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ヤマハ、Web会議向けの高音質USBマイクスピーカー

~Bluetoothでスマートフォンの通話も転送

YVC-1000を利用したWeb会議の様子
5月15日 発売

価格:12万円(税別)

 ヤマハ株式会社は、Web会議における高音質を実現するUSBマイクスピーカー「YVC-1000」を5月15日に発売する。価格は12万円(税別)。

発表会で製品説明を行なった上席執行役員 楽器・音響開発本部長 長谷川豊氏

 PCとUSBで接続し、オーディオデバイスとして駆動するマイクスピーカー。従来の「Projectphone」シリーズからマイクとスピーカーを分離型としたことで、相手映像のすぐ下で音声を出しながら、マイクをユーザーの近くに置くことが可能となり、より自然なコミュニケーションを実現したという。

 OSの標準ドライバで、USBオーディオデバイスとして認識されるが、ヤマハ独自の機能として、スピーカーの再生音をマイクが拾うことで発生するエコーを除去する「適応型エコーキャンセラー」、マイクに近い人と遠い人の音量を最適化する「オートゲインコントロール」、発話者を自動で追尾する「マイクアレイ制御」、部屋の特性に起因する残響成分を抑圧する「残響抑圧」などの機能を備える。

 本体備え付けの「音叉ボタン」を押すと、部屋の残響特性を自動で測定し、スピーカーの再生音を最適化する「オートルームEQ」と、エアコンやプロジェクタなどの定常的なノイズを測定して消去する「ノイズリダクション」機能が働く。また、外部スピーカー搭載時は遅延差や周波数特性も測定して最適化を行なう。

 スマートフォンとBluetoothでペアリングして、HFPプロファイルによる通話もサポート。災害時などに電話回線経由で会議を行なったり、外出先のユーザーを電話を通して呼び出して会議に参加させたりできる。NFCチップを内蔵しており、対応スマートフォンではペアリング手順を簡略化する。また、RCAによる音声入力とミキシング機能も備えるほか、別途大型スピーカーへの出力も可能。

YVC-1000の特徴
さまざまな高音質技術
適応型エコーキャンセラーの概要
ノイズリダクションの機能
人間の声だけを広い、キーボードのタイピングによる「ガチャガチャ」や紙をめくる「ペラペラ」の音も消去できる
USBのみならずBluetoothやRCA入出力による接続もサポート
Bluetooth対応スマートデバイスを用いたコミュニケーションも可能
マイクのデイジーチェーン接続で5台まで設置できる
発売時期と価格

 マイクはデイジーチェーン接続により最大5台まで増設可能。オプションのマイクは「YVC-MIC1000EX」の型番で、本体と同時発売する。価格は3万円(同)。マイクの有効距離は直径約3mで、これにより25名程度の中規模のWeb会議をサポートできる。

 マイクは単一指向性×3、スピーカーユニットはフルレンジ×1。最大音量は95dB(0.5m)。周波数帯域は収音/再生ともに100Hz~20kHz。対応OSはWindows 7/8/8.1、およびMac OS X 10.8以降。Bluetoothは2.1+EDR。

 本体サイズおよび重量は、本体が332×162×95mm(幅×奥行き×高さ)/1.8kg、マイクが136×36mm(直径×高さ)/0.4kg。USBによるファームウェアアップデートも可能。

YVC-1000本体
本体上部に各種ボタンを装備。音声ガイダンスも内蔵している
マイクユニット
本体背面のインターフェイス。マイクとの接続はEthernetと同じ形状のケーブルを用いるが、LANケーブルでは利用できない

Web会議もユニファイドコミュニケーションへ

 4月17日に都内で開かれた記者会見では、同社代表取締役社長の中田卓也氏が挨拶。「ヤマハはエレクトロニクスを中心とした3カ年計画を実施しており、3つの分野に注力している。1つ目は電子鍵盤楽器、2つ目は業務用機器、そして3つ目が今回の新製品を含むICT分野である。ヤマハは電子楽器で磨き上げたデジタル/アナログ変換技術、そして電子楽器に採用されるLSIや信号処理を発展させたルーターという2つの強みがあった。Web会議システムは2006年から展開しているが、その両方の強みが活かせる。今後これをヤマハ成長の軸としていけるようなビジネスに拡大していきたい」と意気込みを語った。

 同社 執行役員 楽器・音響営業本部 音響営業統括部長の大沢博史氏は、「遠隔会議システムは、電話回線を用いた音声会議、専用機で高品質を実現するビデオ会議に加え、PCとインターネットを活用したWeb会議の3種類があるが、このうちWeb会議は大きな市場拡大が見込まれる。遠隔会議においてユーザーが最も重視するのは音質であるが、そこに我々の強みが活かせる。今回のシステムは新たにBluetooth接続をサポートし、企業内においても当たり前になりつつあるスマートデバイスを取り込め、ユニファイドコミュニケーションが実現。これによって新たなコミュニケーションの形を創造できる」とアピールした。

同社代表取締役社長の中田卓也氏
執行役員 楽器・音響営業本部 音響営業統括部長の大沢博史氏
Web会議システムの隆起
ユーザーからは高音質へのニーズが大きい
ヤマハとしては2006年からProjectphoneシリーズを展開
市場シェアNo.1を獲得
Web会議は会議のみならず、セミナーでの利用も始まっている
スマートデバイスを取り込んだユニファイドコミュニケーションの実現

(劉 尭)