「MEDIAS WP N-06C」用周辺機器&アプリ編



品名「MEDIAS WP N-06C」
購入価格 44,373円
購入日 6月24日
使用期間 約1カ月

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

 前回の記事で、「MEDIAS WP N-06C」(以下、N-06C)の本体面について感想を述べた。本稿では、N-06Cと一緒に買った周辺機器、および一部のアプリについて軽く紹介したい。

●周辺機器

 N-06Cとあわせて買ったのが、パナソニックのモバイルバッテリ「QE-PL201-K」(ヨドバシカメラで5,480円)と、SanDiskの32GB microSDHCカード(Amazon.co.jpで4,865円)だ。

 QE-PL201-Kは、無線充電の国際規格Qi(チー)に準拠しており、別売の充電台上で無線充電を行なうことができる。ただ、このバッテリを選んだのは、出力が1.5Aと大きく、容量も5,400mAhありながら、Qi非対応で1A、5,000mAhのサンヨーブランド製品よりも実売価格が500円程度安いため。

 このバッテリを使う頻度はかなり少ないと踏んでいたので、ならばその充電は普通にコンセントからで良いだろうと言うことで、Qiについては、ひょっとしたら将来利用するかもしれないオプション程度に考えており、充電台は購入していない。

 本体サイズは63×70×24mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約150g。N-06Cよりも重いが、カバンに放りこんでおく分には重さを感じないし、なによりこれを1つ持ち歩いているだけで、不意のバッテリ切れに対する懸念が払拭される。

 USB端子は2つあるので、2台までの機器を同時に充電可能だ。この容量だとN-06Cを4回程度充電できる。ACアダプタも付属するが、本製品の充電端子はmicroUSB端子で、USB経由でも充電できるので、USB-microUSBケーブル1本あれば、N-06Cも、このバッテリも充電でき、わざわざACアダプタを持ち歩く必要はない。

QE-PL201-K動作中はLEDが点く側面にmicroUSB
逆の側面にUSB×2本体とのサイズの比較これで充電しながら外で使う時はこのように持っている

SanDisk製32GB microSDHC

 microSDカードは8GBのものが標準でついている。基本的にはこれで音楽を聴いたり、ワンセグを録画したりといったことはするつもりがないので、8GBでも買い換えるまでに使い切ることはないと思うが、スロットがバッテリの内側にあり、出し入れがしづらいことや、価格が安価なので、最大容量である32GBのものを別途購入した。

 参考までにベンチマークを取ってみた。購入したのはSanDisk製Class 4のもの。結果として、シーケンシャルアクセスは標準物の方が1MB/secほど速いが、ランダムライトについては、SanDisk製品の方が速いことが分かった。AndroidスマートフォンでのSDカードはシーケンシャルアクセスの方が多いのではないかと思うので、あまりSDカードにサイズの大きな動画などを保存するのでなければ、標準品のまま使っていてもいいと思われる。

CrystalDiskMarkで付属の8GB microSDHCカードの結果
SanDisk製Class 4 32GB microSDHCカードの結果
参考までに手元にあった8GBのSDHCカード(非micro)での結果

 前回の記事を書き終える頃、サンワサプライ製ハードカバー「PDA-ME3CL」(クリアタイプ)がヨドバシカメラの店頭で発売となっていたので、これも購入した。本製品の特徴は、つけたまま卓上ホルダおよびストラップを着脱できる点。原稿執筆時点で、卓上ホルダ対応を謳うカバーは、これを含め2製品しか確認できていない。

 もちろんこの製品は、本体に傷が付くのを防止するためのものだが、副次的な効果として、若干ホールド感が増し、指にワンセグアンテナが当たりにくくなる。また、机の上などに置いたままでも、タッチセンサーが誤動作することはなくなった。

 ただ、もちろん厚みは1~2mm程度増してしまう。あれだけ薄さにこだわっておきながら、カバーをつけるという行為に矛盾を指摘されそうだが、N-06Cはその形状故、落下させやすいことと、なるべく綺麗なまま使いたいということで、とりあえず装着してみた。価格は1,380円なので、気に入らなければ、外せばいいやという考えでいる。

 なお、卓上ホルダには若干はめにくくなる。はめても、充電接点がかみ合ってないことがあるので、充電する際は本体をしっかり下まで押し下げ、LEDが点灯するか確認するようにしよう。

 ブラックはラバーコーティングされており、価格は1,580円。スベリ防止の観点からは、こちらの方が良いと思うが、ポケットに入れていると、色移りや埃がつく可能性を考えて、クリアを選んだ。

