Micro USB、microSDカードスロット、前面100万画素/背面500万画素カメラ、スピーカー、音声入出力
センサー 地磁気センサー、ジャイロセンサー、加速度センサー、照度センサー、GPS
サイズ/重量 258×173×11mm(幅×奥行き×高さ)/約690g(本体のみ)
バッテリ駆動時間 4.6時間(JEITA測定法2.0)
その他 Office Home and Business 2013付属
直販価格 43,000円(税別)
※エントリーモデル(ストレージ32GB/Officeなし)は35,000円(税別)

 SoCはBayTrail-MのCeleron N2807。2コア2スレッドでクロック1.58GHz。バースト時には2.16GHzまで上昇する。メモリは2GB/DDR3L-1333。OSはIEの検索プロバイダがBingに設定済みのWindows 8.1 with Bing。これによってOS分のコストを低減できる。64bit版なので、できればメモリも4GB欲しかったところだ。

 ディスプレイは、IPS式の10.1型1,280×800ドット(WXGA)液晶パネルを搭載。10点タッチ対応だ。グラフィックスはSoC内蔵Intel HD Graphics。外部出力用としてMicro HDMIを備えている。

 インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+EDR、Micro USB、microSDカードスロット、前面100万画素/背面500万画素カメラ、スピーカー、音声入出力。Micro USBは充電と併用だ。センサーは地磁気センサー、ジャイロセンサー、加速度センサー、照度センサー、GPSを搭載と、一通り揃っている。GPSの搭載はWindowsタブレットでは希少だ。

 サイズは258×173×11mm(幅×奥行き×高さ)、重量約690g(本体のみ)。バッテリ駆動時間は4.6時間。BayTrail-T搭載タブレットと比較すると短めだろうか。

 価格はOffice Home and Business 2013が付属して43,000円(税別)。なお下位モデルのストレージ32GB版はOfficeなしで35,000円(税別)。パネルサイズを考えるとかなり安い価格と言えよう。

 オプション(全て税別価格)も、本体カバー(2,500円)、タッチペン(2,000円)、コンパクトBluetooth キーボード(3,000円)、液晶保護フィルム(1,000円)、インナーバッグ(3,000円)など、数多く用意されている。「TB20S用オプションパック」は、本体カバー、タッチペン、コンパクトBluetooth キーボード、液晶保護フィルムの4点セットで6,500円と、バラで買うより2,000円安いお買い得セットだ。

【お詫びと訂正】初出時、試用モデルの価格に誤りがありました。正しくは43,000円(税別)となります。お詫びして訂正いたします。

前面。中央下にWindowsボタン、中央上に内側カメラ
背面。左下にスピーカー、やや中央上に外側カメラ
左側面にmicroSDカードスロット、Micro HDMI出力、Micro USB、音声入出力、音量±ボタン。上側面に電源ボタン
右側面、下側面ともにインターフェイスは特にない
付属のACアダプタとUSBケーブル。プラグは折りたためない。ACアダプタの重量は46g
Surface 2(10.6型)との比較。0.5型の差は小さくない。短辺はほぼ同じだが、長辺はフチ1つ分ほど違う
重量は実測では703gと仕様より少し重い
オプションのBluetoothキーボード。幅は本体とほぼ同じ。[Fn]キーの位置以外は特に気になるキーもない
オプションのBluetoothキーボード(背面)。単4形電池2本を使用。ペアリングボタン(長押し)と電源スイッチがある

 筐体は以前ご紹介した同社の11.6型タブレット「Endeavor TN10E」をそのまま10.1型にスケールダウンした感じで、よくあるタブレットの形状。特に癖もなく、マニュアルなしですぐに使える。

 前面中央下にWindowsボタン、中央上に100万画素の前面カメラ。背面は左下にスピーカー、やや中央上に500万画素のカメラがある。これから分かるようにサウンドはモノラルだ。上側面に電源ボタン、左側面にmicroSDカードスロット、Micro HDMI出力、Micro USB、音声入出力、音量±ボタンと、全ての機能が集中し、下側面と右側面にはなにもない。

 Micro USBは本体の充電用も兼ねている。ホストモードケーブルやHubを接続可能だが、この場合は充電ができないため、(用途にもよるが)充電専用の使い方になることも多いだろう。ポインティングデバイスやキーボードはBluetoothで接続した方が扱いやすい。

 10.1型のIPS式液晶パネルは、写真からも分かるように10.6型と比較すると、たった0.5型の差であるが結構大きさが違う。また、手元に届いた実機の個体差なのか、試作機だからか、明るさは最大にしても暗めだ。仕様上は最大210cd/平方mなので、本稿の写真の印象よりも、実際はもっと明るいと思われる。発色やコントラストは自然な感じで不満はない。

