Hothotレビュー

圧倒的画質の有機EL、デジタイザペンも快適なモバイル2in1「ThinkPad X1 Yoga」

レノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Yoga」税別直販価格205,000円~

 2月8日にレノボ・ジャパンが発表した2in1モバイルノート「ThinkPad X1 Yoga」の一般向け販売がついに6月に開始される。当初4月上旬販売予定だったが、レノボ・ジャパンによれば、先に開始していた法人向け販売が予想を上回る受注数となったため、やむなく一般向け販売を約2カ月延期したとのこと。発売を待ちわびている方が多いであろうThinkPad X1 YogaのOLED搭載モデルを借用できたので、早速レビューをお届けしよう。

USB 3.1 Type-C×2を搭載、赤外線カメラ、LTE対応を選択可能に

 ThinkPad X1 Yogaはディスプレイが360度回転する2in1タイプのモバイルノートPC。本体左側面の専用スロットに格納・充電できるデジタイザペン「ThinkPad Pen Pro-3」が標準で同梱されている。ほとんどのタブレット端末は、デジタイザペンを収納できないが、本製品ならどこかに置き忘れることもないし、バッテリが切れてしまうこともない。安心してデジタイザペンを活用できる設計だ。

 本製品のもう1つの特徴が「有機EL(OLED: Organic Light Emitting Diode)」ディスプレイ搭載モデルが用意されていること。ライターの笠原一輝氏による前モデルのレビュー記事「革新的美しさの“OLEDディスプレイ”を採用したThinkPad X1 Yogaを試す」で詳しく解説されているが、バックライトではなく素子自体が発光するOLEDパネルは、高い色再現性、高コントラスト比、高い応答速度、広視野角という利点を備えている。このOLEDパネルについては章を分けて詳しくレビューしよう。

 ThinkPad X1 Yogaの2017年モデルは、シリーズとしては2世代目に当たる。CPUはKaby Lake世代(第7世代)のCore i5/i7、メモリは8GB/16GB(LPDDR3-1866)、ストレージは最大1TBのSSD(NVMe選択可能)、ディスプレイは14型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット)/14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット)/14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット)、OSはWindows 10 Home 64bit/10 Pro 64bitなどを搭載する。

 なお、セキュリティ機能として指紋認証センサーのほかにWindows Helloに対応する赤外線カメラや、外出先でネットワーク接続するためのLTE対応SIMカードスロットをオプションで選択できる。また、本体カラーもThinkPadのイメージカラーであるブラックモデルに加えて、シルバーモデルが用意された。

 下記には販売代理店モデルの主要スペックを掲載しているが、直販モデルには税別直販価格205,000円の構成も用意される。

【表1】販売代理店モデルの主要スペック
製品番号20JD0002JP20JD0003JP20JD0000JP20JD000EJP20JD0001JP
OSWindows 10 Pro 64bit
CPUCore i7-7500U(2.7~3.5GHz)Core i5-7300U(2.6~3.5GHz)Core i5-7200U(2.5~3.1GHz)
GPUIntel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz)Intel HD Graphics 620(300MHz~1.1GHz)Intel HD Graphics 620(300MHz~1GHz)
メモリLPDDR3-1866 SDRAM 8GB
ストレージ256GB SSD(PCIe、NVMe)
ディスプレイ14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット)14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット)14型フルHD IPS液晶 (1,920×1,080ドット)14型WQHD IPS液晶 (2,560×1,440ドット)14型フルHD IPS液晶 (1,920×1,080ドット)
通信IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1
インターフェイスUSB 3.1 Type-C×2(電源、Thunderbolt 3、映像出力機能付き)、USB 3.0 Type-A×3(1基は常時給電USB)、HDMI端子×1、マイク/ヘッドフォン・コンボジャック×1、microSDカードリーダ、Ethernet拡張コネクタ(同梱のネットワークアダプタ専用)、720p前面カメラ
バッテリ駆動時間約11.5時間約15.6時間約14.8時間約11.5時間約14.8時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約333×229×15.35~17.05mm約333×229×15.7~17.4mm約333×229×15.35~17.05mm
重量約1.43kg約1.36kg約1.43kg
指紋認証センサーあり
ペンThinkPad Pen Pro-3
Microsoft Officeなし
本体色ブラック、シルバー(直販モデルのみ)
直販価格296,000円321,000円280,000円295,000円268,000円

