Hothotレビュー
圧倒的画質の有機EL、デジタイザペンも快適なモバイル2in1「ThinkPad X1 Yoga」
2017年5月26日 06:00
2月8日にレノボ・ジャパンが発表した2in1モバイルノート「ThinkPad X1 Yoga」の一般向け販売がついに6月に開始される。当初4月上旬販売予定だったが、レノボ・ジャパンによれば、先に開始していた法人向け販売が予想を上回る受注数となったため、やむなく一般向け販売を約2カ月延期したとのこと。発売を待ちわびている方が多いであろうThinkPad X1 YogaのOLED搭載モデルを借用できたので、早速レビューをお届けしよう。
USB 3.1 Type-C×2を搭載、赤外線カメラ、LTE対応を選択可能に
ThinkPad X1 Yogaはディスプレイが360度回転する2in1タイプのモバイルノートPC。本体左側面の専用スロットに格納・充電できるデジタイザペン「ThinkPad Pen Pro-3」が標準で同梱されている。ほとんどのタブレット端末は、デジタイザペンを収納できないが、本製品ならどこかに置き忘れることもないし、バッテリが切れてしまうこともない。安心してデジタイザペンを活用できる設計だ。
本製品のもう1つの特徴が「有機EL(OLED: Organic Light Emitting Diode)」ディスプレイ搭載モデルが用意されていること。ライターの笠原一輝氏による前モデルのレビュー記事「革新的美しさの“OLEDディスプレイ”を採用したThinkPad X1 Yogaを試す」で詳しく解説されているが、バックライトではなく素子自体が発光するOLEDパネルは、高い色再現性、高コントラスト比、高い応答速度、広視野角という利点を備えている。このOLEDパネルについては章を分けて詳しくレビューしよう。
ThinkPad X1 Yogaの2017年モデルは、シリーズとしては2世代目に当たる。CPUはKaby Lake世代(第7世代)のCore i5/i7、メモリは8GB/16GB(LPDDR3-1866)、ストレージは最大1TBのSSD(NVMe選択可能)、ディスプレイは14型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット)/14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット)/14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット)、OSはWindows 10 Home 64bit/10 Pro 64bitなどを搭載する。
なお、セキュリティ機能として指紋認証センサーのほかにWindows Helloに対応する赤外線カメラや、外出先でネットワーク接続するためのLTE対応SIMカードスロットをオプションで選択できる。また、本体カラーもThinkPadのイメージカラーであるブラックモデルに加えて、シルバーモデルが用意された。
下記には販売代理店モデルの主要スペックを掲載しているが、直販モデルには税別直販価格205,000円の構成も用意される。
製品番号 | 20JD0002JP | 20JD0003JP | 20JD0000JP | 20JD000EJP | 20JD0001JP |
---|---|---|---|---|---|
OS | Windows 10 Pro 64bit | ||||
CPU | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) | Core i5-7300U(2.6~3.5GHz) | Core i5-7200U(2.5~3.1GHz) | ||
GPU | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.1GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1GHz) | ||
メモリ | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB | ||||
ストレージ | 256GB SSD(PCIe、NVMe) | ||||
ディスプレイ | 14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット) | 14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット) | 14型フルHD IPS液晶 (1,920×1,080ドット) | 14型WQHD IPS液晶 (2,560×1,440ドット) | 14型フルHD IPS液晶 (1,920×1,080ドット) |
通信 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 | ||||
インターフェイス | USB 3.1 Type-C×2(電源、Thunderbolt 3、映像出力機能付き)、USB 3.0 Type-A×3(1基は常時給電USB)、HDMI端子×1、マイク/ヘッドフォン・コンボジャック×1、microSDカードリーダ、Ethernet拡張コネクタ(同梱のネットワークアダプタ専用)、720p前面カメラ | ||||
バッテリ駆動時間 | 約11.5時間 | 約15.6時間 | 約14.8時間 | 約11.5時間 | 約14.8時間 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約333×229×15.35~17.05mm | 約333×229×15.7~17.4mm | 約333×229×15.35~17.05mm | ||
重量 | 約1.43kg | 約1.36kg | 約1.43kg | ||
指紋認証センサー | あり | ||||
ペン | ThinkPad Pen Pro-3 | ||||
Microsoft Office | なし | ||||
本体色 | ブラック、シルバー(直販モデルのみ) | ||||
直販価格 | 296,000円 | 321,000円 | 280,000円 | 295,000円 | 268,000円 |
