BRULE「Viliv S7」
〜9.5時間駆動! 800g! 7型ワイド液晶のミニPC



Viliv S7

発売中
価格:59,800円〜81,800円



 BRULEから登場した「Viliv S7」は、7型ワイド液晶を搭載したコンバーチブルタブレットPCだ。キーボード非搭載の「Viliv S5」や「Viliv X70」とは異なり、キーボードと回転式液晶ディスプレイを搭載しているため、通常のノートPCとしても、タブレットPCとしても利用できることが特徴だ。

 今回は、Viliv S7を試用する機会を得たので、さっそくレビューしていきたい。試用したのは試作機であり、製品版とは細部や性能が異なる可能性がある。

●コンパクトで軽いボディで十分な性能を実現

 Viliv S7は、型番から見るとViliv S5の上位機のように思われるが、外観は大きく異なっている。Viliv S5は、キーボードを搭載せず、タッチパネル付き液晶で操作するタブレットタイプの製品だが、Viliv S7は、キーボードと回転式液晶を搭載したコンバーチブルタブレットPCである。

 液晶サイズもViliv S5は4.8型だったが、Viliv S7は7型に大型化されており、本体サイズは230×143×26mm(幅×奥行き×高さ)となっている。重量は構成によって異なるが、約800〜830gで、一般的なネットブックに比べればコンパクトで軽い。

 Viliv S7は、ストレージやOSの違いによって、3つのモデルが用意されている。価格の高い順に、64GB SSDとWindows Vista Home Premium搭載の「S7-64」、32GB SSDとWindows XP Home Edition搭載の「S7-32」、60GB HDDとWindows XP Home Edition搭載の「S7-60」となる。今回は、32GB SSD搭載の「S7-32」を試用した。なお、それ以外のCPUやメモリなどのスペックは3モデルとも同一だ。

 CPUとしては、Atom Z520(1.33GHz)を、チップセットとしてグラフィックス機能統合型のIntel US15Wを搭載する。メモリは1GB固定で、増設はできない。このあたりのスペックは、Viliv S5やViliv X70とほぼ同じだ。今回は、Windows XP搭載のSSDモデルを試用したこともあって、動作はなかなか快適であった。

Viliv S7の上面。ボディカラーは光沢のあるホワイトだ Viliv S7の底面。メモリスロットカバーなどはなく、シンプルだ 試用機の重量は実測で820gであった

●液晶を回転させればタブレットPCに変身

 Viliv S7の液晶は7型ワイドで、解像度は1,024×600ドット(SVGA)である。解像度については、一般的なネットブックと同等だ。光沢タイプの液晶パネルを採用しているため、発色は比較的鮮やかで、ドットピッチもViliv S5ほど小さくないので見やすい。ただし、外光の映り込みが気になることがある。

 感圧式タッチパネル付き液晶なので、指先などでのポインティング操作が可能だ。コンバーチブルタブレットPCなので、液晶ヒンジが2軸になっており、180度回転させてから折りたたむことで、タブレットPCとして使える。

 液晶の右下に、画面を90度ずつ回転させる「PIVOT」ボタンとスタートメニューを表示するMENUボタンが用意されているので、タブレットPCとして使う際に便利だ。また、液晶の左上には130万画素Webカメラが、両側にはステレオスピーカーが搭載されている。マイクも内蔵しているので、ビデオチャットなども気軽に行なえる。

液晶は7型ワイドで解像度はSVGAだ。感圧式タッチパネル搭載で、指先などでの操作が可能。光沢タイプなので、外光の映り込みが気になることがある 液晶ディスプレイのヒンジは2軸になっており、このように回転させることが可能だ 液晶ディスプレイを180度回転させて折りたたむことで、タブレットPCに変身する
液晶を回転させてタブレットPCに変身させている様子
液晶の右下に画面を90度ずつ回転させるPIVOTボタンと、スタートメニューを表示するMENUボタンが用意されており、タブレットPC時に便利だ 液晶の左上には130万画素Webカメラが用意されている 液晶の両側にはステレオスピーカーが搭載されている

●キーボード右上にタッチパッドを搭載

 キーボードは全78キーで、主要キーのキーピッチは16mmと、このサイズのキーボードとしては余裕があるが、「ね」や「る」などの右側の一部のキーピッチは12mmと狭くなっている。また、「半角/全角」や「け」「む」「ろ」などのキーの配列も変則的になっていて気になるが、キータッチは良好で、キートップがぐらつくようなことはない。

 ポインティングデバイスとしてタッチパッドを搭載しているが、その場所が変わっており、キーボードの右上に配置されている。パッド自体の操作性は悪くないが、キーボードのホームポジションに手を置いたまま、パッドを操作することはできない。また、Viliv S5やViliv X70と同じく、半透明表示されるバーチャルキーボードの利用が可能だ。ただし、キーをタッチすると画面が振動するハプティクス機能は搭載していない。