 インターフェイスも時代に合わせて刷新。USB 3.1 Type-C×2(電源、Thunderbolt3、映像出力機能付き)、USB 3.0 Type-A×3(1基は常時給電)、HDMI端子×1、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック×1、microSDカードリーダ、Ethernet拡張コネクタ×1(同梱のネットワークアダプタ専用)という構成になった。

 USB 3.1 Type-C×2とEthernet拡張コネクタ×1が追加されている一方で、電源コネクタ、Lenovo独自のドッキングステーション用端子「One Link+」、Mini DisplayPortが省かれているが、USB Type-C対応ディスプレイ、ハブのほうが利便性は高い。

 複雑な360度ディスプレイ回転機構を備えているThinkPad X1 Yogaだが、湿度、低温、高温、粉塵、太陽放射、可燃性ガス、振動、メカニカル衝撃、高度、極端な温度変化、海運振動などの12項目のMIL-STD-810G(米国防総省が制定した米軍の物資調達規格)をパスしている。実際パームレスト部を握って少々乱暴に揺すってみても、わずかなたわみは感じるが、キシミ音はほとんど発生しない。製品公式サイトで耐加圧性能はとくに謳われていないが、ほかのクラムシェル型ThinkPadシリーズと同等の堅牢性を備えているというのが実際に数日間試用したあとの実感だ。

本体天面。左上の「ThinkPad」の「i」の赤点はLEDで、動作中に点灯する。電源に接続されると3回の点滅、スリープまたは休止状態に移行中は速い点滅、スリープ状態に移行すると遅い点滅でシステム状況を知らせる
本体底面。上部両側面にスピーカー、右下にファン放熱口、中央のネジ右上に緊急用リセットホールが設けられている
本体前面。底面に向かってカーブを描いている。スリットなどはないがディスプレイを開きやすい形状だ
本体背面。左側にファン放熱口、右側にmicroSDカードスロットとMicro SIMカードスロットを保護するカバーがある
microSDカードスロットとMicro SIMカードスロットを保護するカバーははめ込み式。LTE非対応モデルにもMicro SIMカードスロットは存在するが、WWANモジュールを搭載していないので、Micro SIMカードを挿入しても使用できない。また、フルサイズのSDカードスロットが用意されていないのは残念だ
本体右側面。左からThinkPad Pen Pro-3、電源ボタン、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック、Ethernet拡張コネクタ、USB 3.0 Type-A、HDMI端子、ケンジントンロック
本体左側面。左からUSB 3.1 Type-C×2、USB 3.0 Type-A×2
キーボード面。キーボードは6列89キー仕様。キーボード中央にはTrackPointポインティング・スティックが用意されている
ディスプレイ面。上部には720p前面カメラが、下部にはWindowsボタンが配置されている
720p前面カメラの右には動作を知らせるLEDが内蔵されており、カメラ起動中に緑色に点灯する。ベゼルにある小さな穴はマイク。左のマイク右下には周辺光センサーがうっすらと見える
同梱物一覧。左上から本体、小冊子(安全上の注意と保証およびセットアップについての手引き、サポートのしおり、PCリサイクルマークシールお申し込みについてのご案内)、ACアダプタ、電源コード、ネットワークアダプタ
本体の実測重量は1,336g
ACアダプタと電源コードを合わせた実測重量は234.2g
ACアダプタ。給電にはUSB 3.1 Type-Cを使用する
ACアダプタは入力100-240V、出力20V/2.25A、容量45W
ネットワークアダプタの実測重量は14g
ラップトップモード
スタンドモード
テントモード
タブレットモード