インターフェイスも時代に合わせて刷新。USB 3.1 Type-C×2(電源、Thunderbolt3、映像出力機能付き)、USB 3.0 Type-A×3(1基は常時給電)、HDMI端子×1、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック×1、microSDカードリーダ、Ethernet拡張コネクタ×1(同梱のネットワークアダプタ専用)という構成になった。
USB 3.1 Type-C×2とEthernet拡張コネクタ×1が追加されている一方で、電源コネクタ、Lenovo独自のドッキングステーション用端子「One Link+」、Mini DisplayPortが省かれているが、USB Type-C対応ディスプレイ、ハブのほうが利便性は高い。
複雑な360度ディスプレイ回転機構を備えているThinkPad X1 Yogaだが、湿度、低温、高温、粉塵、太陽放射、可燃性ガス、振動、メカニカル衝撃、高度、極端な温度変化、海運振動などの12項目のMIL-STD-810G(米国防総省が制定した米軍の物資調達規格)をパスしている。実際パームレスト部を握って少々乱暴に揺すってみても、わずかなたわみは感じるが、キシミ音はほとんど発生しない。製品公式サイトで耐加圧性能はとくに謳われていないが、ほかのクラムシェル型ThinkPadシリーズと同等の堅牢性を備えているというのが実際に数日間試用したあとの実感だ。
鮮やかな発色を引き締まった黒が引き立てるOLEDディスプレイ
前述のとおり、今回の借用機にはOLEDディスプレイが搭載されている。筆者は発表会などでOLEDディスプレイを搭載したノートPCを短時間触ったことはあるが、初めて長期間OLEDディスプレイを試用してみて、その真価をいまさらながら実感できた。
最初に感じたのは黒が引き締まった黒として発色されること。ThinkPad X1 Yogaのデフォルトの壁紙には美しい熱帯魚(ベタ)が泳ぐ写真が使われているが、赤、青、緑色の複雑なグラデーションが美しく映えるのは、ベースの黒が引き締まっているからこそだ。
また、色域もモバイルノートPC向けディスプレイとしては現在最高レベルであることは間違いない。Adobe RGBカバー率100%の色域を備えたOLEDディスプレイは、とくに緑色の階調表現が非常にきめ細かい。1台ごとにカラーキャリブレーションが施されて出荷されているので、難易度の高い作業をせずにすむのが嬉しいところだ。
ただし、1つだけ注意点がある。ThinkPad X1 Yogaは「Lenovo Settings」のディスプレイ・モードが「ネイティブ」に設定されているが、このままでは発色がきつすぎる。標準(sRGB)、フォト・プロ(Adobe RGB)、ムービー・プロ(DCI-P3)、オフィス用ブルーライト・カット(sRGB)、読書用ブルーライト・カット(sRGB)など、用途に応じたディスプレイ・モードに最初に変更することをおすすめする。
一方サウンド面についても、モバイルノートPCの平均点を大きくクリアしている。筆者が手持ちのノートPCと比べてみると、「MacBook Pro(15-inch, Late 2016)」には大きく引き離されているものの、「Surface Pro 4」よりは力強く伸びやかなサウンドを楽しめた。「Lenovo Settings」の「オーディオの設定→DOLBY設定」が標準で「音楽」に設定されているが、包み込まれるような音場が好みであればムービー、ゲームなどを選んでみよう。筆者は音楽を聴く際も「ゲーム」設定がもっとも好ましく感じた。
上質な鍵盤のようなキーボード、格納できるペンはストレスフリー
これまでPC WatchのHothotレビューで多くのノートPCを試用してきたが、ThinkPad X1 Yogaのキーボードがそのなかでも最高峰に位置することは間違いない。まず、打鍵感が非常に上質だ。かなり強くキーを叩いても、その力を吸収するかのように受け止めて、底打ちしたときの強いショックをほとんど感じない。
また打鍵音が耳障りではない。たとえば「MacBook Pro(15-inch, Late 2016)」で強くタイピングすると「ペンペンペン」と甲高い音を立てるが、ThinkPad X1 Yogaでは「トゥトゥトゥ」というごく小さな打鍵音に抑えてくれる。もちろん5cmぐらいの高さから指を叩きつければ「ペン!」と大きな音を立てるが、1~2cmぐらいの高さからタイピングしているかぎりでは耳障りな音はほとんど発生しない。
このような上質なキーボードに本体への格納機能が搭載されているから驚きだ。ThinkPad X1 Yogaのキーボードには、ディスプレイを回転させるとキートップが沈み込み、キーがロックされる特殊な機構が採用されている。ディスプレイを回転させるとキーが反応しなくなる2in1 PCは数多くあるが、誤入力が発生しないとわかっていてもキーが指に触れるのは気になるもの。本製品のタブレット端末としての使い勝手は2in1 PC随一と言える。
専用のデジタイザペン「ThinkPad Pen Pro-3」の使い勝手もキーボードと同様に良好だ。初めて試し書きしたときに思わず唸らされたのが書き味のよさ。適度な摩擦感が与えられており、イメージ的には2Bぐらいの鉛筆で滑りのよい紙に書いているような筆記感を得られる。Apple Pencilのような硬めの書き味が好みの方には違和感が大きいかもしれない。しかし筆圧の強い筆者は非常に気に入った。
ThinkPad Pen Pro-3は1回の充電で最大130分使用可能。そして約15秒で80%、約5分で100%まで充電できる。通常の使い方であれば充電を意識する必要はない。ペン先が柔らかいので摩耗が少々心配だが、ペンは5,400円(税込み・送料無料)でオプション購入できる。ペン先が摩耗し、内蔵バッテリが消耗しても、比較的安価に入手できるのは嬉しいところだ。
個人的にちょっと気になったのが、ThinkPad Pen Pro-3のサイズ。手帳用ボールペンと同じぐらいの大きさなので、長時間の筆記や、繊細な筆運びが要求されるイラストなどを描くのにはあまり向いていないと感じた。本体に格納できなくなると元も子もないので、ThinkPad Pen Pro-3とはべつに一回り大きなデジタイザペンが用意されるのに期待したい。その際には筆圧感知機能を2,048段階より細分化し、また傾き検知機能もぜひ搭載してほしい。
