Hothotレビュー

クアッドコアCPUにeDRAMを搭載した高性能NUC、Skull Canyonこと「NUC6i7KYK」を試す

NUC6i7KYK

 インテルから、eDRAMを備えたSkylakeを搭載した高性能NUCベアボーンキット“Skull Canyon”こと「NUC6i7KYK」が発売となった。実売価格は約8万円だ。今回テックウインドのご厚意により量産試作機をお借りできたので、レビューをお届けする。

Intel製CPU内蔵GPUとしては最高の性能を実現

 NUC6i7KYKは、現時点でIntel製CPUとしては、最高の内蔵グラフィックス性能を実現しているCore i7-6770HQを搭載した製品。6770HQに内包されるGPUであるIris Pro Graphics 580は、Intel GPUとしては最高構成となる48実行ユニットの「GT4」に、128MBのeDRAMを組み合わせている。

 GT4の構成だけなら、Microsoftから発売されている「Surface Pro 4」のCore i7版でも実現しているのだが、Surface Pro 4に搭載されるIris Graphics 540のeDRAMは64MBである。NUC6i7KYKの方はeDRAM容量が2倍多くなっており、それに伴い性能が向上しているのは言うまでもない。

 加えて、CPU側も6770HQという型番から分かる通り、クアッドコアのハイエンド構成となっている。動作クロックはベース2.6GHz、Turbo Boost時3.5GHzと、最大クロックに関して言えば、デスクトップ版に引けをとらない。アーキテクチャも最新のSkylakeだ。

 デスクトップ向けのソケット式のSkylakeでは、GPUにGT4構成がない。このためCore i7-6770HQは、GPUを含めた総合演算処理性能を考慮すると、Skylakeのラインナップの中で最強だと言っても良い。そのためNUC6i7KYKは、GPUを含めた純粋なIntelプラットフォームとして最高性能を実現している点に注目が集まる。

 もう1つ注目したいのが本体サイズ。IntelのこれまでのNUCのフットプリントは、おおよそ12cm CDケースより小さい程度だったのだが、本製品は211×116mmと大きくなっている。その一方で高さは、48mm超から28mmへと薄型化された。こうなった理由について後に分析して解説するが、薄型化したことによりスタイリッシュに見えるようになったのも確かである。

 というわけで、まずはNUC6i7KYKの性能についてベンチマークで検証することにしたい。今回、メモリはセンチュリーマイクロよりDDR4-2400駆動のSO-DIMM(8GB×2)を、SSDはSamsungよりNVM Express対応の「950 PRO」をお借りして装着し、OSはWindows 10 Pro(64bit)をインストールした。

今回お借りしたメモリとSSD
システムに組み込んだところ

 内蔵GPUの性能比較用に、A10-7870Kを搭載した自作PCでのベンチマーク結果も掲載する。こちらのメモリはDDR3-2133 8GB×2、マザーボードはASRockの「A88M-G/3.1」、SSDはMicronの「C400」で、OSは同じくWindows 10 Pro(64bit)である。さらに、Skylake同士の性能を比較するために、以前レビューした「OMEN by HP 17」の結果も一部掲載する。

Skull Canyon自作PCOMEN by HP 17
CPUCore i7-6770HQA10-7870KCore i7-6700HQ
メモリ16GB8GB8GB
ストレージ512GB SSD256GB SSD256GB SSD+1TB HDD
OSWindows 10 ProWindows 10 ProWindows 10 Home
PCMark8
Home accelerated444734263526
Web Browsing-JunglePin0.311s0.348s0.322s
Web Browsing-Amazonia0.134s0.14s0.134s
Writing3.42s4.57s3.77s
Photo Editing v20.151s0.322s0.249s
Video Chatv2/Video Chat playback 1 v230fps30fps30fps
Video Chat v2/Video Chat encoding v233ms34ms41.3ms
Casual Gaming58.3fps41.2fps30.8fps
Creative Accelerated583840814364
Web Browsing-JunglePin0.311s0.349s0.322s
Web Browsing-Amazonia0.133s0.14s0.135s
Video Group Chat v2/Video Group Chat playback 1 v230fps30fps30fps
Video Group Chat v2/Video Group Chat playback 2 v230fps30fps30fps
Video Group Chat v2/Video Group Chat playback 3 v230fps30fps30fps
Video Chat v2/Video Chat encoding v233ms34ms46.3ms
Photo Editing v20.152s0.321s0.256s
Batch Photo Editing v212.5s21.s18.9s
Video Editing part 1v26.4s9.4s7.7s
Video Editing part21v212s19.2s15.5s
Mainstream Gaming part 121.4fps17.8fps8.8fps
Mainstream Gaming part 210.3fps9.6fps4.6fps
Video To Go part 17s18.9s7.8s
Video To Go part 29.3s22.7s10.4s
Music To Go8.2s16.05s8.89s
3DMark
Fire Strike189816455252
Graphics score198618206030
Physics score992944609294
Combined score7466172005
Sky Diver8287646516391
Graphics score8170682820666
Physics score972648288172
Combined score7438726415721
Cloud Gate12023705.318297
Graphics score151361130337715
Physics score699230466588
Ice Storm935196630261936
Graphics score1390318851972748
Physics score435843529740744
Time Spy697669未計測
Graphics score609604未計測
CPU test38621751未計測
Cinebench R15 CPU710314未計測
Cinebench R15 OpenGL82.9fps50.67未計測