 ノイズや振動に関しては皆無だが、発熱に関しては中央から左側がベンチマークテスト中に限らず通常使用時にも暖かくなるのが気になるところか。

 サウンドはパワー不足な上、モノラルでスピーカーの位置が(正面から向かって)左に寄っているためバランスが悪い。この辺りはビジネス用として割り切っているのだろう。

 500万画素の背面はAFを搭載し、また数cmまで寄れるのでマクロには強そうだ。機能はタイマーと露出のみとなっている。

Office用タブレットとしては実用レベル

 OSは冒頭に書いたように、64bit版Windows 8.1 with Bing。Update 1が適応済みになっている。ストレージがSSDなので価格から想像するよりスムーズに動く。

 初期起動時のスタート画面は2画面。「楽天gateway」以降がプリインストールのソフトウェアとなる。デスクトップはこれまでのパターンとは違い、グリーンベースのものにカスタマイズされている。

 ストレージは64GBの「Hynix HCG8e」。C:ドライブのみの1パーティションで約48GBが割り当てられ空きは43.5GB。もともと少ない容量なのに回復パーティションに10GBは痛いところ。大容量のデータはmicroSDカードやクラウドストレージへ逃がすなど、運用面のカバーが必要となる。

 Wi-FiとBluetoothはRealtek製だ。オプションのBluetoothキーボードは「SK-9071 Standard Bluetooth Keyboard」と認識されている。

スタート画面1。Windows 8.1標準
スタート画面2。楽天gateway以降がプリインストールのソフトウェア
起動時のデスクトップ。従来とは違いグリーンベースのテーマに変わっている
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージは64GBの「Hynix HCG8e」。Wi-FiとBluetoothはRealtek製だ。オプションのBluetoothキーボードは「SK-9071 Standard Bluetooth Keyboard」と認識
HDDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約48GBが割り当てられている。もともと容量が少ないのに回復パーティションの10GBは痛いところ

 エプソンダイレクトによるプリインストールソフトウェアは、Windowsストアアプリが「Fresh Paint」、「NAVITIME」、「楽天gateway」。デスクトップアプリが「Microsoft Office」、「PCお役立ちナビ」、「おすすめアプリケーションのインストール」、「HD VDeck」と少ない。

アプリ画面1
アプリ画面2
アプリ画面3
PCお役立ちナビ
おすすめアプリケーションのインストール
HD VDeck

 ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2、BBenchの結果を見たい。CrystalMarkのスコアも掲載した(2コア2スレッドで条件的には問題ない)。

 winsat formalの結果は、総合 3.4。プロセッサ 4.7、メモリ 5.5、グラフィックス 3.4、ゲーム用グラフィックス 3.6、プライマリハードディスク 6.6。PCMark 8 バージョン2は1090。CrystalMarkは、ALU 14386、FPU 12134、MEM 15788、HDD 16724、GDI 4570、D2D 1816、OGL 3571。参考までにGoogle Octance(IE11デスクトップ版)は3945だった。

 4コア4スレッドでクロック 1.46GHz/2.39GHzのAtom Z3770搭載タブレット(HP Omni 10/PCMark 8 バージョン2 1194/Google Octance 4278)と比較してワンランク下のスコアだが、明らかに遅いと思うことはなかった。Winsatの結果がプロセッサ 4.7、メモリ 5.5、プライマリハードディスク 6.6と言うこともあり、IEのレンダリング、Windowsストアアプリやデスクトップアプリも難なく使える。

 BBenchは、省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で20,942秒/5.8時間。スペック上の4.6時間を1時間ほど超えた。ただバックライト最少は暗めなので、実際にももう少し輝度を上げて使うと思われるので、バッテリ駆動時間も短くなるだろう。いずれにしても丸1日外でと言うのは(用途にもよるだろうか)少し難しい印象だ。

winsat formalコマンドの実行結果。総合 3.4。プロセッサ 4.7、メモリ 5.5、グラフィックス 3.4、ゲーム用グラフィックス 3.6、プライマリハードディスク 6.6
PCMark 8 バージョン2。スコアは1090
BBench。省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、Wi-Fi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残5%で20,942秒/5.8時間
CrystalMark。ALU 14386、FPU 12134、MEM 15788、HDD 16724、GDI 4570、D2D 1816、OGL 3571

 以上のようにエプソンダイレクトの「TB20S」は、IPS式10.1型1,280×800ドットのタッチ対応液晶パネルとBayTrail-Mを搭載したタブレットだ。OSがWindows 8.1 with Bingとなり、価格は35,000円(税別)からと、従来よりかなり安価なのが魅力的。

 メモリが2GB、バッテリ駆動時間は5時間程度など気になる点もあるが、用途によっては十分と思う人もいるだろう。8型前後のタブレットでは物足らないユーザーにもお勧めしたい1台だ。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/