キーボードは全78キーで、主要キーのキーピッチは16mmだが、右側の「ね」「る」「れ」などのキーピッチは12mmしかない。また配列も多少変則的だが、キータッチは良好だ キーボード右上にタッチパッドを搭載。ポインティング操作が可能だが、キーボードのホームポジションに手を置いたまま操作することはできない Viliv S5やViliv X70と同じく、バーチャルキーボードを利用可能。ただし、キーをタッチすると画面が振動するハプティクス機能はない

●必要十分なインターフェースを搭載

 インターフェースとして、USB 2.0×2とミニUSB 2.0、ミニD-Sub15ピン、ヘッドホン出力、マイク入力を搭載する。マルチI/O端子も搭載しており、オプションのTVケーブルを接続すれば、コンポジット出力やコンポーネント出力などを利用できる。メモリカードスロットとしては、SDメモリーカードスロットを搭載している。

 Viliv S5やViliv X70では、USB 2.0ポートを1基しか搭載していなかったが、Viliv S7は、2基に増えており、使い勝手も向上している。miniUSB 2.0ポートは、周辺機器を繋ぐためのポートではなく、Viliv S7をPCの外部ストレージとして使うための端子だ。Viliv X70と同様に、付属のUSBケーブルでPCとViliv X70を接続するだけで、自動的に接続したPCとViliv S7の両方でユーティリティソフト「EasySuite」が起動し、ディレクトリツリーを見ながらドラッグ&ドロップでファイルを転送できるので便利だ。

 また、Viliv S5やViliv X70では、「Cube UI」と呼ばれる独自ランチャーソフトがプリインストールされていたが、Viliv S7では、別の独自ランチャーソフト「Shuffle UI」がプリインストールされており、アプリケーションをジャンル分けして管理できる。

左側面には、ミニD-Sub15ピンとマルチI/O、ヘッドホン出力、マイク入力が用意されている 右側面には、USB 2.0×2とミニUSB 2.0、SDメモリーカードスロットが用意されている
キーボード左上に各種インジケーターを搭載。一番右がワイヤレスインジケーターだ。なお、Num LockやCaps Lock、Scroll Lockのインジケーターはキーボード右上に搭載されている 独自ランチャーソフトの「Shuffle UI」。アプリケーションをジャンルにわけて管理できる

●公称9.5時間の長時間駆動を実現

 バッテリは、薄型のリチウムポリマー電池を採用している。ACアダプタは、他のVilivシリーズと同じものが使われている。ACアダプタも比較的コンパクトで軽いが、ACプラグを折りたためるようになっていれば、より携帯しやすいだろう。Vilivシリーズは、省電力設計が優れており、バッテリ駆動時間が長いことも魅力だ。Viliv S7の公称バッテリ駆動時間は最大9.5時間、動画再生時は最大7.5時間とされている。

 実際にバッテリベンチマークソフトの「BBench」(海人氏作)を利用し、1分ごとにWebサイトへの無線LAN経由でのアクセス、10秒ごとにキー入力を行なう設定でバッテリ駆動時間を計測したところ、7時間9分もの駆動が可能であった(電源設定は「ポータブル/ラップトップ」に設定し、バックライト輝度は中)。同じ7型ワイド液晶搭載のViliv X70を同条件でテストしたときの結果は5時間3分であり、Viliv S7の駆動時間はかなり優秀だ。無線LANを使わなければ、さらに駆動時間は延びるだろう。これだけ保てば、モバイルマシンとしては十分合格だ。

 オプションとして、専用レザーケースが用意されている。Viliv S7がすっぽり入るデザインで、質感もなかなかだ。Viliv S7を傷つけずに持ち歩きたいという人にお勧めだ。

バッテリは、薄型のリチウムイオンポリマー電池を採用 電圧は7.4Vだが、容量は不明だ。サイズと電圧から考えて、4セル仕様の可能性が高い CDケース(左)とバッテリのサイズ比較
ACアダプタは、比較的コンパクトで軽い ACアダプタは、ACプラグ一体型タイプで、ACプラグを折りたたむことはできない
ACプラグ部分は外せるようになっている(海外向けではその国にあわせたACプラグが付属するのだと思われる) CDケース(左)とACアダプタのサイズ比較
オプションの専用レザーケース。価格は4,800円だ 専用レザーケースに本体を収納したところ

●SSD+Windows XPの組み合わせは快適

 参考のためにベンチマークを計測してみた。利用したベンチマークプログラムは「PCMark05」、「3DMark03」、「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」、「ストリーム出力テスト for 地デジ」、「CrystalDiskMark」で、比較対照用にソニー「VAIO X」、BRULE「Viliv X70」、NEC「LaVie Light BL350/TA」、NEC「VersaPro UltraLite タイプVS」、日本HP「HP Mini 2140 Notebook PC」の値も掲載した。

