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パナソニック「Let'snote MX3 CF-MX3JEKJR」

〜2-in-1の光学ドライブレス軽量モデル

パナソニック「Let'snote MX3 CF-MX3JEKJR」
5月23日 発売

価格:オープンプライス

 パナソニックは、モバイルノート「Let'snote」シリーズの2014年夏モデルを発表した。各モデルともCPUを強化するなどのパワーアップを実現しているが、12.5型液晶搭載のコンバーチブルモデル「Let'snote MX3」シリーズでは、新たに光学ドライブレスのモデルが追加された。今回はその「Let'snote MX3 CF-MX3JEKJR」を取り上げる。価格はオープンプライス、実売価格は195,000円前後(税別)を予定している。

光学ドライブを省いてさらなる軽量化を実現

 「Let'snote MX3 CF-MX3JEKJR」(以下、MX3JEKJR)は、外観デザインや基本的な仕様は、従来のLet'snote MX3シリーズとほぼ同等だ。液晶部分が360度開閉し、クラムシェルノートとしてもピュアタブレットとしても利用できる2-in-1スタイルもそのまま継承している。そういった中で従来モデルからの最も大きな変更点となるのは、左前方に内蔵されている光学式ドライブが省かれているという部分だ。

 もともとMX3シリーズは、Let'snote AXシリーズ同等の2-in-1スタイルを実現しつつ、液晶画面を大型化して画面の視認性を高めるとともに、光学式ドライブ内蔵モデルの需要が依然高いビジネスシーンへの対応を強化するために登場した。ただ、光学式ドライブが不要というユーザーも少なからず存在しており、個人向けラインナップから終息したクラムシェルのLet'snote NXシリーズの代替という見方もできる。また、Let'snote AXシリーズの利便性の高さに魅力を感じつつも、11.6型液晶の小ささから導入を見送っていたユーザーもいたはずだ。そういったユーザーを取り込むために、光学式ドライブを省いたMX3JEKJRを投入したと考えていいだろう。

 光学式ドライブを省くことで、機能面は簡略化されたものの、さらなる軽量化が実現されている。従来モデルの重量は公称約1,198gだったのに対し、MX3JEKJRでは約1,118gと80gほど軽くなった。MX3に搭載されている光学式ドライブは徹底的に軽量化を突き詰めていたこともあり、光学ドライブレスになったことによる軽量化はわずかで、実際に手に持って比べても大きな違いは感じられないかもしれない。それでも、とことんまで軽さを追求するという意味では重要な進化と言える。なお、実測での重量は1,117.5gと、ほぼ公称値と同じだった。

 本体サイズは、301.4×210×21mm(幅×奥行き×高さ)と従来モデルと同じで、本体デザインにも変更はない。天板に発泡素材をカーボンで挟み込む世界初の構造を備えるカーボン素材を採用したり、天板ボンネット構造の最適化やカーボンを混ぜたマグネシウム合金のキーボード面ケースなどの堅牢性を高める特徴はそのまま受け継がれており、76cm(底面方向、動作時)および30cm(6面、12辺、8角の合計26方向、非動作時)の落下試験や、100kgf加圧振動試験をパスする優れた堅牢性も従来モデル同様となっている。

本体前面
従来モデルに搭載されていた光学式ドライブが外され、カバーが取り付けられている
左側面
背面
右側面
天板部分。フットプリントは301.4×210mm(幅×奥行き)、ボンネットデザインや素材、堅牢性なども従来モデルと同じだ
底面
重量は公称で1,118g、実測で1117.5g。従来モデルより80gほど軽くなっている

12.5型フルHD液晶はそのまま継承

 液晶は、従来モデルと同じ1,920×1,080ドット表示対応の12.5型液晶を採用している。パネルの種類はIPS方式となっており、視野角の広さは申し分ない。13.3型のフルHD液晶よりはドットピッチが細かいため、デスクトップのアイコンの文字などは等倍表示時にやや小さくなるが、それでもAXシリーズの11.6型フルHD液晶よりは見やすい。

 液晶表面には、従来モデル同様に非光沢の保護フィルムが貼られているため、発色の鮮やかさは光沢液晶にやや劣ると感じるが、それでも以前のLet'snoteシリーズの液晶に比べると圧倒的に発色は鮮やかで、デジタルカメラの写真や動画を表示した場合でも、表示品質に不満は感じない。この非光沢保護フィルムのおかげで外光の映り込みも少なく、ビジネスシーンで多い文字入力作業も快適にこなせる。

 先に紹介したように、液晶パネル部分は従来モデル同様360度開閉する構造を採用。一般的なノートPC同等のクラムシェルノートスタイルや、液晶を360度開いたピュアタブレットスタイル、液晶を180度以上開いてキーボード面を下にして利用するスタンドスタイルなど、さまざまな形状で活用できる。液晶部分の開閉はスムーズで、ぐらつきもほとんどない。また、液晶を180度以上開くとキーボードとタッチパッドの動作がオフとなり誤動作を防ぐように配慮されている点も従来同様だ。