同じCPUを搭載するライバル機を押さえるベンチマークスコアを記録
最後にベンチマークを見てみよう。今回は比較対象機種として、同じくKaby Lake世代の「Core i7-7500U(2.7~3.5GHz)」を搭載した日本HPの「HP Spectre x360」、東芝「dynabook V82」のベンチマークスコアを流用している。
使用したベンチマークプログラムは下記のとおりだ。
- 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」
- 総合ベンチマーク「PCMark 7 v1.4.0」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.3.3693」
- CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.1.0」
- CPUのベンチマーク「Geekbench 3.4.1」
- CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
- ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
- ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 5.2.1」
- 「Adobe Photoshop Lightroom CC」RAW画像の現像時間を計測
- 「Adobe Premiere Pro CC」フルHD動画の書き出し時間を計測
- 「BBench」連続動作時間を計測
なお、HP Spectre x360とdynabook V82は一部バージョンの古いベンチマークソフトを利用している。今回の比較はあくまでも参考に留めてほしい。
下記が検証機の仕様とベンチマークの結果だ。
ThinkPad X1 Yoga 20JD0003JP | HP Spectre x360 | dynabook V82 | |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) |
GPU | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz/1.05GHz) |
メモリ | LPDDR3-1866 SD-RAM 8GB | LPDDR3-1866 SDRAM 16GB | LPDDR3-1600 SDRAM 8GB |
ストレージ | 256GB(PCIe、NVMe) | 1TB(PCIe、NVMe) | 512GB SSD(Serial ATA) |
ディスプレイ | 14型、2,560×1,440ドット(210dpi) | 13.3型、3,840×2,160ドット(331dpi) | 12.5型、1,920×1,080ドット(176dpi) |
OS | Windows 10 Pro 64bit | Windows 10 Home 64bit | Windows 10 Home 64bit |
ThinkPad X1 Yoga 20JD0003JP | HP Spectre x360 | dynabook V82 | |
---|---|---|---|
PCMark 8 v2.7.613 | |||
Home Accelarated 3.0 | 3,389 | 3,033 | 3,476 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,401 | 4,281 | 4,323 |
Work 2.0 | 4,243 | 3,849 | 4,627 |
PCMark 7 v1.4.0 | |||
PCMark score | 5236 | 5638 | 5523 |
3DMark v2.3.3693 | |||
Time Spy | 395 | 378 | - |
Fire Strike Ultra | 235 | 227 | 220 |
Fire Strike Extreme | 463 | 442 | 400 |
Fire Strike | 991 | 945 | 868 |
Sky Diver | 4,297 | 4,000 | 3,857 |
Cloud Gate | 7,062 | 6,433 | 6,340 |
Ice Storm Extreme | 50,401 | 41,762 | 42,773 |
Ice Storm | 68,750 | 50,807 | 58,410 |
CINEBENCH R15 | |||
OpenGL | 46.03 fps | 43.35 fps | 41.47 fps |
CPU | 360 cb | 331 cb | 340 cb |
Geekbench 4.1.0 | |||
32-bit Single-Core Score | 3,825 | 3,722 | 3,699 |
32-bit Multi-Core Score | 7,880 | 7,146 | 7,425 |
64-bit Single-Core Score | 4,306 | 4,159 | 4,127 |
64-bit Multi-Core Score | 8,556 | 7,682 | 7,858 |
OpenCL | 20,438 | 20,080 | 19,655 |
Geekbench 3.4.1 Intel(32-bit) | |||
Single-Core Score | 3,620 | 3,525 | 3,271 |
Single-Core Score Integer | 3,550 | 3,528 | 3,407 |
Single-Core Score Floating Point | 3,479 | 3,480 | 3,218 |
Single-Core Score Memory | 4,042 | 3,611 | 3,108 |
Multi-Core Score | 7,775 | 7,409 | 6,172 |
Multi-Core Score Integer | 8,597 | 8,370 | 7,166 |
Multi-Core Score Floating Point | 8,738 | 8,326 | 6,676 |
