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パナソニック、2kgを切る本体重量、従来比3割の軽量/薄型化を達成した新タフブックを解説
(2015/12/21 19:11)
パナソニック株式会社は21日、法人向け堅牢PCのタフブックから10.1型の2in1「CF-20」シリーズを発表。それに伴い、都内で製品説明会を開催し、最新モデルの特徴などについて解説を行なった。
CF-20の価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は30万円弱からの見込み。発売は2016年3月下旬を予定。主な仕様などに関しては別記事を参考のこと。
新製品投入で事業のさらなる成長を目指す
CF-20は2013年1月に登場したCF-19の後継モデルとなり、Wi-Fiモデルに加え、LTE対応モデルを用意したほか、薄型化と軽量化を果たした。パナソニック AVCネットワークス社の坂元寬明氏はCF-20について、「軽く、薄く、より使いやすくをコンセプトに開発した」と述べ、ノートPC(クラムシェル)、タブレット、コンバーチブルの1台3役の使い方ができることから、日本ではこれからの東京オリンピックの開催などに向けて建設業界で相当な引き合いがあるだろうと強い自信を見せた。
パナソニックのタフブックはグローバルでの累計出荷台数が400万台を超えており、この点に関して坂元氏は、タフブックがB2Bに集中特化させて事業成長を果たしてきたことを説明。グローバルでの欧米でのシェアが65%に上っており、警察関係、病院、車業界などにおいて圧倒的な支持を得ているとし、堅牢ノートPC市場においては実質パナソニックがマーケットリーダーとなっており、2019年までに年率20%の成長率を目指すと語った。
“ダブルフック”によるロック機構やシリコンの防水パッキンを採用
続いてCF-20の説明には、ITプロダクツ事業部の安政馨が登壇し、CF-20の開発背景から新機構まで、その特徴を解説した。
タフブックが使われるような過酷な現場では、ノートPCとタブレットの2台持ちを解消したいという要望が以前よりあったとのことで、それに応える形でCF-20を企画し、堅牢タイプの着脱式PCとして開発したという。また、タブレットモードだけでなく、画面と本体(キーボード側)は合体させたままで画面部分を180度回転させて「コンバーチブルモード」に移行できるようにし、さまざまな現場に対応可能な汎用性の高さも備えている。
安政氏は、タフブックシリーズから着脱式のノートPCを作るにあたり、画面装着時に外れにくくなおかつ着脱もしやすいように、一般的な着脱式PCとは異なる着脱機構を採用したことを説明。「ダブルフック着脱機構」と名付けられたこの方式では、レバー操作で固定フックを回転させてロックするようになっており、普通は一方向のロックのみとなっているところを、さらに1方向加えることで強固にしている。また、どの方向からでも落下の衝撃に耐えられるようになっているという。
前モデルのCF-19との違いとしては、厚みが49mmから33.5mmに薄型化、重量が2.3kgから1.76kgに軽量化され、持ち運び用のノートPCとしても使い勝手が向上したことを挙げた。薄型化を可能にしたのは防水パッキンの改良によるもので、CF-19ではウレタン素材を使っていたのに対し、CF-20ではシリコンを採用。これによって42%の薄型化を達成できた。製作には高い工作精度を要求されるとのことだが、国内で培ってきた技術により、この課題を突破できたとしている。
このほか、CF-20は防塵のIP6X、防滴のIPX5、-10℃~50℃環境での耐温、MIL-STD-810Gの耐振動、90cm落下試験を通っていることも説明し、会場では実際にその防滴性能と耐落下/衝撃性能を実演してみせる場面も用意。落下試験の通過は最近のノートPCではそれほど珍しくはないが、CF-20にバケツから水をかけるデモには見応えがあり、CF-20の耐水性を証明してみせた。
タフブックでは顧客の使い方に応じたカスタマイズも行なっており、メモリとストレージの増設、バーコードリーダやGPU機能の搭載が可能。さらに、海水仕様にするといった特注カスタマイズもできるとのことで、これにはコストとの兼ね合いで導入を検討してもらうことになるそうだ。タフブックの開発や生産は全て日本の神戸工場で行なわれており、これにより多品種少量生産でも細かいカスタマイズを可能にしている。実際に1台からのカスタマイズに対応しているとのことだ。