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NEC PC「LAVIE Hybrid ZERO HZ750/DAB」

〜13.3型軽量モバイルがSkylake採用で性能向上

13.3型の「LAVIE Hybrid ZERO HZ750/DAB」

 NECパーソナルコンピュータ株式会社(NEC PC)は、世界最軽量モバイル「LAVIE Hybrid ZERO」シリーズ13.3型の2016年春モデルを発表した。外観など基本的な仕様に大きな変更はないものの、搭載CPUが“Skylake”こと第6世代Coreプロセッサに変わっており、性能が向上している。

 今回、13.3型の最上位モデルとなる「LAVIE Hybrid ZERO HZ750/DAB」の評価機をいち早く試用できたので、仕様や性能面をチェックしていきたい。なお、評価機のため最終的な製品版とは仕様が異なる場合がある点はご了承願いたい。発売時期は2016年2月下旬で、税別店頭予想価格は209,800円前後の見込み。

CPUに第6世代Coreプロセッサを採用

 2015年1月に発表された、世界最軽量13.3型モバイル「LAVIE Hybrid ZERO」。その圧倒的な軽さは、日本はもちろんのこと、試作機が展示された「2015 International CES」では、「Best of CES 2015」の「Best PC賞」を始めとして、さまざまなアワードを受賞するなど、海外でも大きな話題となった。そのLAVIE Hybrid ZEROの2016年春モデルでは、外観などの基本仕様に大きな変更はないものの、搭載CPUの変更といった進化を遂げている。

 最も大きな変化となるのが搭載CPUで、従来の第5世代Coreプロセッサから、最新の第6世代Coreプロセッサへと移行した。最上位モデルとなる「HZ750/DAB」では、Core i7-6500Uが、下位モデルのHZ650/DAB、およびタッチ非対応のHZ550/DABではCore i5-6200Uへと強化されている。

 CPUが第6世代Coreプロセッサに強化されたことで、処理能力が向上するとともに、内蔵GPUの描画能力も向上し、全体的な快適度が高まることになる。この辺りは、後ほどベンチマークテストでチェックしたいと思う。

 また、最上位モデルのHZ750/DABでは、内蔵ストレージとなるSSDの容量が従来の128GBから2倍の256GBへと強化されている。従来モデルでは、やや内蔵ストレージ容量に不安を感じる部分もあったが、256GBとなったことで、十分な余裕が生まれている。

 なお、メインメモリはLPDDR3を8GB(デュアルチャネル)搭載するなど、CPUや内蔵ストレージ以外のスペック面は従来通りとなる。メインメモリにDDR4を採用していない点は少々残念ではあるが、性能に大きな差が出ることはないため、それほど大きな問題ではないだろう。

 加えて、外観も従来モデルから変更はない。本体サイズは、319×217×16.9mm(幅×奥行き×高さ)。液晶部が360度開閉する機構で、クラムシェルノートやタブレットとして使える点も同様。ボディ素材にマグネシウムリチウム合金を採用し、本体重量はタッチ対応となるHZ750/DABおよびHZ650/DABが約926g、タッチ非対応のHZ550/DABが約779gと、こちらも従来同様。なお、今回試用したHZ750/DAB評価機の重量は、実測で927gであった。

本体正面
左側面。高さは16.9mmと従来同様
後部側面
右側面
天板部分。フットプリントも319×217mm(幅×奥行き)と従来同様だ
底面
ヒンジは2軸の板状ヒンジで、液晶部は360度開閉する
液晶を360度開くとタブレットとして利用可能
重量は公称926g、実測では927gだった

液晶やタッチパネルは従来モデルと同じ

 液晶は、従来モデル同様、2,560×1,440ドット表示対応の13.3型フルフラットスーパーシャインビューLED液晶を搭載する。パネルにIGZO液晶を採用する点もこれまでと同じ。表示品質は従来モデルとほぼ同等で、非常に高精細かつ鮮やかな表示が確認できる。情報量も非常に多く、快適な作業領域を確保できるが、等倍表示時の文字サイズはかなり小さくなるので、視認性はやや低下する。