鮮やかな発色を引き締まった黒が引き立てるOLEDディスプレイ

 前述のとおり、今回の借用機にはOLEDディスプレイが搭載されている。筆者は発表会などでOLEDディスプレイを搭載したノートPCを短時間触ったことはあるが、初めて長期間OLEDディスプレイを試用してみて、その真価をいまさらながら実感できた。

 最初に感じたのは黒が引き締まった黒として発色されること。ThinkPad X1 Yogaのデフォルトの壁紙には美しい熱帯魚(ベタ)が泳ぐ写真が使われているが、赤、青、緑色の複雑なグラデーションが美しく映えるのは、ベースの黒が引き締まっているからこそだ。

 また、色域もモバイルノートPC向けディスプレイとしては現在最高レベルであることは間違いない。Adobe RGBカバー率100%の色域を備えたOLEDディスプレイは、とくに緑色の階調表現が非常にきめ細かい。1台ごとにカラーキャリブレーションが施されて出荷されているので、難易度の高い作業をせずにすむのが嬉しいところだ。

 ただし、1つだけ注意点がある。ThinkPad X1 Yogaは「Lenovo Settings」のディスプレイ・モードが「ネイティブ」に設定されているが、このままでは発色がきつすぎる。標準(sRGB)、フォト・プロ(Adobe RGB)、ムービー・プロ(DCI-P3)、オフィス用ブルーライト・カット(sRGB)、読書用ブルーライト・カット(sRGB)など、用途に応じたディスプレイ・モードに最初に変更することをおすすめする。

14型OLEDディスプレイの解像度は2,560×1,440ドット(210dpi)。ディスプレイ設定の「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズ」は200%が推奨されている
左がディスプレイ・モードをネイティブに設定したThinkPad X1 Yoga、右がSurface Pro 4。ThinkPad X1 Yogaのほうが鮮やかだが、実際の色よりややきつく、またピンクがかって見える
ディスプレイ・モードは、ネイティブ、標準(sRGB)、フォト・プロ(Adobe RGB)、ムービー・プロ(DCI-P3)、オフィス用ブルーライト・カット(sRGB)、読書用ブルーライト・カット(sRGB)、カスタムが用意されている
左上がネイティブ、右上が標準(sRGB)、左下がフォト・プロ(Adobe RGB)、右下がムービー・プロ(DCI-P3)にディスプレイ・モードを設定した。ネイティブの発色は鮮やかだが、実際の色合いを忠実に再現しているとは言えない。プロフェッショナル用途にはそれに応じたディスプレイ・モードを利用しよう

 一方サウンド面についても、モバイルノートPCの平均点を大きくクリアしている。筆者が手持ちのノートPCと比べてみると、「MacBook Pro(15-inch, Late 2016)」には大きく引き離されているものの、「Surface Pro 4」よりは力強く伸びやかなサウンドを楽しめた。「Lenovo Settings」の「オーディオの設定→DOLBY設定」が標準で「音楽」に設定されているが、包み込まれるような音場が好みであればムービー、ゲームなどを選んでみよう。筆者は音楽を聴く際も「ゲーム」設定がもっとも好ましく感じた。

ステレオスピーカーは底面手前の両側面に内蔵されている
DOLBY設定は、ダイナミック、ムービー、音楽、ゲーム、音声のいずれかから設定可能。音源に合わせて好みのプロファイルを選択するといい

上質な鍵盤のようなキーボード、格納できるペンはストレスフリー

 これまでPC WatchのHothotレビューで多くのノートPCを試用してきたが、ThinkPad X1 Yogaのキーボードがそのなかでも最高峰に位置することは間違いない。まず、打鍵感が非常に上質だ。かなり強くキーを叩いても、その力を吸収するかのように受け止めて、底打ちしたときの強いショックをほとんど感じない。

