西川和久の不定期コラム

日本HP「Elite 21.5インチワイドUltra SlimモニターL2201x」
〜薄くてスタイリッシュなフルHDディスプレイ



 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は26日、厚さ10mmの21.5型液晶ディスプレイ「Elite 21.5インチワイドUltra SlimモニターL2201x」を発表した。驚きの薄さに加え、フルHD解像度、スタイリッシュなデザイン、そして軽量と、なかなか意欲的な製品に仕上がっている。量産試作機が送られて来たので、写真を中心に試用レポートをお届けする。


●わずか10mmの厚み

 日本HPの液晶ディスプレイは以前からラインナップが豊富で、フルHDを美麗に再現するプレミアム・モニター「2710m/2509p/2310e」、あらゆるニーズに対応するメインストリーム・モニター「2310m/2210m/2010f/1910m」、輪郭のくっきりした映像のLEDモニター「2011x/2211f/2311f」、直感的な操作をサポートするタッチ・モニター「2310t」など(一部HP Directplusでの販売終了)があり、いずれも1万円を切っているものから3万円台後半までと価格は手頃。デザインも結構シンプルなものが多かった。

 そして今回、非常に魅力的な液晶ディスプレイが新たにラインナップへ加わった。主な仕様は以下の通り。

【表】HP「Elite 21.5インチワイドUltra SlimモニターL2201x」の仕様
タイプ MVAパネル
最大解像度 1,920×1,080ドット
スクリーンサイズ 21.5型ワイド
表示色 NTSC比72%の高色域
視野角 上下/左右とも178度
輝度 270cd/m2
コントラスト比 5,000:1
入力信号/端子 DisplayPort×1
最大消費電力 28W
サイズ/重量 500×10×360mm/3.3kg(実測値)
価格 33,600円

【お詫びと訂正】 初出時に表内のコントラスト比を50,000:1としておりましたが、正しくは5,000:1です。お詫びして訂正させて頂きます。

 何と言っても最大の特徴は、薄さ“10mm”、重さ“3.3kg”の超スリムボディだろう。筐体はアルミダイキャスト製で質感も良く、スタンドは簡単に折りたためるイーゼル・タイプ。フチの厚みは約15mmと無駄が無く幅500mmなので、省スペースディスプレイとなる上に、軽くて「ひょい!」と持ち上がり、打合せなど移動させて使うプレゼン用ディスプレイとしても十分機能する。

 そして何よりデザインが良い。シルバーとピアノブラックの上品でかつシンプル。仕上げもしっかりしており、安っぽい雰囲気は皆無だ。筆者の最も好みのタイプと言える。一目惚れする人も多いのではないだろうか。

 最大消費電力は28W。同社の4年前の17型TFTディスプレイ(L1706)と比較して24%削減(対37W)。省エネ設計となっている。

 液晶パネルの解像度は1,920×1,080ドットのフルHD対応。ノングレアタイプ(非光沢)で、高視野角・高コントラストが期待できるMVAパネルを採用している。このMVAパネルはVAパネルの一種であり、視野角を広げるため区画ごとに配向をかえる「分割配向」を用いている(Multi-domain Vertical Alignment)。実際このディスプレイでは、上下/左右とも178度の視野角、加えてコントラスト比は5,000:1、そしてNTSC比72%の色域をキープしており、33,600円(税込)の価格を考えるとコストパフォーマンスは非常に高い。

 なお、2201x販売開始記念として、スリムデスクトップ「HP Compaq 8200 Elite US/CT」(Core i3-2100/1GB RAM/160GB HDD/DVD-ROM/Windows 7 Home Basic)+ L2201xのセット「HP純正モニターキャンペーンセット」特別価格も限定1,000台で同日より開始。通常この組合せだと116,000円のところが、80,000円と31% OFF! のお買い得価格になっている。