 タッチパネルも従来モデルと同じで、10点マルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルを採用。ペン先が約2mmと細いタッチペンも同様に標準で付属しており、細かな操作に対応可能。タッチペンを本体左側面に収納できる点も変わりはない。

従来モデルと同じ1,920×1,080ドット表示対応の12.5型液晶を採用。10点マルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルも搭載
表示品質も従来モデルと同等。表面に非光沢保護フィルムが貼られ、外光の映り込みが少ない
IPSパネルを採用しており視野角が広く、どの角度からも鮮明に映像が見える
通常はクラムシェルノート型だが、液晶は360度開閉するため、さまざまな形状で使える
液晶を180度以上開いてキーボード面を下にして置くスタンドスタイル。液晶を180度以上開くとキーボードとタッチパッドがオフとなり誤動作の心配もない
テント状に置いて使うことも可能
液晶を360度開くとピュアタブレットスタイルとなる
従来モデル同様、ペン先が2mmと細いタッチペンが付属する
タッチペンは左側面に収納可能

キーボードやタッチパッドも変更なし

 キーボードおよびタッチパッドの仕様も従来モデルから変更はない。

 キーボードは、キーピッチが横約19mm、縦約15.2mmの横長のキートップ形状を備えるものとなっている。キートップの左上と右下の角がなだらかなカーブとなっている、リーフ型キーも従来同様。タッチはLet'snoteシリーズらしくやや軽めだが、ストロークが約2mmと深く、しっかりとしたクリック感もあり、打鍵感は悪くない。ただ、縦ピッチの狭さはやや違和感を感じる。また、半角/全角キーとカーソルキーの位置も少々気になる。

 タッチパッドも、従来モデル同様長方形のものを採用。タッチパッドの面積は十分に広く、独立したクリックボタンも用意され、操作性は申し分ない。左右クリックボタンの間に配置されたHOLDボタンによって、タッチパッドとキーボードの動作を任意にオフにできる点も従来同様だ。

キーボードも従来モデル同様。シリーズおなじみのアイソレーションタイプで、リーフ型キートップもそのままだ
キーピッチは横は約19mmとゆったりしているが、縦は約15.2mmと狭く、やや違和感がある
ストロークは約2mmと深い。タッチは軽いがしっかりとしたクリック感があり打鍵感は優れる
Enterキー付近の一部キーのピッチが狭くなっている点とカーソルキーの位置はやや気になる
Escキーの右に配置された半角/全角キーの位置も気になる
タッチパッドは従来モデルと同じ長方形型。独立したクリックボタンが用意され扱いやすい
中央のHOLDボタンでキーボードとタッチパッドの動作を切り離せる

搭載CPUは従来モデルから強化

 基本スペックは、光学式ドライブが省かれているという点を除いて、Core i5搭載の従来モデルから大きな違いはないが、CPUが強化されている。従来モデルはCore i5-4200U(1.6GHz、Turbo Boost時2.6GHz)を搭載していたが、MX3JEKJRではCore i5-4310U(2GHz、Turbo Boost時3GHz)へと強化された。これにより、従来モデルからの性能向上が期待できる。

 それ以外の仕様は、従来モデルとほぼ同じだ。メインメモリは標準で4GBとなり、内蔵ストレージは128GBのSSDを採用。無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を標準搭載。モバイルWiMAX機能も引き続き搭載している。センサー類は、照度センサー、電子コンパス、ジャイロセンサー、加速度センサーを搭載する。

 本体側面のポート類も従来モデル同様。ヘッドフォンジャック、マイクジャック、USB 3.0×2ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernet、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、電源コネクタを右側面に配置している。各ポートは全て標準サイズとなる点も同様だ。加えて、右側面には内蔵無線機能のオン/オフスイッチ、本体前面にはSDカードスロットとボリュームボタン、画面回転のオン/オフボタン、電源スイッチを配置。SDカードスロットは従来モデル同様にUHS-IIに対応している。

右側面に、ヘッドフォンジャック、マイクジャック、USB 3.0×2ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernet、アナログRGB出力、電源コネクタを配置。無線機能のオン/オフスイッチもある
前面右側にUHS-II対応SDカードスロットとボリュームボタン、画面回転のオン/オフボタン、電源スイッチを配置
液晶面上部には、タブレットモードで利用するWindowsボタンと約200万画素のWebカメラを搭載
付属のACアダプタ。従来モデル同様小型軽量となっており、携帯性に優れる
ウォールマウントプラグも従来同様付属する
電源ケーブル込みの重量は実測で241.6gだった
ウォールマウントプラグ装着時の実測の重量は198.7g

性能は従来モデルのCore i7-4500U搭載モデルに肉薄

 では、ベンチマークテストの結果を紹介していこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.0.204」、「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.1.0」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」の6種類。比較用として、Core i7-4500U搭載の従来モデル、Let'snote MX3 CF-MX3TEABRの結果も加えてある。