 結果から言えば、DirectX 11ベンチマークを除いて、NUC6i7KYKの圧勝だと断言して良い。今回使用したストレージが高速な950 PROだということを除いて考慮しても、CPUとGPUの性能が圧倒的である。特にGPUが自慢のA10-7870Kと比較しても、約2~3割高い性能を実現している点は評価したいところ。それでいてTDP、つまり最大消費電力はA10-7870Kの半分程度なので、Core i7-6770HQの電力効率の高さには驚かされる。

 とは言え、A10-7870KはeDRAMなしでここまで高性能なのは評価できるし、単体で安価に販売されているAPUであり、うまくパーツを選べば、NUC6i7KYKを買う金額でOSを含めてシステム一式が組めてしまう。また、システム本体のフォームファクタの大小の違いもあり、単純比較はできない。しかしIntelのGPUの性能がここまで高まったというのは、なかなか感慨深いものがある。

 実際にいくつかのゲームも実際に入れてプレイしてみたが、「Tomb Raider Anniversary」のような、2008年前後のゲームで、さほど負荷が高くないものなら、フルHD解像度/最高グラフィックス設定でも、比較的快適にプレイできる。「Assassin's Creed III」や「Tomb Raider」のようなDirectX 11世代のゲームは、画質オプションを欲張らなければそこそこ動く。一方「The Witcher 3: Wild Hunt」のような最新ゲームは、画質や解像度を落としても時々処理落ちが発生し、快適にプレイできるとは言いがたい状態だった。

 つまり、Core i7-6770HQがIntelとして最高のグラフィックス性能を持っているが、実際のゲーム性能はGeForce 9800世代もしくはRadeon HD 4870世代プラスアルファ程度(DirectX 11のサポートが加わった程度)だと捉えて良い。2010年前後のハイエンドビデオカードを要求するゲームは、(画質オプションに依存するかもしれないが)ほぼ問題なく動作するだろう。技術の進歩には、やはり感心させられる。

ユニークな付属品たち

 それではパッケージを見ていこう。と言っても今回入手したのは試作機なので、パッケージ自体の紹介は省く。内容物は本体のほかに、ACアダプタ、交換用天板、VESAマウントホール用マウントキットやネジ各種だった。

 既に日本国内で販売されている製品も同様だが、パッケージにはACケーブルが付属していない。ACケーブルはミッキータイプのものを別途購入する必要がある点は注意されたい。今回はウォールマウントの直挿しタイプのプラグを使用した。

 中でもひときわ目立つ存在がACアダプタだ。本体の3分の2はあろうかという大きさのこのACアダプタは、19V/6.32Aの出力を持ち、計算すると約120Wも出力できる。CPU自体のTDPは45Wとさほど大きくないため、かなり余裕を持った設計のものが添付されている。

 実際に稼働中の消費電力を監視してみたが、今回の構成ではアイドル時で23W、3DMarkのCombine Testではピーク時で72Wを記録した。一般的にACアダプタは汎用ATX電源などと比較して変換効率が良いので、実際は60W台後半だと見られる。それでも120Wを用意したということは、多くの場合電源変換効率がピークとなる50%前後となることを目指しているのかもしれない。19V出力のACアダプタは結構汎用品が多いので、代替として45Wや65WのACアダプタでは無理だろうが、90WのACアダプタならまず動作できるのではないだろうか。