 また打鍵音が耳障りではない。たとえば「MacBook Pro(15-inch, Late 2016)」で強くタイピングすると「ペンペンペン」と甲高い音を立てるが、ThinkPad X1 Yogaでは「トゥトゥトゥ」というごく小さな打鍵音に抑えてくれる。もちろん5cmぐらいの高さから指を叩きつければ「ペン!」と大きな音を立てるが、1~2cmぐらいの高さからタイピングしているかぎりでは耳障りな音はほとんど発生しない。

 このような上質なキーボードに本体への格納機能が搭載されているから驚きだ。ThinkPad X1 Yogaのキーボードには、ディスプレイを回転させるとキートップが沈み込み、キーがロックされる特殊な機構が採用されている。ディスプレイを回転させるとキーが反応しなくなる2in1 PCは数多くあるが、誤入力が発生しないとわかっていてもキーが指に触れるのは気になるもの。本製品のタブレット端末としての使い勝手は2in1 PC随一と言える。

キーとキーにすき間のあるアイソレーションキーボードを採用
キーピッチは実測約19mm
トラックパッドは実測約100×65mm。Windows 10の「高精度タッチパッド」に対応しており、さまざまなジェスチャー操作を利用できる
ディスプレイを約225度以上回転させると、キーボードとTrackPointポインティング・スティックが本体内に格納される
キーボードバックライトは、オフ、低い、高い、自動に設定可能。上の写真は、オフと高いに設定したキーボードの写真を合成したもの
ThinkPadの2017年モデルはキーボードに変更が加えられている。F10にはBluetoothのオン/オフ、F11には「Lenovo Settings」の入力セクション、F12にはユーザー定義キー(デフォルトではCortana)、Fn+PrtScには「Snipping Tool」が割り当てられている。F12には、「アプリケーションやファイルを開く」、「Webサイトを開く」、「キー入力を行なう」、「テキストを出力する」などを自由に定義できる
弱、中、強の3段階の力加減でタイピングしてみた。強くタイピングしたときの抑えられた打鍵音を確認してほしい

 専用のデジタイザペン「ThinkPad Pen Pro-3」の使い勝手もキーボードと同様に良好だ。初めて試し書きしたときに思わず唸らされたのが書き味のよさ。適度な摩擦感が与えられており、イメージ的には2Bぐらいの鉛筆で滑りのよい紙に書いているような筆記感を得られる。Apple Pencilのような硬めの書き味が好みの方には違和感が大きいかもしれない。しかし筆圧の強い筆者は非常に気に入った。

 ThinkPad Pen Pro-3は1回の充電で最大130分使用可能。そして約15秒で80%、約5分で100%まで充電できる。通常の使い方であれば充電を意識する必要はない。ペン先が柔らかいので摩耗が少々心配だが、ペンは5,400円(税込み・送料無料)でオプション購入できる。ペン先が摩耗し、内蔵バッテリが消耗しても、比較的安価に入手できるのは嬉しいところだ。

 個人的にちょっと気になったのが、ThinkPad Pen Pro-3のサイズ。手帳用ボールペンと同じぐらいの大きさなので、長時間の筆記や、繊細な筆運びが要求されるイラストなどを描くのにはあまり向いていないと感じた。本体に格納できなくなると元も子もないので、ThinkPad Pen Pro-3とはべつに一回り大きなデジタイザペンが用意されるのに期待したい。その際には筆圧感知機能を2,048段階より細分化し、また傾き検知機能もぜひ搭載してほしい。

ThinkPad Pen Pro-3は指先で下から引っかけるように引き出す。ラップトップモードでテーブルに置いているときに取り出すときは、パームレストを少し持ち上げる必要がある
パームレストに収まるように直径6.5mmと細め。手帳用のボールペンに近いサイズ感だ
ペン軸には左クリックボタンと右クリックボタンが用意されている。対応アプリでは消しゴム機能を利用できる
ペン先の硬さは2B相当。筆圧が強いと摩擦を強く感じるので、軽めの筆圧で滑らすように描くといい
ThinkPad Pen Pro-3で実際にイラストを描いてみた。筆圧感知機能、描線の追従性などをチェックしてみてほしい