PDA-ME3CLN-06Cに装着したところ。表からだと目立たない裏面はほぼ全面的に覆われている
USBコネクタのある上面ストラップホールのある底面カメラ、音量ボタン、ワンセグアンテナの部分は覆いがない
卓上ホルダの充電端子部も空いているので充電可能卓上ホルダにセットしたところ

 ちなみに、前回書いた通り、卓上ホルダは標準添付だが、会社での充電用にもう1つ最寄りのドコモショップで購入した。価格は630円と安いので、予備を持っておくと便利だ。

●アプリ

 Androidマーケットには、無数と言って良いほどのアプリがあり、それらをインストールすることで、日常生活に役立てたり、本体の使い勝手を向上させたり、標準ではついてないような機能を付加することもできる。そのほんの極一部であるが、筆者が使ってみて便利だと思ったものを紹介する。

 「おサイフケータイ」はN-06Cのハードウェアと密接に結びついたもので、単体のアプリではないが、この製品の大きな特徴の1つである。

 スマートフォンでは、iモード端末よりも対応サービスが少なく、現在までに対応しているのは、iD、DCMX、Edy、モバイルSuica、QUICPay、WAON、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、マクドナルド、ANAなど。

 このうち筆者が使っているのはモバイルSuica、QUICPay、ヨドバシカメラ、ANA。ちなみに、筆者がそうであったように、これらのサービスを使っていて、機種変更(iモード端末含む)する場合、モバイルSuicaやQUICPayなどは、変更前の機種で現状をサーバーに保存する作業を行なう必要がある。詳しくは各サービスのサイトを参照していただきたいが、事前に作業を行なうよう心がけたい。ちなみに、ドコモの場合、スマートフォンで定額サービスに加入していれば、そのSIMを元のiモード端末に移し替えても定額で利用できるので、事前作業を忘れた場合は、いったんSIMを戻して作業すれば大丈夫だ。

 QUICPayは少額決済用のクレジットカード。通常のクレジットカードのようにサインをすることなく、ケータイをかざすだけで決済できる。大手コンビニの多くで利用できる。細かな点だが、QUICPayで決済した分は、基本的にクレジットカードのポイント対象となる。nanacoも同じように100円で1ポイントがつくが、端数に対してはつかない。一方のQUICPayは1月の利用合計額に対してポイントがつく。どういうことかというと、nanacoで99円の買い物を100回してもポイントは0だが、QUICPayなら9,900円の支払いに対するポイント(1%なら99ポイント)が引き落とし時に付与される。毎日のように使っていると、この端数分のポイントも意外とバカにならない。

【注】nanacoのスマートフォン対応は2011年内予定で、現時点では未対応です。

 ヨドバシカメラは、会員証の変わりとなる機能だが、電子版ならではの機能として、いつでもポイント残高が確認できる。そして、同店はQUICPayでの支払いに対応しているので、N-06Cをかざすだけで、会員証の確認と支払いがこなせるようになる(実際は2回タッチするが)。

 ANAも基本的に会員証代わりで、国内線に搭乗する場合、チケットレスで搭乗できる。

 モバイルSuicaは、この7月23日にスマートフォン向けのサービスが開始された。当日に電車に乗ってみたが、もちろん問題なく利用できた。ただ、アプリの画面の作りがiモード用ベースとなっていて、一画面前に戻るのにリンクをタップする必要があり、端末の戻るキーを押すとアプリを終了してしまう。この辺りは将来的な改善を望みたい。

現在利用しているおサイフケータイサービス。ちなみに、HTMLベースのものとアプリベースのものがあるQUICPayヨドバシカメラモバイルSuica

 「PC Link」は、N-06CとPCを繋いで、N-06CのmicroSDカードにアクセスしたり、電話帳やメール、SMSなどをバックアップするもの。接続は無線LANかUSBで行なえる。N-06Cでは標準機能だが、PCには別途ソフト(USB接続の場合はドライバも)をインストールする。

 WindowsのExplorerほど細かい操作はできないが、ドラッグアンドドロップでPCからN-06C、あるいはその逆にデータをコピーできる。N-06CはmicroSDカードを抜き差しするのに、バッテリを抜かないといけないので、このソフトを使うとデータのやりとりが非常に手軽になる。

標準機能のPC Link。Wi-FiとUSBで接続できるWindows側のアプリはこのようなウィジェット右クリックなどできないが、SDカードのウインドウではドラッグアンドドロップでファイルのコピーができる

 「Google Chrome to Phone」は、PC版Chromeからリンクや選択した文字列をAndroid機に送信できるGoogle謹製アプリ。Chrome以外で使えないのが玉に瑕だが、例えばWebで見つけたお店の情報や、地図のURLなどを1クリックで送信できる。実は、PC LinkにもURLをドラッグアンドドロップして、N-06Cに送る機能があるのだが、Chromeを使っているなら、Chrome to Phoneの方が手軽だろう。