  Let'snote MX3 CF-MX3JEKJR Let'snote MX3 CF-MX3TEABR
CPU Core i5-4310U (2.00/3.00GHz) Core i7-4500U (1.80/3.00GHz)
ビデオチップ Inte HD Graphics 4400 Inte HD Graphics 4400
メモリ PC3L-12800 DDR3L SDRAM 4GB PC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB
ストレージ 128GB SSD 256GB SSD
OS Windows 8.1 Update Windows 8.1 Pro
PCMark 8 v2.0.204
Home Accelarated 3.0 2551 2547
Creative accelarated 3.0 2825 2750
Work 2.0 3641 3226
Storage 4906 4936
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 4906 5114
Lightweight score 3276 3478
Productivity score 2565 2650
Entertainment score 3677 3726
Creativity score 8955 9456
Computation score 16642 16406
System storage score 5133 5323
Raw system storage score 5177 5699
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A N/A
CPU Score 9370 9429
Memory Score 8325 8315
Graphics Score 3295 3509
HDD Score 41136 38139
3DMark Professional Edition v1.2.250
Ice Storm 42548 44198
Graphics Score 47613 49434
Physics Score 31006 32245
Cloud Gate 4399 4590
Graphics Score 5454 5684
Physics Score 2624 2744
Fire Strike 557 606
Graphics Score 580 654
Physics Score 3584 3931
3DMark06 Build 1.2.0 1901
3DMark Score 5303 5472
SM2.0 Score 1872 1893
HDR/SM3.0 Score 2081 2221
CPU Score 3627 3436
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 2519 2813

 結果を見ると、Core i7-4500Uと上位のCPUを搭載する従来モデルに匹敵するスコアが記録されていることが分かる。3D描画能力など、全体的にはさすがに敵わないものの、PCMark8のスコアは従来モデルを凌駕する部分もあり、Core i5-4310Uの処理能力の高さがうかがえる。これだけのパフォーマンスがあれば、Let'snoteシリーズがメインターゲットとするビジネス用途で不満を感じることはまずないだろう。

 ところで、MX3JEKJRのSDカードスロットはUHS-II対応のため、UHS-II対応SDカードを取り付けた場合のデータ転送速度をCrystalDiskMark 3.0.3bを利用して計測してみた。利用したSDカードは、サンディスクの「エクストリームプロSDHC/SDXC UHS-IIカード」の32GBモデルだ。結果は、シーケンシャルリードが174.5MB/Sec、シーケンシャルライトが119.5MB/Secと、カード本来の速度は引き出せていないものの、UHS-I対応SDカードよりも圧倒的に高速なデータ転送速度が確認された。これだけの速度なら、デジタルカメラなどのデータを高速に転送できるのはもちろん、内蔵ストレージを増強する用途としても十分に活用できそうだ。

内蔵SSDの速度
SDカードスロットでのUHS-II対応SDカード「エクストリームプロ UHS-Uカード 32GB」の速度
着脱式バッテリと内蔵バッテリの併用により、OS起動中でもバッテリを交換可能

 次にバッテリ駆動時間だ。MX3JEKJRの公称のバッテリ駆動時間は、JEITAバッテリ動作時間測定法Ver1.0基準で約15時間、JEITAバッテリ動作時間測定法Ver2.0基準で約10時間とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、無線機能は無線LANのみを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約8時間45分の駆動時間を計測した。JEITA 2.0基準の公称値よりもやや短いが、それでも実利用で9時間弱の駆動時間があれば、1日の外出でも残量を気にする場面はほぼないはずだ。

 なお、着脱式バッテリと内蔵バッテリの2バッテリ構成で、本体をシャットダウンすることなくバッテリ交換が可能な特徴もそのまま受け継がれている。より長時間のバッテリ駆動が必要なら、オプションのバッテリを用意すればいいだろう。

利便性重視のビジネスモバイル2-in-1としておすすめ

 MX3JEKJRは、光学式ドライブを外したことでMX3の魅力が失われているのでは、と感じるかもしれない。ただ、実際に使ってみると光学ドライブがなくなったからといって使い勝手は全く損なわれておらず、魅力は維持されている。また、CPUの強化により性能が高まっている点や、80gほどではあるが従来より軽くなったこと、実測で9時間弱のバッテリ駆動時間を実現している点など、モバイル性も向上。しかも、実売予想価格が税別195,000円前後と、MX3シリーズの中で最も安価に購入できる。用途にもよるが、光学式ドライブが必要となる場面が少ないなら、光学ドライブレスのMX3JEKJRは価格の面も合わせて十分に魅力のある存在となるだろう。

 競合となるUltrabookには、同等以上のスペックでより安価な製品も存在する。ただ、ビジネスシーンで必要となる優れた堅牢性や長時間バッテリ駆動など、Let'snoteシリーズならではの特徴を考えると、利便性重視のビジネスモバイルとして広くお勧めできる製品と言える。

(平澤 寿康)