同じCPUを搭載するライバル機を押さえるベンチマークスコアを記録

 最後にベンチマークを見てみよう。今回は比較対象機種として、同じくKaby Lake世代の「Core i7-7500U(2.7~3.5GHz)」を搭載した日本HPの「HP Spectre x360」、東芝「dynabook V82」のベンチマークスコアを流用している。

 使用したベンチマークプログラムは下記のとおりだ。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」
  • 総合ベンチマーク「PCMark 7 v1.4.0」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.3.3693」
  • CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.1.0」
  • CPUのベンチマーク「Geekbench 3.4.1」
  • CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 5.2.1」
  • 「Adobe Photoshop Lightroom CC」RAW画像の現像時間を計測
  • 「Adobe Premiere Pro CC」フルHD動画の書き出し時間を計測
  • 「BBench」連続動作時間を計測

 なお、HP Spectre x360とdynabook V82は一部バージョンの古いベンチマークソフトを利用している。今回の比較はあくまでも参考に留めてほしい。

 下記が検証機の仕様とベンチマークの結果だ。

【表2】検証機の仕様
ThinkPad X1 Yoga 20JD0003JPHP Spectre x360dynabook V82
CPUCore i7-7500U(2.7~3.5GHz)Core i7-7500U(2.7~3.5GHz)Core i7-7500U(2.7~3.5GHz)
GPUIntel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz)Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz)Intel HD Graphics 620(300MHz/1.05GHz)
メモリLPDDR3-1866 SD-RAM 8GBLPDDR3-1866 SDRAM 16GBLPDDR3-1600 SDRAM 8GB
ストレージ256GB(PCIe、NVMe)1TB(PCIe、NVMe)512GB SSD(Serial ATA)
ディスプレイ14型、2,560×1,440ドット(210dpi)13.3型、3,840×2,160ドット(331dpi)12.5型、1,920×1,080ドット(176dpi)
OSWindows 10 Pro 64bitWindows 10 Home 64bitWindows 10 Home 64bit
【表3】ベンチマーク結果
ThinkPad X1 Yoga 20JD0003JPHP Spectre x360dynabook V82
PCMark 8 v2.7.613
Home Accelarated 3.03,3893,0333,476
Creative Accelarated 3.04,4014,2814,323
Work 2.04,2433,8494,627
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score523656385523
3DMark v2.3.3693
Time Spy395378
Fire Strike Ultra235227220
Fire Strike Extreme463442400
Fire Strike991945868
Sky Diver4,2974,0003,857
Cloud Gate7,0626,4336,340
Ice Storm Extreme50,40141,76242,773
Ice Storm68,75050,80758,410
CINEBENCH R15
OpenGL46.03 fps43.35 fps41.47 fps
CPU360 cb331 cb340 cb
Geekbench 4.1.0
32-bit Single-Core Score3,8253,7223,699
32-bit Multi-Core Score7,8807,1467,425
64-bit Single-Core Score4,3064,1594,127
64-bit Multi-Core Score8,5567,6827,858
OpenCL20,43820,08019,655
Geekbench 3.4.1 Intel(32-bit)
Single-Core Score3,6203,5253,271
Single-Core Score Integer3,5503,5283,407
Single-Core Score Floating Point3,4793,4803,218
Single-Core Score Memory4,0423,6113,108
Multi-Core Score7,7757,4096,172
Multi-Core Score Integer8,5978,3707,166
Multi-Core Score Floating Point8,7388,3266,676
Multi-Core Score Memory4,2083,6573,179
Geekbench 3.4.1 Intel(64-bit)
Single-Core Score3,7603,6893,615
Single-Core Score Integer3,7743,7713,736
Single-Core Score Floating Point3,6313,6563,642
Single-Core Score Memory3,9933,5933,323
Multi-Core Score8,0677,7327,816
Multi-Core Score Integer9,0408,9418,917
Multi-Core Score Floating Point8,9848,5078,927
Multi-Core Score Memory4,2893,7663,395
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット4,5184,2524,110
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
1,280×720ドット8,6577,9987,188
SSDをCrystalDiskMark 5.2.1で計測
Q32T1 シーケンシャルリード1,935.487MB/s3,238.547MB/s548.312MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト814.037MB/s1,757.382MB/s280.191MB/s
4K Q32TI ランダムリード539.115MB/s533.286MB/s320.352MB/s
4K Q32TI ランダムライト382.558MB/s435.885MB/s207.849MB/s
シーケンシャルリード1,049.122MB/s1,599.722MB/s452.206MB/s
シーケンシャルライト781.084MB/s1,737.622MB/s275.576MB/s
4K ランダムリード41.203MB/s47.964MB/s19.603MB/s
4K ランダムライト144.898MB/s175.261MB/s92.934MB/s
Adobe Photoshop Lightroom CCで50枚のRAW画像を現像
4,912☓3,264ドット、自動階調2分19秒373分3秒052分41秒87
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し
1,920×1,080ドット、30fps6分28秒746分47秒156分28秒83
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%)
バッテリ残量5%まで8時間45分32秒10時間26分34秒12時間59分42秒