 液晶表面に「FFF構造」と呼ばれるPET素材フィルムのタッチパネルを採用する点も従来同様。これにより圧倒的な軽さを実現。また、フィルムは液晶パネルに直接貼り付けるダイレクトボンディングとなっており、視認性にも優れる。なお、パネル表面は光沢仕様のため、外光の映り込みやタッチ操作時の指紋の痕の付きやすさは少々気になった。加えて、液晶が消灯している状態では、表面がわずかに波打ったように見える点も気になる部分ではあるが、液晶が点灯しているとまったく気にならなかったので、ほぼ問題ないだろう。

液晶は、2,560×1,440ドット表示対応の13.3型フルフラットスーパーシャインビューLED液晶を採用。従来同様IGZO液晶だ
軽量化のためパネル表面にはPET素材のフィルムを採用しているが、表示品質は申し分なく、発色も十分に鮮やかだ
表示解像度が高く、等倍表示時にはかなりの情報量となるが、文字の視認性は低下する
液晶表面は光沢仕様で、外光の映り込みや指紋の痕がやや気になる

キーボードも従来モデルから変わらず

 キーボードも、従来モデルと仕様は同一。キーの間隔が開いたアイソレーションタイプで、NEC製ノートPCでお馴染みの、幅の広いスペースキーもそのまま受け継がれている。キーピッチは約18mmと、フルサイズには届いていないが、配列は自然で、タッチタイプも違和感なく行なえる。

 キーボード面のボディ素材もこれまでと同じマグネシウムリチウム合金を採用しており、キーボードはボディに直接固定されている。そのため、キーボード面のたわみはほとんど感じない。これも、比較的快適な操作性に繋がっている。

 それに対し、ストロークは約1.2mmと浅く、タッチは比較的軽めとなっている。また、スペースキー周囲の一部キーのピッチが狭くなっている点も、気になる場面がありそうだ。慣れればそれほど違和感を感じなくなると思うが、使い始めはストロークの浅さなどに戸惑う場合があるかもしれない。

 ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッド「NXパッド」を採用。指2本や3本によるジェスチャ操作にも対応しており、操作性は申し分ない。

キーボードは、従来モデル同様のアイソレーションタイプキーボードを採用
キーピッチは約18m。キーボードはキーボード面ボディに直接固定されており、たわみがほとんどない点は嬉しい
ストロークは約1.2mmと浅く、タッチもやや軽めだ
ポインティングデバイスはクリックボタン一体型タッチパッド「NXパッド」を採用。ジェスチャ操作にも対応する

側面ポート類は必要最小限

 先に紹介したように、LAVIE Hybrid ZEROの2016年春モデルでは、CPUが第6世代Coreプロセッサに強化されるとともに、HZ750/DABでは内蔵ストレージのSSD容量が2倍の256GBに強化されているが、それ以外のスペック面は従来モデルからほぼ変更がない。

 無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0を標準搭載。無線LANの速度は11ac時で最大867Mbps。ただし、有線LAN機能は搭載しない。カメラは液晶面上部中央に約92万画素のWebカメラを搭載する。

 側面ポート類は、左側面に電源コネクタ、右側面にヘッドフォン/マイク共用ジャック、UHS-II対応SDカードスロット、USB 3.0ポート×2、HDMI出力が用意されている。できれば左側面にもUSBポートがあるとよかった。また、HZ750/DABは2in1仕様となるため、左側面に電源ボタンだけでなくボリュームボタンも用意されている。

 付属のACアダプタも従来モデルと同じ。重量は電源ケーブル込みで実測212.5gと比較的軽量で、サイズもコンパクトなため、本体との同時携帯も苦にならないだろう。

左側面には、電源コネクタ、電源ボタン、ボリュームボタンを配置
右側面には、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、UHS-II対応SDカードスロット、USB 3.0ポート×2、HDMI出力を用意
液晶上部中央には約92万画素のWebカメラを搭載
底面にステレオスピーカーを搭載するとともに、ヤマハ製AudioEngineを採用し、音質も高められている
付属のACアダプタは従来モデルと同じものだ
ACアダプタの重量は、電源ケーブル込みで実測212.5gだった