正面はピアノブラック仕上げの美しいボディだ 正面/右下。OSDは無く、電源スイッチ、明るさのみコントロールできる 裏はシンプルなシルバー。簡単に折りたためるイーゼル・タイプのスタンド
左側側面に電源コネクタとDisplayPortを備える 右側は特にコネクタ類は無い。スタンドはこの角度が最大 ACアダプタは奥行き100mmとコンパクト。コネクタはアース端子付きの一般的なもの
厚みは実測でジャスト10mm。これだけ薄いと移動も楽々できる ディスプレイON時は白く点灯、スタンバイ時はオレンジ色に点灯する 斜め45度程度であれば、発色もコントラストも全く変化しない
裏から斜めに見たところ。同社には申し訳ないが、(いい意味で)iPad 2の雰囲気に似ている スタンドを畳むと約20mmほどフチの外側に出る パッケージは実測で570×150×430mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクト

 セットアップして画質の第一印象は「色が濃い」だった。赤や青が非常に濃く出る。発色もいい意味で派手、もちろん視野角も広い。特に黒が締まるので、写真や動画を再生するとなかなか見栄えす映りとなる。久々にインパクトのあるパネルだ。

 ただ視野角による色やコントラストの変化に関してはIPSよりは劣る感じだった。とは言え、普段使いなら十分以上のクオリティ。さらにノングレア(非光沢)なので映り込みも無く、どこからでも快適に観ることができる。

 コントロールできるのは、電源ON/OFFと明るさの調整のみ。OSDは無い。試用した限り、sRGBにアジャストされ、特に明るさ以外触る必要は無いものの、経年劣化によりパネルが弱ってきた時、R/G/Bなどを個別に調整できないのが辛いところか。

 21.5型ワイドで1080pの解像度は、筆者的には大き過ぎず小さ過ぎずちょうど良いドットピッチ。事務処理用としてもコンテンツ再生用としてもどちらでもOKだ。ノングレアパネル(非光沢)なのでグレアパネル(光沢)と比較して写真や動画が見劣りしそうに思うが、本機を見る限り特に問題は無い。

 電源はさすがに本体に入りきらず、ACアダプタ式だ。本体側のコネクタは電源コネクタとDisplayPort×1のみのとシンプル。ただせっかく綺麗なボディの左横からケーブルが見えるのは惜しい。

 1つ贅沢を言えばHDMI端子が欲しい、下のスペースにステレオスピーカも内蔵して欲しいところだが、この薄さに収めるには難しかったのだろう。技術的に可能になった暁には是非お願いしたい。いずれにしてもDisplayPortのみの入力では対応できる環境が限られるのが残念なところだ。

 付属品は、CD-ROMとDisplayPortケーブル1本。電源とケーブルさえ接続すればすぐに使用可能で、CD-ROMにはPDF化されたマニュアルと、ICMプロファイルが入っている。試しにsRGBプロファイルと付属のプロファイルを比較したのが下の図だ。100%sRGBをカバーしているのがわかる。

HP Display Solutions。付属のCD-ROMにはPDF化されたマニュアルと、ICMプロファイルなどが入っている HP Elite L2201x LCD Monitorドライバ。テストしたマシンはDisplayPortがあるThinkPad X201i+ドッキングステーション Mac OS X付属のColorSyncユーティリティでsRGBと付属のICMを重ねたところ

 最後に、パッケージも幅11cmとコンパクト(実測で570×150×430mm、同)。同社によると、輸送や廃棄の環境負荷を軽減すると言うことだ。

 以上のようにHP「Elite 21.5インチワイドUltra SlimモニターL2201x」は、21.5型にも関わらず、10mmの厚み、3.3kgと軽量、そして解像度はフルHDと、魅力的なスペックの上に、抜群のデザイン、そして価格帯を考えると発色も良好。実機を見ると確実に欲しくなるような1台に仕上がっている。

 パーソナル用途はもちろん、企業でも持ち運び出来るプレゼン用ディスプレイにも活用できる。基本的にオンラインのみでの販売のようだが、せっかく見栄えの良い製品なので是非店頭に並べて欲しい逸品だ。