PhotoFast「G-Monster-PROMISE PCIe」
〜公称1GB/secの爆速PCIe-SSDを試す



品名 PhotoFast「G-Monster-PROMISE PCIe」
購入価格 約16万円
購入日 2009年5月末
使用期間 約1週間

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

 高速化・大容量化が進むSSD。短いスパンで新コントローラ、新製品が登場し、購入するタイミングが難しいパーツとなっている。そんな中、3月末に発表されたG-Monster PCIeは公称リード750MB/secで大きな話題を呼んだ。さらに名前を「G-Monster-PROMISE PCIe」を変え、公称リード・ライト1GB/secとなったとき、これは買うしかないと思った読者も多いと思う。しかし、大きな問題点があった。価格だ。1TB、512GB、256GB、128GBの4モデルが用意されているが、もっとも容量の少ない128GBでも実勢価格約16万円と高嶺の花である。

 もちろん、筆者も価格発表で購入リストから一度は外したのだが、いまだに正月休みとGW休みが取れない悶々とした気分を一掃すべく、G-Monster-PROMISE PCIe 128GBを爽快に衝動買いしてしまったので、そのレビューをさせていただく。

・公式スペックシート

ラインナップ 128GB/256GB/512GB/1TB
速度 最大リード1,000MB/sec 最大ライト1,000MB/sec
インターフェイス PCI-Express x8
CPU 800MHz Intel 81348 XScale I/O プロセッサー搭載
キャッシュ 256MB ECC DDRII & 64MB x 4 SDRAM内蔵
RAID機能 ハードウェアRAID 0 & 6 アクセラレーター搭載
耐衝撃性能 1,500G

●ハイエンドビデオカードと並ぶボード長

 G-Monster-PROMISE PCIeは発表当時の写真からもわかっていたように、ボード長が非常に長い。サイズ270mm×120mm×35〜43.5mm(幅×奥行き×高さ)で重量は約980g。当然の如く、2スロットを占有する。

側面から見たところ。末端部分だけ高さが異なっており、最大43.5mmとなっている。0なお白い円はワランティシール。反対側と底面にもあり、合計10個と多い ケース外側部分。排気できるようにスリットが入っている ケース内側部分。4cmファンと4ピン×2が並ぶ
付属物はPhotoFast謹製CD-Rのみ。WindowsVista、WindowsXP、Linuxドライバが入っており、OSインストール時にも使用可能である

 ボディは堅牢性の高い金属製。ボディを眺めて気がつくのは、ハイエンドビデオカードに似た形状であること。排気スリットもあるし、右端には4cmファンも搭載されている。また4ピンがふたつあり、ここから給電する仕組みだ。

 起動時はDetectタイムが約30秒ほどあり、その後、通常の起動が始まる。このとき、CTRL+SでハードウェアRAIDボードのBIOSへとアクセスすることができ、RAIDの設定などが行なえる。公称ではRAID 0とRAID 6とあったが、設定には1E/10/5も可能。ここでハードウェアRAIDボードの詳細と使用されているSSDが確認できた。ハードウェアRAIDボードはPROMISE Technology製ST EX8650、SSDはPhotoFast製G-Monster V3。いずれも市販で入手できるパーツである。

 

BIOS起動後、検出シーケンスが実行される。このあと、CTRL+SでST EX8650のBIOSを起動できる ST EX8650のBIOS画面
Controller Infomationで、ST EX8650のスペックが確認可能 購入直後の状態でも、Physical Drive ManagementでSSDの名前が確認できる RAIO0と6だけでなく、1Eや10、5も設定可能

●中身を拝見

■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害は筆者および、PC Watch編集部、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・筆者およびPC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

 とても気になる中身をチェックしてみた。ハードウェアRAIDボードのBIOSからPROMISE Technology製ST EX8650と判明していたので、SSD4台とはST EX8650がリンクされているのは容易に想像できた。実際その通りで、以下の写真の通りかなりシンプルな設計である。

ケースを外してみたところ。予想通りの構造だ PROMISE Technology製ST EX8650だけを取り出した状態。1スロット余っているので増設もOK

 ボコっと膨らんだ部分の正体は4cmファンを搭載するためだけにあるようなもので、ちょっと雑な印象だ。駆動させると多少熱を持つため、エアフロー確保のために仕方なかったのだろうが、もう少し考えた構造にして欲しかった。

手奥の4cmファンから吸気して、手前側に向かってエアフローが発生する構造だが、発熱を考えると、筐体にスリットを入れれば問題なさそうな気も 4ピンからの配線を追うと、PCIeの給電はST EX8650に対してのみ。4ピンはSSD×4とファンへの給電目的となっている

 SSDもST EX8650で確認していたが、G-Monster V3とやはり同一のものだった。基板を見てもとくに加工された様子はないため、単純にケースを外した状態のSSDが取り付けられているようだ。

裸で設置されているG-Monster V3。基盤、搭載SDRAM、コントローラーなどに違いはない 2階建て構造でSSDは設置されている。取り外し可能

●購入検討時に一番大切なのはマザーボードのレイアウト

 筆者の愛用マザーボードはギガバイト「GA-MA790FX-DQ6」。構成から外せないPCIボードがあるため、2スロット仕様のVGAと干渉しにくいという理由から選んだのだが、G-Monster-PROMISE PCIeの取り付けたいスロットの上部スロットを占有するというあまり見ないタイプ(大型ビデオカードの反対)の仕様とSATAの場所によって、PCI Express×16スロット0番に挿さざるを得なくなった。また筆者の取り付け例の場合、ノースのヒートシンクの高さも影響する。購入するつもりであれば、事前に長いビデオカードをサンプルとして干渉しないスロットがあるか、G-Monster-PROMISE PCIeを取り付けたあと、ビデオカードは問題なく取り付け可能なのかを確認してもらいたい。