Chrome用拡張機能を組み込むと、このようにアイコンが追加されるアイコンをクリックすると、即座にURLあるいは選択しているテキストが受信を設定したAndroid端末に送信される。

Auto WiFi Toggle

 「Auto WiFi Toggle」は、設定により自動でWi-Fiをオン/オフするアプリ。

 ドコモでは自前のspモード公衆無線LANサービスを月額315円で提供している。都内の3G回線は混雑しているので、利用できる場所なら無線LANを使った方が高速だし、バッテリも長持ちする。こういった公衆無線LANを利用するには、SSIDとWEBキーを保存、次いでブラウザでユーザー認証を行なう。この認証については、ブラウザにパスワードを保存しておけば、以降あまり煩雑な操作なしに繋げることができる。

 しかし、こうしておくと、繋ぎたくない時でも繋がってしまうことがある。筆者の場合、地下鉄で通勤しているのだが、東京メトロの構内ではドコモのアクセスポイントがあるため、Wi-Fiをオンにしていると、これに繋げようとする。すると何が起きるかというと、電波が届かないトンネルを抜けて、いざ通信しようとしたら、まず3Gにつながるが、続いてアクセスポイントを見つけるので、Wi-Fiに切り換え、IPアドレスをもらう。そして、Wi-Fiが使えるようになる頃には電車が発車してしまい、またトンネルに入ってしまうのだ。Wi-Fiを切っておけば、この問題は起きないが、今度は地上に出てGPSを使おうとした時に、Wi-Fiによるアシストが使えなくなる。もちろん、そこで再びオンにすればいいのだが、その切り替えが面倒なのだ。

 そこでAuto WiFi Toggleの出番。このソフトは、いろいろ設定できるが、特定のアクセスポイントでのみWi-Fiをオンにできる。筆者の場合は、会社と自宅のアクセスポイントだけを登録した。これで、ほかの場所で勝手にアクセスポイントに繋げることはなくなる。

ボリュームコントロールプラス。モード切り替えはウィジェットでできる

 「ボリュームコントロールプラス」は、音量に関するアプリ。設定できるのは、メディア、着信、通知、通話、アラーム、システムの音量。例えばマナーモードにした時でも、通知や目覚ましのアラーム音を鳴らすかどうかは、人によって意見が分かれるだろう。このアプリを使うと、通常時、マナーモード時、ミュート時の各規定音量を指定できる。また、ウィジェットを使うと、ワンタッチでマナーモードなどへの切り換えもできるので便利だ。

 「SwipePad」は、任意の画面端から内側に指をスワイプすることで、登録したアプリを起動できるランチャー。指定できる場所は、左上隅、右上隅、左(上半分)、右(上半分)、左(下半分)、右(下半分)、左下隅、右下隅、下の9カ所。どのアプリを使っていても、これらの指定場所からスワイプすると、ランチャー画面に切り替わる。ランチャー画面には、アプリや、ショートカット、ウィジェットなどを12個まで登録できる。

 通常、アプリを切り換えるには、ホームボタンを押して、ホームに戻り、ショートカットなりをタップするが、N-06Cを片手で操作していると、ホームボタンは非常に押しづらい。SwipePadを使うと、親指にほど近い左上隅を、すっとなぞるだけでランチャー画面になり、希望するアプリを起動できる。

 これと組み合わせて使うとさらに便利なのが「Skip Memo」。このアプリを起動すると、それまで利用していたアプリの画面の上に小さな検索ダイアログが表示され、検索を実行できる。基本的にAndroidはマルチウインドウではないので、何かの画面を見ながら検索というのが難しいのだが、このアプリならそれができる。また、ダイアログに入れた文字列をただ検索するだけでなく、入力した番号に電話をかけたり、Androidマーケットを検索したり、メールアプリに送ったりということもできる。音声検索もできるので、これがあれば標準の検索ウィジェットは一切不要になる。

SwipePad。赤い部分が設定できるスワイプ始点指定した場所から内側にスワイプすると、ランチャーが起動。そのまま目的のアプリのアイコンまでスワイプこれを使ってSkio Memoを起動すると、他のアプリを起動したまま、その上に検索入力画面を表示できる

 なお、ここで紹介したアプリはいずれも無料だが、その一部には、機能や設定が増えたりする有料版もある。いずれも数百円なので、使ってみて気に入った人は、この市場を活性化させるため、感謝の念も込めて、有料版を購入してみてはいかがだろう。

(2011年 7月 26日)

[Text by 若杉 紀彦]