Multi-Core Score Memory | 4,208 | 3,657 | 3,179 |
Geekbench 3.4.1 Intel(64-bit) | |||
Single-Core Score | 3,760 | 3,689 | 3,615 |
Single-Core Score Integer | 3,774 | 3,771 | 3,736 |
Single-Core Score Floating Point | 3,631 | 3,656 | 3,642 |
Single-Core Score Memory | 3,993 | 3,593 | 3,323 |
Multi-Core Score | 8,067 | 7,732 | 7,816 |
Multi-Core Score Integer | 9,040 | 8,941 | 8,917 |
Multi-Core Score Floating Point | 8,984 | 8,507 | 8,927 |
Multi-Core Score Memory | 4,289 | 3,766 | 3,395 |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | |||
1,280×720ドット | 4,518 | 4,252 | 4,110 |
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト | |||
1,280×720ドット | 8,657 | 7,998 | 7,188 |
SSDをCrystalDiskMark 5.2.1で計測 | |||
Q32T1 シーケンシャルリード | 1,935.487MB/s | 3,238.547MB/s | 548.312MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 814.037MB/s | 1,757.382MB/s | 280.191MB/s |
4K Q32TI ランダムリード | 539.115MB/s | 533.286MB/s | 320.352MB/s |
4K Q32TI ランダムライト | 382.558MB/s | 435.885MB/s | 207.849MB/s |
シーケンシャルリード | 1,049.122MB/s | 1,599.722MB/s | 452.206MB/s |
シーケンシャルライト | 781.084MB/s | 1,737.622MB/s | 275.576MB/s |
4K ランダムリード | 41.203MB/s | 47.964MB/s | 19.603MB/s |
4K ランダムライト | 144.898MB/s | 175.261MB/s | 92.934MB/s |
Adobe Photoshop Lightroom CCで50枚のRAW画像を現像 | |||
4,912☓3,264ドット、自動階調 | 2分19秒37 | 3分3秒05 | 2分41秒87 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し | |||
1,920×1,080ドット、30fps | 6分28秒74 | 6分47秒15 | 6分28秒83 |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%) | |||
バッテリ残量5%まで | 8時間45分32秒 | 10時間26分34秒 | 12時間59分42秒 |
ベンチマークは少々不思議な結果となった。PCMark 8はディスプレイ解像度にスコアが大きく左右されるので、もっとも高解像度なHP Spectre x360が不利だが、解像度を揃えてベンチマークを実施しているモンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】とドラゴンクエストX ベンチマークソフトでも、ThinkPad X1 Yogaが一番好成績を収めている。
Adobe Photoshop Lightroom CCでもThinkPad X1 Yogaがほかの2機種に大差を付けている。誤差とは考えられないスコア差なので、後発なぶんドライバの最適化が進んでいる可能性がある。
一方、残念な結果に終わったのが連続動作時間。HP Spectre x360とは1時間41分、dynabook V82とは4時間14分もの大差をつけられている。ちなみにThinkPad X1 Yogaのバッテリ容量は57,320mWh、HP Spectre x360のバッテリ容量は58,027 mWhと大きな差はないので(Battery reportの実測値)、OLEDディスプレイの消費電力が高いことを証明した結果と言える。とは言え、一般的なモバイルノートPCの平均連続動作時間は十分超えている。今回は相手が悪かったと言うべきだ。
なお高負荷時の発熱を、サーモグラフィカメラ「FLIR ONE」でチェックしてみた。室温24°Cの部屋で、「CINEBENCH R15」の「CPU」を連続で5回実行した際のキーボード面の最大温度は46℃、底面の最大温度は48.6℃という結果だった。ヒンジギリギリの場所がスポット的に温度が高くなっているので、膝上に乗せた際に直接触れることはなさそうだ。
値下げセールを逃さず妥協しないスペックで購入したい!
販売代理店モデルでOLEDディスプレイ搭載、非搭載モデルを比較してみると、14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット)搭載モデルが321,000円、14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット)が296,000円と25,000円の価格差だ。決して安くない追加出費となる。
しかし筆者はもともと高めなThinkPad X1 Yogaを買うなら、ディスプレイに妥協するべきではないと考える。
ThinkPad X1 Yogaは性能、質感、使い勝手、ギミックに妥協のない2in1 モバイルノートPCだ。レノボ・ジャパンの直販サイトではクーポン適用による大幅値下げセールがひんぱんに開催されているので、一般販売価格ですぐにあきらめず、タイミングを逃さず妥協しないスペックのマシンをぜひ購入してほしい。