日本HP「HP Mini 2140 Notebook PC」上位モデル
〜1,366×768ドット液晶と2GBメモリを搭載



HP Mini 2140 Notebook PC

発売中

直販価格:69,930円



 日本ヒューレット・パッカードの「HP Mini 2140 Notebook PC」は、10.1型ワイド液晶搭載のネットブックである。HP Mini 2140 Notebook PCの第一弾は、2009年2月12日に発表され、3月上旬に販売が開始されたが、4月下旬に1,366×768ドット表示可能な液晶を搭載した上位モデルが追加された。

 HP Mini 2140 Notebook PCの第一弾(1,024×576ドット表示)については、すでにレビューしているが、VIA C7-Mを搭載していた旧モデルのHP 2133 Mini-Note PCに比べて、パフォーマンスが大幅に向上している一方で、液晶解像度は1,280×768ドットから1,024×576ドットへと低くなってしまっていた(ネットブックのULCPCライセンスに準拠するためだが)。新たに追加された上位モデルは、HP 2133 Mini-Note PC(以下HP 2133)を上回る1,366×768ドット液晶を搭載し、液晶解像度が低いというHP Mini 2140 Notebook PC下位モデル(以下HP Mini 2140)の最大の不満が解消されている。

 ここでは、HP Mini 2140 Notebook PCの上位モデル(以下HP Mini 2140上位モデル)を試用することができたので、早速レビューしていきたい。

●メモリが2GBに倍増、Intel製80GB SSD搭載モデルも用意される

 HP Mini 2140上位モデルのボディは、HP 2133や1,024×576ドット液晶搭載のHP Mini 2140と共通である。ボディの材質はアルミニウム合金で、約500kgfの圧力にも耐え、表面のヘアライン加工も美しい。サイズは261×166×27.2〜35.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.19kgと、ネットブックとしては軽く、携帯性は優秀だ。なお、日本HPからは、コンシューマ向けとしてHP Mini 1000というネットブックも発売されているが、HP Mini 1000のサイズは261.7×166.7×25.9mm(同)、重量は約1.1kgで、ほぼ同じサイズと重量だ。

 CPUは、HP Mini 2140やHP Mini 1000と同じく、Atom N270(1.6GHz)を搭載。チップセットはIntel 945GSE Expressで、ネットブックとしては標準的な構成だ。ただし、HP Mini 2140やHP Mini 1000では、メモリを1GB搭載していたが、HP Mini 2140上位モデルは、2倍の2GBのメモリを標準実装している(増設は不可)。

 プリインストールOSは、Windows XP Professional SP2だが、これはULCPCライセンスの元で提供されているものではなく(ULCPCライセンスではWindows XP Home Editionになる)、Windows Vista Businessのダウングレードサービスを利用したものだ。HP Mini 2140上位モデルには、Windows XP Professional SP2とWindows Vista Businessの両方のリカバリディスクが付属しており、Windows Vista Businessを利用することも可能だ(通常のHP Mini 2140では、Windows XP Home Edition SP2のリカバリディスクのみ付属)。Windows XPならメモリ1GBでもそれほど不満はないが、Windows Vistaを動かすなら、最低2GBは欲しいので、メモリが2GBに倍増していることは嬉しい。

 ストレージとしては、HP Mini 2140と同じく、2.5インチ160GB HDD(7,200rpm)が搭載されているが、1,366×768ドット液晶を搭載したHP Mini 2140上位モデルでは、今回評価した160GB HDDモデルの他に、Intel製80GB SSD(MLCタイプ)を搭載したモデルも用意されている。容量よりもパフォーマンスを重視するのなら、SSD搭載モデルがお勧めだ。

HP Mini 2140上位モデルの上面。ヘアライン加工により、高い質感を実現。ボディカラーは1色のみ 「DOS/V POWER REPORT」誌とのサイズ比較。フットプリントはDOS/V POWER REPORTよりも一回り以上小さい。ボディが横長なこともよくわかる
HP Mini 2140上位モデル(左)とHP Mini 1000(右)とのサイズ比較。サイズはほぼ同じだ HP Mini 2140上位モデルの底面。メモリスロットのカバーなどは用意されていない

