西川和久の不定期コラム
マウスコンピューター「MousePro-T670RXSR-1401」
~SSDやHDDのRAID構成が選択可能なデスクトップPC
(2014/2/22 06:00)
マウスコンピューターは、新筐体の法人向けミニタワーPC「MousePro T」シリーズを1月20日に発売した。オーソドックスなスペックに加えRAIDやQuadroにも対応可能なシリーズだ。編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けする。
速度と信頼性のSSD RAID 0とHDD RAID 1の組み合わせ
このMousePro Tシリーズは、ビジネスデスクトップの位置付けであり、同社のサイトには、Core i3~i7、Intel HD GrapicsかNVIDIA Quadro K600/K2000D、そしてSSDやHDDのRAID構成などを予算や用途に応じて選べるようになっている。加えてカスタマイズにも対応し、ほぼ全ての主要パーツを変更可能だ。
今回その中から届いたのは、「MousePro-T670RXSR-1401」。MousePro-T670Rとしては、標準モデル(T670R)/キャンペーンモデル(T670R-1401)/SSD搭載 キャンペーンモデル(T670RX-1401)/SSD搭載 プレミアム キャンペーンモデル(T670RXSR-1401)の4タイプあり、最後のプレミアムモデルとなる。主な仕様は以下の通り。
Mouse Pro「MousePro-T670RXSR-1401」の仕様 | |
---|---|
CPU | Core i7-4770(4コア8スレッド、3.4GHz、Turbo Boost:3.9GHz、8MB、TDP 84W) |
チップセット | Intel H87 Express |
メモリ | 8GB×1/PC3-12800 DDR3(最大32GB/空き3) |
ストレージ | SSD 240GB(120GB×2/RAID0)、HDD 1TB(1TB×2/RAID1) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
OS | Windows 7 Professional(64bit) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4600、DisplayPort、DVI、ミニD-Sub15ピン |
ネットワーク | Gigabit Ethernet |
その他 | USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×4(背面×4)、PS/2、音声入出力 |
拡張スロット | PCI Express x16×1、同x4×1、同x1×2(全て空き) |
ストレージベイ | 5インチオープンベイ×2(空1)、3.5インチオープン×2(空2)、3.5インチシャドウ×3(空0) |
電源 | 500W(80PLUS SILVER) |
サイズ/重量 | 172×387×361mm(幅×奥行き×高さ)/約8.6kg |
価格 | 129,990円 (税込) |
プロセッサはCore i7-4770。4コア8スレッドでクロックは3.4GHz。Turbo Boost時3.9GHzまで上昇する。キャッシュは8MB、TDP 84W。チップセットは、Intel H87 Express。メモリスロットは4つあり、8GB×1で3つ空きだ。最大32GBまで搭載できる。OSは64bit版Windows 7 Professional。
本機最大の特徴となるストレージは、120GB×2 RAID 0のSSDで計240GBと、1TB HDD×2 RAID 1で計1TBと、システム用のSSDでは速度、データ用では信頼性を重点に置いた構成となっている。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブだ。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 4600。外部出力として、DisplayPort、DVI、ミニD-Sub15ピンの3つを備える。
インターフェイスは、Gigabit Ethernet、USB 3.0×4(前面×2、背面×2)、USB 2.0×4(背面×4)、PS/2、音声入出力。拡張スロットはPCI Express x16×1、同x4×1、同x1×2と全て空きだ。各ポートの数などは最小限ながら実用的には十分と言ったところか。
ストレージベイは今回SSDとHDDを2基ずつ搭載している関係もあり、5インチオープンベイ×2(空1)、3.5インチオープン×2(空2)、3.5インチシャドウ×3(空0)となる。