パッケージの内容物
付属のACアダプタは120Wタイプで、かなり大きい
ACケーブルはミッキータイプ
ACケーブルが付属していないので、今回はウォールマウントのプラグを使用した

 話を内容物に戻そう。VESAマウントキットは、ディスプレイ後部にVESAマウント用ホールが開いている場合に、そこに装着できるキット。これを利用すれば設置面積を大幅に減らせるので、短いHDMIケーブルや無線のキーボード/マウスなどと組み合わせれば、非常にスマートなデスクトップ環境を実現できる。

 ただし本製品に付属しているVESAホール用のネジはかなり短く、今回試用したアイ・オー・データ機器の「EX-LD2071TB」では、背面の外装のネジ穴付近が盛り上がっているため、1本だけネジ受けに届かずブラケットを完全固定できなかった(残り3本は1回転半程度で辛うじて固定)できた。液晶によっては別途長いネジを購入しなければならないだろう。

 交換用の天板が付属しているのもユニークだ。交換には付属の六角レンチを使い、6カ所のネジを外して行なう。標準の天板は右側に、Intelの最上位製品を示すことでお馴染みのドクロが描かれているのだが、大衆の目に触れるような場所や趣味によっては、このようなデザインが好ましくない場合もある。この交換用天板はそれ用だろう。

 ただ、標準天板ドクロはさほど目立たないデザインなので、いっそのこと光ってもっと差別化しても良かったのではないか、などと思わなくもない。

VESAホールマウントキット
付属のネジは短め
アイ・オー・データ機器の液晶EX-LD2071TBに取り付けてみたところ
この液晶はネジ受けが深く、付属のネジが1本だけ届かず、届いたものも1回転半のみで、強度に疑問が残る
液晶背面にマウントしたところ
付属の六角レンチで天板を外せる
天板を外したところ
ドクロマークなしの天板を取り付けたところ

六角形を多数取り入れたスタイリッシュなデザイン

 さて、いよいよ本体を見ていく。平べったい筐体は、天板のパターンや側面の吸気口など、あらゆるところでハニカム構造が取り入れられている。上から見たNUC6i7KYKのフォルムも一見ハニカムを髣髴とさせるが、よく見ると縦が短い八角形である。このほか電源ボタン、底面のプレートやゴム足に至るまで、あらゆるところで凝ったデザインが施されており、最上位にふさわしいカッコよさを備えている。

 前面には、電源ボタン、USB 3.0×2(うち1基はPowered USB)、SDカードスロット、ヘッドフォンジャック、赤外線受信部を備えている。背面は排気口、DC入力、ステレオミニジャック(光兼用)、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、Mini DisplayPort、Thunderbolt 3、HDMI出力を備える。Thuderbolt 3を含め、ディスプレイ出力が多いのは嬉しいところだ。

 ちなみにIntelのPC製品は基本的にOEMに委託製造しており、製造元はネットワークアダプタのMACアドレスで分かる。本製品のMACアドレスは「00:1F:C6」から始まっており、データベースと照合すると、ASUSが製造を担当していることが分かる。

 メモリとSSDを装着するために内部にアクセスするには、底面の四隅にあるネジを緩めてカバーを外せば良い。メモリスロットはSO-DIMMが2基、SSDはM.2スロットが2基用意されている。余談だが、ネジを緩めてもカバー側に留まるので紛失する心配はなく、メンテナンス性は高い。

本来底面に至るまでデザインされている
本体前面。電源ボタン、USB 3.0×2(うち1基はPowered USB)、SDカードスロット、ヘッドフォンジャック、赤外線受信部を備えている
本体左側面。ハニカム状の吸気口とケンジントンロックポートが見える
本体右側面はシンプルなハニカム状の吸気口だ
本体背面。左から排気口、DC入力、音声/光出力、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、Mini DisplayPort、Thunderbolt 3、HDMI出力
排気口は大きく開けられている