●一度に表示可能な情報量は通常モデルの約1.78倍

 HP Mini 2140上位モデルの最大のウリが、一般的なネットブックよりも解像度が高い液晶を搭載していることだ。液晶サイズは、通常モデルのHP Mini 2140と同じ10.1型ワイドだが、解像度が1,366×768ドットに向上している。通常モデルのHP Mini 2140の解像度は1,024×576ドットで、アスペクト比はどちらも16:9だが、一度に表示できる情報量は通常モデルの約1.78倍にもなる。縦が576ドットでは、アプリケーションによってはボタンなどが隠れてしまい操作しにくいことがあるが、1,366×768ドット表示ならそうした問題はない。もちろん、Webブラウズもより快適に行なえ、仕事の能率も上がる。なお、液晶表面には、額縁部分もカバーする光沢パネルが装着されており、フルフラットになっているため外観がスッキリしていて美しい。ただし、環境によっては外光の映り込みが気になることがある。

 10.1型ワイド液晶で1,366×768ドット表示ということで、気になるのはドットピッチの狭さだ。10.1型ワイド液晶で1,024×600ドット表示のHP Mini 1000の場合、標準のDPI設定で、ゴミ箱アイコンの「ゴミ箱」の文字列の横幅は約7mmだが、HP Mini 2140上位モデルでは約5mmとなる。そのため、やや文字が小さいと感じる人もいそうだが、その場合は、DPI設定やフォントサイズの変更などで対処すればよいだろう。

HP Mini 2140上位モデルの液晶は10.1型ワイドで、解像度は1,366×768ドット。 左がHP Mini 2140上位モデル、右がHP Mini 1000。解像度の違いがよくわかる 液晶上部にVGA解像度のWebカメラを搭載。ビデオチャットなどに利用できる

●ネットブック随一の使いやすいキーボードを搭載

 日本HPのネットブックは、前モデルのHP 2133からキーボードの使い勝手のよさで定評があった。キーピッチは約17.5mmと余裕があり、キー配列も標準的である。HP Mini 2140も、HP 2133と同じキーボードを搭載しており、快適にタイピングが可能だ。キーボードの出来については、ネットブックの中でも特に優れているといえる。ポインティングデバイスとしては、タッチパッドを採用。タッチパッドの操作性は悪くないが、ボディが横長でパームレストのスペースが狭いため、クリックボタンがパッドの左右に配置されていることが気になる。

HP Mini 2140上位モデルのキーボード。全87キーで、キーピッチは約17.5mm。配列も標準的で使いやすい HP Mini 2140上位モデルのタッチパッド。パッド自体の操作性は悪くないが、左右クリックボタンがパッドの左右に配置されていることが気になる。パッドの上のボタンを押すことで、タッチパッドの有効/無効を切り替えられる

●無線LANがIEEE 802.11n対応に強化されBluetooth 2.0も追加

 インターフェイスとしては、USB 2.0×2、LAN、マイク、ヘッドフォン、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)の各ポートを搭載。USB 2.0ポートのうち1つは、オプションの外付けマルチベイII用電源コネクタ付きとなっている。メモリカードスロットとして、SDHCカードスロットを備えているほか、ExpressCard/54スロットを搭載しており、ネットブックとしては拡張性が高いことも魅力だ。さらに、HP Mini 2140上位モデルではワイヤレス機能も強化されており、無線LAN機能がIEEE 802.11a/b/g/ドラフトn対応に強化されたほか(通常モデルではIEEE 802.11b/gのみ対応)、通常モデルには搭載されていないBluetooth 2.0+EDRもサポートしている。ワイヤレス機能をワンタッチでオン/オフするための無線オン/オフスイッチが用意されているのも便利だ。

 標準バッテリは、10.8V/28Whの3セル仕様で、公称バッテリ駆動時間は約4.5時間(SSDモデルは約5時間)である。3セル仕様としては優秀で、オプションの6セルバッテリを装着すれば、バッテリ駆動時間は2倍の約9時間に延びるので、ACコンセントのないところで長時間使いたいという人にもお勧めだ。ACアダプタのサイズは標準的だが、ACケーブルのコネクタが3ピンのミッキープラグになっており、ケーブルがやや太い。なお、ACケーブルの代わりに装着することで、直接ACコンセントにACアダプタを取り付けられるウォールマウントプラグも付属している。

