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ヤマハ、Web会議向けの高音質USBマイクスピーカー
~Bluetoothでスマートフォンの通話も転送
(2014/4/17 16:37)
ヤマハ株式会社は、Web会議における高音質を実現するUSBマイクスピーカー「YVC-1000」を5月15日に発売する。価格は12万円(税別)。
PCとUSBで接続し、オーディオデバイスとして駆動するマイクスピーカー。従来の「Projectphone」シリーズからマイクとスピーカーを分離型としたことで、相手映像のすぐ下で音声を出しながら、マイクをユーザーの近くに置くことが可能となり、より自然なコミュニケーションを実現したという。
OSの標準ドライバで、USBオーディオデバイスとして認識されるが、ヤマハ独自の機能として、スピーカーの再生音をマイクが拾うことで発生するエコーを除去する「適応型エコーキャンセラー」、マイクに近い人と遠い人の音量を最適化する「オートゲインコントロール」、発話者を自動で追尾する「マイクアレイ制御」、部屋の特性に起因する残響成分を抑圧する「残響抑圧」などの機能を備える。
本体備え付けの「音叉ボタン」を押すと、部屋の残響特性を自動で測定し、スピーカーの再生音を最適化する「オートルームEQ」と、エアコンやプロジェクタなどの定常的なノイズを測定して消去する「ノイズリダクション」機能が働く。また、外部スピーカー搭載時は遅延差や周波数特性も測定して最適化を行なう。
スマートフォンとBluetoothでペアリングして、HFPプロファイルによる通話もサポート。災害時などに電話回線経由で会議を行なったり、外出先のユーザーを電話を通して呼び出して会議に参加させたりできる。NFCチップを内蔵しており、対応スマートフォンではペアリング手順を簡略化する。また、RCAによる音声入力とミキシング機能も備えるほか、別途大型スピーカーへの出力も可能。
マイクはデイジーチェーン接続により最大5台まで増設可能。オプションのマイクは「YVC-MIC1000EX」の型番で、本体と同時発売する。価格は3万円(同)。マイクの有効距離は直径約3mで、これにより25名程度の中規模のWeb会議をサポートできる。
マイクは単一指向性×3、スピーカーユニットはフルレンジ×1。最大音量は95dB(0.5m)。周波数帯域は収音/再生ともに100Hz~20kHz。対応OSはWindows 7/8/8.1、およびMac OS X 10.8以降。Bluetoothは2.1+EDR。
本体サイズおよび重量は、本体が332×162×95mm(幅×奥行き×高さ)/1.8kg、マイクが136×36mm(直径×高さ)/0.4kg。USBによるファームウェアアップデートも可能。
Web会議もユニファイドコミュニケーションへ
4月17日に都内で開かれた記者会見では、同社代表取締役社長の中田卓也氏が挨拶。「ヤマハはエレクトロニクスを中心とした3カ年計画を実施しており、3つの分野に注力している。1つ目は電子鍵盤楽器、2つ目は業務用機器、そして3つ目が今回の新製品を含むICT分野である。ヤマハは電子楽器で磨き上げたデジタル/アナログ変換技術、そして電子楽器に採用されるLSIや信号処理を発展させたルーターという2つの強みがあった。Web会議システムは2006年から展開しているが、その両方の強みが活かせる。今後これをヤマハ成長の軸としていけるようなビジネスに拡大していきたい」と意気込みを語った。
同社 執行役員 楽器・音響営業本部 音響営業統括部長の大沢博史氏は、「遠隔会議システムは、電話回線を用いた音声会議、専用機で高品質を実現するビデオ会議に加え、PCとインターネットを活用したWeb会議の3種類があるが、このうちWeb会議は大きな市場拡大が見込まれる。遠隔会議においてユーザーが最も重視するのは音質であるが、そこに我々の強みが活かせる。今回のシステムは新たにBluetooth接続をサポートし、企業内においても当たり前になりつつあるスマートデバイスを取り込め、ユニファイドコミュニケーションが実現。これによって新たなコミュニケーションの形を創造できる」とアピールした。