■最新液晶ディスプレイ ピックアップ■
MS236H | |
液晶サイズ | 23型 |
パネル方式 | TN方式 |
表示解像度 | 1,920×1,080ドット |
アスペクト比 | 16:9 |
画素ピッチ | 0.265×0.265mm |
表面処理 | ノングレア |
バックライト方式 | 冷陰極管 |
応答速度 | 2ms(中間色) |
コントラスト比 | 50,000:1(標準 1,000:1) |
視野角 | 上下160度/左右170度 |
輝度 | 250cd/平方m |
表示色 | 約1,677万色 |
走査周波数 | 水平:30kHz~85kHz 垂直:55Hz~75Hz |
チルト角度 | 上10度~20度 |
高さ調節 | なし |
スイーベル | なし |
ピボット機能 | なし |
入力端子 | ミニD-Sub15ピン×1 HDMI×1 |
出力端子 | ヘッドフォン出力×1 |
スピーカー | なし |
VESAマウント | 非対応 |
電源 | ACアダプタ |
消費電力 | 33W |
付属品 | HDMI-DVI-Dケーブル ミニD-Sub15ピンケーブル ACアダプタ |
本体サイズ | 566.2×150.9×406.8mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約3.9kg |
「MS236H」は、ASUSTeK Computerが発売する、フォトスタンドスタイルの液晶ディスプレイ。薄型の本体後部に円形のスタンドを取り付けた独特な形状に加え、独自の映像エンジンによる鮮やかな映像表示能力や、従来モデルより約40%消費電力を低減した省電力性を特徴とする。価格は28,800円。
●本体デザインMS236Hは、ディスプレイ本体がスタンドに取り付けられた、一般的な液晶ディスプレイとは大きく異なるデザインが特徴。底辺部分が直接接地面に触れ、背面に取り付けられた「リングスタンド」と呼ばれる円形スタンドによって後方を支えるという構造を採用しており、見た目は液晶フォトスタンドや、同社の液晶一体型PC「Eee Top」シリーズに近い。
本体カラーは、ベゼル部分が光沢感の強いブラック、背面がホワイトのモノトーン調。素材のプラスチック感が強いものの、全体的には落ち着いた雰囲気で、特に安っぽくはない。
本体サイズは、566.2×150.9×406.8mm(幅×奥行き×高さ)。奥行きは、後部に取り付けられているリングスタンドを含めたサイズで、本体だけの奥行きは16.5mmと非常に薄い。ただし、ベゼルがさほど狭額ではないのに加え、液晶パネル下の部分がやや大きく取られており、パネルサイズの23型の割に本体はやや大きい。それでも、スタンドがないため、設置時の見た目のサイズの印象は一般的な23型液晶と大きく変わらない。本体の構造上、高さ調節やスイーベル機構は備えないものの、リングスタンドは角度の調節ができ、液晶面の角度は上10度から20度の範囲内で調節できる。
電源やOSD操作、入力切り替えなどのボタンは、液晶下ベゼル部右側に配置されている。ボタンは全てタッチセンサーを採用しており、センサー部を指で触ると、LEDが点灯するようになっている。タッチセンサーの反応は良好で、物理的なボタンと変わらない軽快な操作が可能だ。
●液晶パネル1,920×1,080ドット表示対応の、23型ワイド液晶を搭載。パネルの方式はTN方式を採用。応答速度は中間色で2msと非常に高速だ。視野角は上下160度/左右170度だが、TN方式パネルということもあり、見る角度が変わった場合の色合いの変化が若干大きい。バックライト輝度は250cd/平方m。パネル表面は非光沢処理が施されている。
●接続端子映像入力端子は、ミニD-Sub15ピン×1系統、HDMI×1系統の計2系統を用意。DVI端子は用意されないものの、付属のHDMI-DVI変換ケーブルを利用することで、PCのDVI端子から出力される映像も表示可能だ。これら映像入力端子は、本体背面右下に配置されている。
出力端子はヘッドフォン出力のみで、HDMI端子に入力された音声が出力される。ただし、ヘッドフォン出力端子は、映像入力端子と同じ本体背面右下に配置されているため、少々使いづらい。ヘッドフォン出力だけは本体正面に用意してもらいたかった。
●OSDOSDは、明るさやコントラスト、色合いの調節などの基本的な設定項目以外では、ASUS独自の映像エンジンチップ「Splendid」の動作モードを変更したり、OSDの表示位置や表示言語を変更するといったものが用意されているだけで、設定項目はそれほど豊富ではない。とはいえ、必要な設定項目は網羅されているため、特に困ることはない。
OSDの操作は、右下のタッチセンサーを利用するが、上下左右の移動を2つのボタンで行なうために、慣れるまでは少々操作に戸惑ってしまう。上下左右の移動用に独立したボタンが用意されていると扱いやすいとは思うが、価格帯を考えると妥協すべき部分だろう。
●画質MS236Hの表示画質は、基本的にはTNパネルを採用する低価格液晶ディスプレイとほぼ同等と考えていい。視野角がやや狭いため、見る角度を上下に変えると色合いの変化があるが、正面から見ている限り、発色の鮮やかさやコントラストはTNパネル採用の低価格液晶としては十分に満足できるレベルだ。
MS236Hでは、表示する映像の内容を1フレーム単位で解析し、最適の画質を引き出すとともに、PC用ディスプレイながらTVに近い鮮やかさを実現するとされている。実際にMS236HでHD動画を再生させてみたが、確かにTVに近い鮮やかさが確認できた。ただ、標準設定ではやや明るさが強いので、ある程度明るさは落とした方がいいように感じた。
応答速度は、中間色で2msということもあり、動画再生時やゲーム画像などで残像を感じることはほとんどなかった。また、HDMI入力映像の表示遅延もかなり少なく、個人的な感覚では、シビアな操作を要求されるゲームも快適にプレイ可能なレベルという印象だった。
表示品質は、VAパネルやIPSパネルを搭載する液晶ディスプレイにはかなわないものの、TNパネル搭載液晶ディスプレイとしては十分優れており、高速な応答速度や遅延の少なさも魅力で、価格面と合わせ、十分に満足できる表示品質が実現されている。液晶フォトスタンドのような本体デザインをどう感じるかによって評価は変わってくると思うが、液晶一体型PCでは、MS236H同等のフォトスタンド型デザインを採用する製品も多く、それほど特異なデザインというわけではない。また、実際に使ってみると、画面が見づらいこともなく、大きな違和感を感じることなく使用できた。この本体デザインに納得できるなら、画質面も合わせ、十分におすすめできる製品と言える。
(2009年 12月 4日)