左側面には、アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)とUSB 2.0(外付けマルチベイII用電源コネクタ付き)、マイク入力、ヘッドホン出力が用意されている 左側面のポート類のアップ 右側面には、USB 2.0、LAN、ExpressCard/54スロット、SDHCカードスロットが用意されている
正面には、電源スイッチと無線オン/オフスイッチが用意されている 正面右側に配置されている無線オン/オフスイッチのアップ。ワイヤレス機能を素早くオン/オフできるので便利
HP Mini 2140上位モデルの標準バッテリ 標準バッテリは10.8V/28Whの3セル仕様だが、2倍の容量を持つ6セルバッテリも用意されている CDケース(左)とバッテリのサイズ比較
付属のACアダプタ。HP Mini 1000のACアダプタに比べると一回り大きい ACケーブルのコネクタがメガネプラグではなく、3ピンのミッキープラグになっている
ACアダプタを直接コンセントに取り付けることが可能なウォールマウントプラグが付属 CDケース(左)とACアダプタのサイズ比較

●ネットブックの液晶解像度の低さが気になる人にお勧め

 参考のためにベンチマークを計測してみた。利用したベンチマークプログラムは「PCMark05」、「3DMark03」、「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」、「ストリーム出力テスト for 地デジ」で、比較対照用にMSI「X-Slim X340 Super」、デル「Inspiron Mini 10」、デル「Inspiron Mini 9」、エプソンダイレクト「Endeavor Na01 mini」の値も掲載した。

 結果は表にまとめたとおりで、PCMark05のCPU Scoreの値は、同じCPUを搭載する他のネットブックとほぼ同じだ。HDDに高速な7,200rpmのものを搭載しているので、HDD Scoreの値は、同じ160GB HDDを搭載したInspiron Mini 10やEndeavor Na01 miniよりも高い。3DMark03やFINAL FANTASY Official Benchmark 3のスコアは他のネットブックとほぼ同じだが、ストリーム出力テスト for 地デジのHPの結果(フレーム描画割合なので100%が最高)はCPUやチップセットが同じInspiron Mini 9に比べて、フレーム描画割合が20%近く低下している。HPモードでは720×1,080ドットでの表示を行なうが、Inspiron Mini 9では液晶解像度が1,024×600ドットしかないため、全ての画素を表示できているわけではなく、描画の負荷がHP 2140 Miniよりも低いのであろう。

●HP Mini 2140上位モデルのベンチマーク結果
  HP Mini 2140 Notebook PC
(1366×768ドット液晶)
X-Slim X340 Super Inspiron Mini 10 Inspiron Mini 9 Endeavor Na01 mini
CPU Atom N270(1.6GHz) Core 2 Solo SU3500(1.4GHz) Atom Z530(1.6GHz) Atom N270(1.6GHz) Atom N270(1.6GHz)
ビデオチップ Intel 945GSE内蔵コア Intel GS45内蔵コア US15W内蔵コア Intel 945GSE内蔵コア Intel 945GSE内蔵コア
PCMark05
PCMarks 1566 2101 N/A N/A N/A
CPU Score 1482 2435 1469 1484 1472
Memory Score 2350 3338 2233 2358 2374
Graphics Score 546 1108 N/A N/A N/A
HDD Score 5713 5086 3819 2843 4335
3DMark03
1,024×768ドット32ビットカラー(3Dmarks) 718 1552 計測不可 N/A(1,024×600ドットでは628) N/A(1,024×600ドットでは741)
CPU Score 242 492 N/A(1,024×576ドットでは121) N/A(1,024×600ドットでは232) N/A(1,024×600ドットでは245)
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
HIGH 1010 1427 N/A N/A N/A
LOW 1386 2094 N/A 1426 1466
ストリーム出力テスト for 地デジ
DP 36.9 68.1 6.23 37.9 未計測
HP 75.97 99.97 10.4 94.47 未計測
SP/LP 99.97 100 99.53 99.97 未計測
LLP 99.97 100 99.93 99.97 未計測
DP(CPU負荷) 68 100 50 65 未計測
HP(CPU負荷) 68 61 47 64 未計測
SP/LP(CPU負荷) 42 35 37 33 未計測
LLP(CPU負荷) 32 28 26 21 未計測

 HP Mini 2140上位モデルは、1,366×768ドット表示可能な液晶や2GBメモリ、7,200rpmの高速HDD、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN機能を備えており、一般的なネットブックを上回るスペックを誇る(ULCPCライセンスに準じていないため、狭義のネットブックの範疇には入らないともいえる)。今回レビューした160GB HDDモデルの直販価格は69,930円であり、ネットブックの相場よりも2万円くらい高いが、スペックを考えれば十分リーズナブルだ。重量も軽く、バッテリ駆動時間も長いので、モバイルノートPCとしても完成度は高い。特に、ネットブックの液晶解像度の低さが気になっていた人にお勧めしたい。

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(2009513日)

[Text by 石井 英男]

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