 Viliv S7のベンチマーク結果は、同スペックのViliv X70に比べるとやや低いが、ほぼ妥当なものである。スコアだけを見るとそれほど高くはないが、試用機はSSD+Windows XPという組み合わせだったこともあり、十分な速度で動作していた。バッテリ駆動時間がVAIO XのLバッテリ装着時やVliv X70よりも長いことも評価できる。YouTubeなどの動画も、HD解像度ではさすがにきついが、標準解像度ならコマ落ちせず再生が可能だ。

□Viliv S7のベンチマーク結果


Viliv S7 VAIO X Viliv X70 LaVie Light BL350/TA VersaPro UltraLite タイプVS HP Mini 2140 Notebook PC
(1366×768ドット液晶)
CPU Atom Z520(1.33GHz) Atom Z540(1.86GHz) Atom Z520(1.33GHz) Atom N280(1.66GHz) Atom Z540(1.86GHz) Atom N270(1.6GHz)
ビデオチップ US15W内蔵コア US15W内蔵コア US15W内蔵コア Intel 945GSE内蔵コア US15W内蔵コア Intel 945GSE内蔵コア
PCMark05
PCMarks N/A 1248 N/A N/A 1850 1566
CPU Score 1088 1583 1207 1521 1739 1482
Memory Score 1799 2421 1957 2453 2456 2350
Graphics Score N/A 245 N/A N/A 319 546
HDD Score 2787 3526 2586 8939 18226 5713
3DMark03(1,024×768ドット32bitカラー)
3DMarks 計測不可 365 計測不可 N/A(1024×600ドットでは638) 445 718
CPU Score 計測不可 207 計測不可 N/A(1024×600ドットでは240) 200 242
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
HIGH 計測不可 436 計測不可 N/A 347 1010
LOW 計測不可 766 計測不可 1459 550 1386
ストリーム出力テスト for 地デジ
DP 16.23 36.17 7.1 31.97 8.2 36.9
HP 7.73 85.5 7.33 88.2 31.2 75.97
SP/LP 99.6 100 99.43 99.37 99.93 99.97
LLP 99.97 100 99.7 99.93 99.97 99.97
DP(CPU負荷) 49 78 46 81 50 68
HP(CPU負荷) 44 78 44 80 53 68
SP/LP(CPU負荷) 35 59 37 64 42 42
LLP(CPU負荷) 19 39 24 38 34 32
CrystalDiskMark 2.2
シーケンシャルリード 60.80MB/s 65.90MB/s 73.01MB/s 83.31MB/s(Cドライブ)、56.50MB/s(Dドライブ) 107.4MB/s 未計測
シーケンシャルライト 34.45MB/s 38.42MB/s 35.21MB/s 40.39MB/s(Cドライブ)、54.63MB/s(Dドライブ) 112.4MB/s 未計測
512Kランダムリード 60.55MB/s 63.23MB/s 72.45MB/s 79.24MB/s(Cドライブ)、31.25MB/s(Dドライブ) 103.6MB/s 未計測
512Kランダムライト 3.000MB/s 3.108MB/s 24.58MB/s 29.44MB/s(Cドライブ)、31.23MB/s(Dドライブ) 102.8MB/s 未計測
4Kランダムリード 5.947MB/s 4.135MB/s 8.402MB/s 12.43MB/s(Cドライブ)、0.560MB/s(Dドライブ) 11.03MB/s 未計測
4Kランダムライト 1.677MB/s 1.523MB/s 1.272MB/s 1.928MB/s(Cドライブ)、1.551MB/s(Dドライブ) 10.36MB/s 未計測
BBench
Sバッテリ なし 2時間57分 なし なし 未計測 未計測
Lバッテリ(標準バッテリ) 7時間9分 6時間2分 5時間3分 7時間8分 未計測 未計測
Xバッテリ なし 12時間56分 なし なし 未計測 未計測

●携帯性とバッテリ駆動時間に優れた製品

 Viliv S7は、コンバーチブルタブレットPCながら、重量800gという高い携帯性を実現していることがウリだ。重量だけなら、Viliv X70(約660g)のほうが軽いが、Viliv X70にはキーボードが搭載されておらず、入力はバーチャルキーボードを利用する必要があった。小さいとはいえ、Viliv S7には立派なキーボードが搭載されているので、入力のしやすさという点ではやはりViliv S7のほうが上だ。コンバーチブルタイプなので、通常のノートPCのような使い方も、タブレットPCとしての使い方も可能で、一台二役をこなせるのも魅力である。

 価格は最上位のS7-64が81,800円、S7-32が67,800円、S7-60が59,800円だが、現在発売記念キャンペーンが行なわれており、10月25日までに購入すると、無料でバッテリがもう1本付いてくるので、買い得感がより高くなる。携帯性とバッテリ駆動時間を重視するという人にお勧めしたい。

バックナンバー

(2009年 10月 9日)

[Text by 石井 英男]

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