リファレンスデザインのRadeon HD 4870とG-Monster-PROMISE PCIeの長さを比べてみたところ PCI Express×16スロット0番に取り付けたところ。その上部にあるPCI Express×1スロットは使用不可に SATAゲーブルとVGAがぶつかるため、PCIスロットが1本使えなくなってしまった

 本体はほとんど発熱しないため、熱回りの考慮は不要なレベル。どちらかといえば長すぎるボードのためケース内エアフローを見直す必要がある。筆者の場合だと、CPUのアイドル温度が8度、VGAのアイドル温度が10度ほど上昇した。サウス/ノース間がヒートパイプでつながれ、さらに別のところで熱を逃がす構造なら、筆者のような取り付け環境でもノースの温度上昇はないが、そうではないならノースの温度も上昇するだろう。

●久しぶりに体感する「爆速」

 実際の速度について、結論からいうと、すこぶる速い。ベンチマークスコアとしては、G-MonsterV3×4でRAID0そのものという結果だったが、このスコアは見ていて気持ちが良い。

・ベンチマーク環境
CPU:AMD PhenomII X4 940(3GHz)
マザーボード:GIGABYTE GA-MA790FX-DQ6
メモリ:DDR2 6400 2GB×2 Patriot Memory PDC24G6400LLK
ビデオカード:ATI Radeon HD 4870
OS:Windows XP Professional SP3

 ベンチ環境は上記の通りで、いわゆるDragonプラットフォームである。RAID 0時では公称スペックのリード・ライト約1GB/s通りのスコアは出なかったが、CrystalDiskMark2.2.0 100MBでは853MB/secと公称スペックにかなり迫ったスコアが出た。ただ1,000MBになるとリード501MB/sec、ライト391MB/secにまで低下(といっても実用レベルでは高速のままだが)。同等のSSDを扱った平澤寿康の周辺機器レビューのスコアを見るに、CrystalDiskMark2.2.0の100MB、1,000MBでのスコア差はほとんどなく、可能性としてはST EX8650に原因があると思われる。異なるハードウェアRAIDボードに切り換えた場合、スコアがまた変化するかもしれない。

 またRAID6でのベンチマーク結果も掲載している。ライトはパリティの分遅くなっているという感じだが、それでも十分に速い。なお、100MBの512KBライトのスコアが高いのは、キャッシュに格納できてしまうためなので、512KBのみ、1,000MBを目安にするといいだろう。

 HD Tune Pro 3.50の計測結果を見ると、RAID0だと極端な速度変化もなく、綺麗なグラフとなっている。INDILINX製コントローラ「IDX110」を搭載するSSD同様に、64MBキャッシュが効いているのだろう。

 RAID6の場合はやはりライトになるとパリティの分、グラフが乱れる結果となったが、十分実用範囲だ。

 なお、HD Tune Pro 3.50の512KBライトについては、実行しようとするとなぜかHD Tune Pro 3.50がエラー落ちしてしまったため、RAID0、RAID6ともに計測していない。

・RAID 0

CrystalDiskMark2.2.0 100MB CrystalDiskMark2.2.0 1000MB

HD Tune Pro 3.50 64KBリード HD Tune Pro 3.50 512KBリード HD Tune Pro 3.50 8MBリード
HD Tune Pro 3.50 64KBライト HD Tune Pro 3.50 8MBライト
HD Tune Pro 3.50 ランダムアクセスリード HD Tune Pro 3.50 ランダムアクセスライト

・RAID 6

CrystalDiskMark2.2.0 100MB CrystalDiskMark2.2.0 1000MB

HD Tune Pro 3.50 64KBリード HD Tune Pro 3.50 512KBリード HD Tune Pro 3.50 8MBリード
HD Tune Pro 3.50 64KBライト HD Tune Pro 3.50 8MBライト
HD Tune Pro 3.50 ランダムアクセスリード HD Tune Pro 3.50 ランダムアクセスライト

 Windows XPとWindows 7 RCのインストールもしてみた。当然のことながら、検出シーケンスのほうが長いと感じるくらいで、約30秒ほどで起動が完了と、いい感じだった。またRAW現像時のファイル置き場としても、Photoshopの仮想記憶ディスクとしても便利で、実に快適だ。

 テスト目的のOSインストールならともかく、メイン環境のインストールとなると環境復旧に1日以上掛かるため、かれこれ3年ほど敬遠していたのだがG-Monster-PROMISE PCIeにならインストールしてもいいかなぁと思い始めている。

●非常に高価だが快適環境を求めるなら買い

 すでに述べた通り、中身だけを揃えることもできる。価格もそちらのほうが安いので現実的だがケース内にSSD 4基を設置するスペースがないというのであれば、G-Monster-PROMISE PCIeの選択肢はアリ。分解写真を見てもわかるように、自己責任ではあるが、後々SSDの換装も可能だし、さらにSSD 4基を追加することもできる。筆者はワンセットになったSSDマウンタとしてしばらく酷使して、さらにSSDを追加、換装をしてみようと思っている。

(2009年 6月 4日)

[Text by 林 佑樹]

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