 ベンチマークは少々不思議な結果となった。PCMark 8はディスプレイ解像度にスコアが大きく左右されるので、もっとも高解像度なHP Spectre x360が不利だが、解像度を揃えてベンチマークを実施しているモンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】とドラゴンクエストX ベンチマークソフトでも、ThinkPad X1 Yogaが一番好成績を収めている。

 Adobe Photoshop Lightroom CCでもThinkPad X1 Yogaがほかの2機種に大差を付けている。誤差とは考えられないスコア差なので、後発なぶんドライバの最適化が進んでいる可能性がある。

 一方、残念な結果に終わったのが連続動作時間。HP Spectre x360とは1時間41分、dynabook V82とは4時間14分もの大差をつけられている。ちなみにThinkPad X1 Yogaのバッテリ容量は57,320mWh、HP Spectre x360のバッテリ容量は58,027 mWhと大きな差はないので(Battery reportの実測値)、OLEDディスプレイの消費電力が高いことを証明した結果と言える。とは言え、一般的なモバイルノートPCの平均連続動作時間は十分超えている。今回は相手が悪かったと言うべきだ。

 なお高負荷時の発熱を、サーモグラフィカメラ「FLIR ONE」でチェックしてみた。室温24°Cの部屋で、「CINEBENCH R15」の「CPU」を連続で5回実行した際のキーボード面の最大温度は46℃、底面の最大温度は48.6℃という結果だった。ヒンジギリギリの場所がスポット的に温度が高くなっているので、膝上に乗せた際に直接触れることはなさそうだ。

キーボード面の最大温度は「F12」キー上部で46℃
底面の最大温度は放熱口付近で48.6℃
ACアダプタの最大温度は46.7℃

値下げセールを逃さず妥協しないスペックで購入したい!

 販売代理店モデルでOLEDディスプレイ搭載、非搭載モデルを比較してみると、14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット)搭載モデルが321,000円、14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット)が296,000円と25,000円の価格差だ。決して安くない追加出費となる。

 しかし筆者はもともと高めなThinkPad X1 Yogaを買うなら、ディスプレイに妥協するべきではないと考える。

 ThinkPad X1 Yogaは性能、質感、使い勝手、ギミックに妥協のない2in1 モバイルノートPCだ。レノボ・ジャパンの直販サイトではクーポン適用による大幅値下げセールがひんぱんに開催されているので、一般販売価格ですぐにあきらめず、タイミングを逃さず妥協しないスペックのマシンをぜひ購入してほしい。