電源は80PLUS SILVERの500W。このクラスは350W前後のものが多く、少し容量に余裕がある。サイズは172×387×361mm(幅×奥行き×高さ)、重量約8.6kg。今回の構成で129,990円と、意外に安目だ。
筐体は実にシンプルなマットブラック。法人向け(個人でも仕事用)としてはピッタリな雰囲気だ。高さ的に机の上にも床の上にもどちらに置いても問題ない。
前面は、上からDVDスーパーマルチドライブ、音声入出力、USB 3.0×2、HDD LED、電源スイッチ。カードリーダなどはオプションで選択可能だ。左側面/右側面ともに空調用のスリットは無い。背面は、USB 2.0×4、PS/2、Gigabit Ethernet、DisplayPort、USB 3.0×2、DVI、ミニD-Sub15ピン、音声入出力。オーソドックスで使いやすそうな構成だ。
本機の特徴的なストレージは、まずHDD 2基とSSD 1基が、3つの3.5インチシャドウベイを使って固定され、もう1つのSSDはケースの底にマウントされている。少し面白いレイアウトかも知れない。
またプロセッサがCore i7なので、もう少しファンの音がするかと思ったが、筐体に耳を近づけないと分からないレベルで、個人的には全く気にならなかった。これなら机の上に設置しても、大丈夫だと思われる。
Core i7のパワーとSSD RAID 0の快適PC
OSは64bit版Windows 7 Professional。RAID 0のSSDにシステムが入っているだけに、起動などもかなり速く快適だ。メモリは8GB×1枚だが、できれば+8GBで計16GBにして使いたいところか。
初期起動時のデスクトップは、壁紙が同社製に変更、左側に7つのショートカットと、大人しめのカスタマイズだ。
C:ドライブ(SSD RAID 0)は1パーティションで約223.48GB、E:ドライブ(1TB RAID 1)は約931.5GB割り当てられている。C:ドライブの空きは191GB。データ用に約931GBあるので、システム用としては十分な容量だろう。
実際RAIDを構成しているインテル ラピッド・ストレージ・テクノロジーを見ると、上側が「INTEL SSDSC2BW120A4がRAID 0で2基」、下側が「WDC WD10EZEX-00BN5A0がRAID 1で2基」使われている。
そのほか、DVDスーパーマルチドライブは「HL-DT-ST DVDRAM GH24NSB0」、Gigabit EthernetはRealtek製だ。
プリインストール済みのソフトウェアは、「CyberLink PowerDVD 10」、「Cyberlink Media Suite」、「ファイナルパソコンデータ引越し9 plus」、「マカフィー インターネットセキュリティ」、Intelのドライバなどツール系。ほとんど素に近い状態だ。ビジネス用途だけに、あまり色々と入っていない方が扱いやすい。
ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックスと、PCMark 7の結果を見たい。CrystalMarkと(4コア8スレッドなので条件的には問題があり参考まで)、RAID 0と言うことで、CrystalDiskMarkも掲載した。
Windows エクスペリエンス インデックスの結果は、総合 5.9。プロセッサ 7.8、メモリ 7.8、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 6.7、プライマリハードディスク 7.9。PCMark 7は4709。CrystalMarkは、ALU 89010、FPU 74958、MEM 69159、HDD 51118、GDI 20489、D2D 6706、OGL 12554。
Intel HD Graphics 4600のグラフィックス性能に全体のスコアが引っ張られるので仕方ないものの、個別に見るとさすがに高速。HDDは7.9と51118。何をしても待つ感じがしない。CrystalDiskMarkの結果もなかなかだ。
クリエイター/エンジニア向けPCとしては十分な性能と言えよう。もしグラフィックスにパワーが欲しいときは、NVIDIA Quadro K600/K2000Dも追加すればよい。
以上のようにMousePro「MousePro-T670RXSR-1401」は、Core i7でメモリ8GB搭載マシンとしては標準的な速度であるが、SSD RAID 0の足回りはさすがに速く、またRAID 1のHDDの信頼性も見逃せないポイントだ。
一見普通のデスクトップPCであるが、中身は結構吟味された構成になっている。まさにプロフェッショナルに向けた1台と言えよう。