大規模な電源回路が基板の大半を占める

 ベアボーンとして使う場合、底面を開けるだけで組み立てが完結するのだが、本記事では仕組みを見るため完全に分解した。筐体はプラスチックの“ガワ”とスチール製のフレームの2層構造となっているのだが、このガワの爪が基板を取り出す際の邪魔になるので、まず天板を外して、そこから見えるネジと、一部EMI対策と思われるシールの端を外し、プラスチックのガワをフレームから分離させておく。それから基板を取り出すには、CPUクーラーと基板四隅のネジを外して、ちょっとフレームを広げてやって、USBポートなど引っかかる部分から取り外すと良い。

 こうして取り外された基板とヒートシンクを見ると、CPUが中央にあり、これが薄型のヒートパイプを通ってヒートシンクに熱を伝達、薄型のブロワーファンで排熱していることがよく分かる。CPUクーラーはCPU周辺のネジ3本を外せば取り外せる。

 これでようやく明らかとなったCore i7-6770HQの姿だが、CPU本体のダイは非常に縦長で、eDRAMもかなりのダイサイズとなっていることが分かる。また、この高性能なCPUを支えるために、周辺の電源回路も大掛かりなものになっていることが分かる。

マザーボードを取り出したところ
マザーボード底面側
マザーボード天板側。ヒートシンクが装着されている
ヒートシンクを取り外したところ
グリスがたっぷり塗られている
これがCore i7-6770HQ。ダイが大型で、パッケージ上にeDRAMも実装していることが分かる

 ご存知の通り、Skylakeは本来Haswell/Broadwell世代にあったFIVR(Fully Integrated Voltage Regulator)を廃止したことにより、電源回路をマザーボード上に実装するようになった。Haswell/Broadwell世代では、CPUにVccInと呼ばれる主電源と、VDDQ、VccStの合計3系統を入れるだけでよかったのだが、これがSkylake世代ではIMVP8規格に準拠したVccとVccGT、そしてVccSA、VDDQ、VccSt、VccIOの合計6系統も入力しなければならなくなった。

 そこで本製品は、RichTek製のドライバ内蔵デュアルチャネルPWMコントローラ「RT3606BC」と、ドライバを省いたデュアルチャネルPWMコントローラ「RT3606BE」の2つを搭載し、大規模な電源回路を実現している。いずれもIMVP8に準拠しており、2つの電圧レールを持つことができる。この2つのチップの片方がCPUコア、もう片方がGPUコアに供給する電源を生成しているのは間違いないだろう。詳しくは分析していないのだがコイルやMOSFETの実装からするに、CPU側にもGPU側にもそれぞれ3フェーズの電源を用意していると見ていい。

 周辺にはほかの電源を生成していると見られるコイルもあるのだが、これは先ほど述べたCPUのほかの部分の電圧や、チップセット、メモリ用かもしれない。また、19V 1レーンの電源を複数の電圧レーンに分けられるTexas Instruments(TI)製の電源管理IC「TPS650830」も見える。いずれにしても、このCPU面の電源回路の実装はなかなか圧巻だ。

RichTek製のドライバ内蔵デュアルチャネルPWMコントローラ「RT3606BC」
ドライバを省いたデュアルチャネルPWMコントローラ「RT3606BE」
TI製の電源管理IC「TPS650830」
電源回路はかなり大掛かりだ

 このほかのチップはもはやお馴染みのもので、Intel製Thunderbolt 3コントローラ「DSL6340」、TI製USB Type-C/USB PDチップ「TPS65982」、Realtek製オーディオコーデック「ALC233」、Intel製ネットワークコントローラ「WGI219LM」、Nuvoton製のLPC I/O(いわゆるスーパーI/O)の「NCT5577D」、ParadeのDisplayPort→HDMI 2.0変換チップ「PS175HDM」などが実装されている。これらのチップの小型集積化なしでは、これだけ大規模な電源回路をこのサイズで実現できなかったはずだ。

コンパニオンチップセット
Intel製Thunderbolt 3コントローラ「DSL6340」
TI製USB Type-C/USB PDチップ「TPS65982」
Realtek製オーディオコーデック「ALC233」
Intel製ネットワークコントローラ「WGI219LM」
Nuvoton製のLPC I/O「NCT5577D」
ParadeのDisplayPort→HDMI 2.0変換チップ「PS175HDM」
Bothhand USB製のGigabit Ethernet対応マグネティックスモジュール「GST5009 LF」
M.2スロット付近の実装