性能は従来モデルを凌駕

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.5.419」、「PCMark 7 v1.4.0」、「3DMark Professional Edition v1.5.915」、Maxonの「CINEBENCH R15」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の5種類。比較用として、2015年2月発売の同じく13.3型「LaVie Hybrid ZERO HZ750/AAB」の結果も加えてあるが、OSや一部ベンチマークソフトのバージョンが異なるのほか、ファイナルファンタジーXIVの結果がないので参考値として見てもらいたい。

LaVie Hybrid ZERO HZ750/DAB LaVie Hybrid ZERO HZ750/AAB
CPU Core i7-6500U(2.5〜3.1GHz) Core i7-5500U(2.4〜3GHz)
チップセット
ビデオ機能 Intel HD Graphics 520 Intel HD Graphics 5500
メモリ LPDDR3 SDRAM 8GB LPDDR3 SDRAM 8GB
ストレージ 256GB SSD 128GB SSD
OS Windows 10 Home 64bit Windows 8.1 Update 64bit
PCMark 8
PCMark 8 v2.5.419 PCMark 8 v2.0.282
Home Accelarated 3.0 3347 2855
Creative accelarated 3.0 4132 3692
Work accelarated 2.0 4262 3795
Storage 4866 4901
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 5299 4950
Lightweight score 3272 3098
Productivity score 2519 2429
Entertainment score 3906 3695
Creativity score 9244 9017
Computation score 15462 16834
System storage score 5136 5081
Raw system storage score 4493 4857
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps) 43.11 31.27
CPU 322 297
CPU (Single Core) 129 121
3DMark
3DMark Professional Edition v1.5.915 3DMark Professional Edition v1.4.828
Ice Storm 58072 51176
Graphics Score 67495 55588
Physics Score 39001 40051
Ice Storm Extreme 41766 36334
Graphics Score 42706 35443
Physics Score 38782 39843
Ice Storm Unlimited 66236 62690
Graphics Score 77699 71808
Physics Score 43682 43403
Cloud Gate 6068 5407
Graphics Score 7692 6493
Physics Score 3490 3411
Sky Diver 3623 2803
Graphics Score 3451 2637
Physics Score 4910 4487
Combined score 3555 2572
Fire Strike 825 756
Graphics Score 882 806
Physics Score 4976 4809
Combined score 302 277
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) DirextX 9 5047
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC) DirectX 9 2804
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) DirextX 11 3393
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC) DirectX 11 1875

 結果を見ると、ほぼ全ての項目でHZ750/AABの結果を上回っていることが分かる。OSなど環境が同一ではないため、直接比較は難しいが、それでも性能が向上していることは間違いないだろう。特に、3DMarkは伸び率が比較的大きく、内蔵GPUの描画能力向上の効果がなかなかのものと言えそうだ。

 次にバッテリ駆動時間だ。HZ750/DABの公称のバッテリ駆動時間は、約9時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver2.0)。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を40%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約8時間35分だった。実測でこれだけの駆動時間なら、実利用時でも8時間前後は十分に利用できると思われるため、携帯性も申し分ないと言える。

CPU強化による正統進化で、魅力が向上

 HZ750/DABは、従来モデルと比べ、搭載CPUや内蔵ストレージ容量が増加するなど、どちらかというとマイナーバージョンアップといった雰囲気の進化に留まっている。そのため、正直新鮮味は少ない。とは言え、CPUが第6世代Coreプロセッサになったことによる処理能力の向上や、SSD容量が倍増した点など、正当な進化を遂げていると言っていいだろう。

 従来モデルを持っている人が買い換えるには、やや魅力薄かもしれないが、これから超軽量モバイルを新調しようと考えているなら、魅力的な選択肢になることは間違いない。今年(2016年)は、各社から軽量モバイルノートが続々登場してきそうだが、そういった中でも元祖超軽量モバイルとして注目すべき存在となるはずだ。

(平澤 寿康)