ベアボーンとしては最強クラスのBIOS

 先述の通り、本製品はIntel最上位の製品であり、またASUSが製造を担当していることもあって、BIOSの項目が非常に充実している。「Intel Visual BIOS」と名付けられたこのBIOSは、起動するとまず、CPUのファン速度、温度、および各種電圧がグラフィカルに表示される。システムの各部に異常があれば、すぐに分かるはずだ。

 Advancedを選ぶと、「Main」、「Devices」、「Cooling」、「Performace」、「Security」、「Power」、「Boot」という7つのタブで設定項目が分かれている。Mainは各種主要情報の表示および日付/時刻の設定、Devicesのタブではオンボードデバイスの有効化/無効化/各種設定、PerformaceはCPU/GPU/メモリのクロックの設定、Coolingでは温度に応じたファンの回転速度の設定、Securityでは管理者パスワードやセキュリティ関連の設定、Powerでは省電力機能の設定やシステムウェイクアップの方法、Bootではブートデバイスの順番などを変更するためのものとなっている。

 中でも最もユニークなのは言うまでもなくPerformaceのタブだ。ここではCPUの動作倍率、各部の電圧、GPUの動作クロックおよび電圧、そしてメモリの動作クロックおよびタイミングを細く設定できるようになっている。

 残念ながら本製品に搭載されているCPUは倍率固定であり最大の3.5GHzを超えたクロックは設定できないのだが、そこまで性能が必要なく、省電力化したいといった場合、下方に設定できるのがユニークだ。一方メモリに関しては倍率が固定されておらず、XMPメモリなどを使用した場合3GHzを超える動作も不可能ではない。

 また、本体正面電源ボタンには、電源LEDも仕組まれているのだが、このLEDはブルーとホワイトのデュアルカラーとなっており、スリープ時と電源オン時の色を変更できる。余談だが、本製品はIntelのReady Modeに対応しており、専用ドライバをインストールした場合、OSの「スリープ」がReady Modeに差し替わり(表示はスリープのまま)、電源をオンにしたまま低消費電力化できる。試してみたところ、アイドル時23W消費していた電力が、15W程度にまで低下した。このReady Mode時の電源LEDの挙動を設定できる点もユニークである。

 ここまで事細かく設定できるBIOSはベアボーンキットとしては異例とも言える。最上位を買う楽しみと満足感は得られるだろう。

起動してまず現れるHomeタブ
Mainタブ。基本的な情報が表示される
Deviceタブ。USBデバイスの設定で、ポートを無効にできる
SATAデバイスの設定
ビデオの設定
オンボードデバイスの設定
PCIの設定
Coolingタブ。冷却に関する設定が集約されている
Performaceのタブ。CPUの駆動倍率や各種電圧が設定可能だ
内蔵GPUの設定。これによってさらなる高性能化も期待できる
メモリはクロックと電圧、そしてタイミングを事細かに設定できる
Securityタブ。セキュリティに関する設定
Powerタブでは、省電力機能のオン/オフができる
Bootタブでは起動順序や起動するデバイスなどを選択できる

ますます選択肢が増えるIntelプラットフォーム

 試用していて、NUC6i7KYKは本来NUCが想定する用途とかなり指向性が異なるように思った。NUCはCoreプロセッサの性能をギュッと凝縮したのをウリとしており、そういう意味ではコンセプトを凝縮しているが、これまでのNUCはビジネスアプリケーションや、簡単なインタラクティブ性を持ったアプリケーションを実行するのに適した製品であった。

 一方、本製品のクアッドコアCPUやIris Pro Graphics 580はこれまでのNUCにはなく、従来のNUCでは難しかった高性能を必要とする3Dアプリケーションを動作させられる実力を備えている。筐体サイズやフォームファクタこそ異なるが、NUCという名前に秘めたポテンシャルをエンドユーザーに見せつけるデモ的な要素が強い。

 このところIntelはデスクトップPCのフォームファクタを拡張し続けており、NUC、スティックPCに続き、Mini-STX製品も投入している。NUC6i7KYKはその中でNUCをさらに拡張し、NUCとMini-STXの間を狙っているもので、なかなかユニークで唯一無二の製品ではある。限られた設置スペースで高い性能を必要とするユーザーは、検討してみてはいかがだろうか。