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エプソン、ラインヘッド搭載で高速印刷を実現したA3インクジェット複合機

~分間100枚印刷で低消費電力

WorkForce Enterprise LX-10000F

 セイコーエプソン株式会社は、A3対応インクジェット複合機/プリンタ「WorkForce Enterprise LX-10000F/7000F」、複合機「PX-M7070FX」、プリンタ「PX-S7070X」の4機種を発表した。

LX-10000F/7000F

WorkForce Enterprise LX-7000F
オプション装着時

 ラインヘッドを搭載した高速印刷が特徴のインクジェット複合機。5月より発売予定で、税別価格はLX-10000Fが250万円(FAXモデルは同260万円)、LX-7000Fが同200万円(FAXモデルは210万円)。

 独自のマイクロピエゾ技術をベースとした、新開発のPrecisionCoreラインヘッドを搭載。通常のシリアルヘッド方式では、プリンタヘッドを紙幅で往復させて印刷を行なうが、ラインヘッド方式の場合、ヘッドが用紙幅をカバーしているため、紙送り機構のみで印刷でき、これによってより高速な印刷が可能となる。

 PrecisionCoreラインヘッドでは、専用のマイクロTFPプリントチップを開発し、従来品よりも1チップあたりの多ノズル化、高密度化を図り、600×1,200dpiの高解像度を達成したとする。また、プリントチップを36枚斜めに配列することで、約33,500のノズルを搭載しつつ、幅約43mmという小型のラインヘッドを実現し、これにより、本体サイズもオフィスに設置できる大きさとしている。

PrecisionCoreラインヘッド
100ppmの高速印刷

 高速印刷でも安定した用紙搬送を行なうため、静電気を利用する静電吸着ベルト方式を採用。高速搬送でも紙がバタつかないとする。

 これらの技術により、A4用紙でLX-10000Fがカラー/モノクロともに100ppm(分間ページ印刷枚数)、LX-7000Fが同75ppmという高速印刷を実現した。

 また、両面印刷時にも経路を最短化することで100ppmの高速印刷を維持できるという。

静電吸着ベルト
高速両面印刷

 また、インクジェットならではの高画質も特徴で、水性顔料インクの採用により、滲まず裏抜けを抑えて速乾性を向上。普通紙でも高画質印刷を謳うほか、非接触/熱を使用しないというインクジェットの利点を活かし、和紙やエンボス紙、賞状、封筒などさまざまな用紙に対応する。

 加えて、万が一ノズル詰りが発生した場合でも、「ノズル自己診断システム」により、1枚印刷するごとにノズルの状態を自動的に検知し、画質を調整するという。

水性顔料インク
ノズル自己診断システム
用紙対応

 低消費電力も特徴で、およそ半分の速度となる50ppmクラスの電子写真方式と比較しても、TEC(総電力量)比で最大3分の1であるとしている。

低消費電力
低発熱
比較

 インクジェット方式はインクを吹き付けるだけとシンプルな方式のため、本体の構造もシンプルで、結果として定期交換部品も少なく、ダウンタイムの軽減に繋がるとする。また、インクそのものも粉末ではなく液体のため、容積効率が高く、ブラック×2/シアン/マゼンタ/イエローカートリッジでカラー5万枚、モノクロ(ブラック)10万枚の印刷が可能で、少ない交換頻度で大量に印刷できるとしている。

 使い勝手の面では、9型のタッチパネルと新UIの採用、両面同時スキャン対応のADF、本体内蔵のリモート監視機能などが盛り込まれた。

シンプル構造
印刷枚数
使い勝手
共同開発によりシーイーシー製システムとも連携予定
大容量給排紙オプション

 そのほかの主な仕様は共通で、解像度が最大6,00×2,400dpi、インクが4色独立。対応用紙は、A3~A5、レター、はがき、封筒など。最大給紙枚数は2,550枚。

 スキャン解像度は最大9,600dpi、入力階調は16bit、出力階調は8bit、ADFのA4スキャン速度はカラー/モノクロともに60ipm。

 インターフェイスはUSB、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11n対応無線LAN。

 本体サイズ/重量は、674×757×1,231mm(幅×奥行き×高さ)/約186kg。

PX-M7070FX/S7070X

PX-M7070FX(大容量給紙モデル)
PX-S7070X

 上記と別に、「スマートチャージ」対応のA3複合機/プリンタも、前機種から両面同時スキャン速度高速化や操作性などが向上したPX-M7070FX、PX-S7070Xとして、3月上旬より投入する。

前機種から両面同時スキャン高速化

 都内で行なわれた製品発表会には、セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長の碓井稔氏、同社取締役常務執行役員 プリンター事業部長の久保田孝一氏、エプソン販売株式会社 代表取締役社長の佐伯直幸氏が登壇。

左から順にセイコーエプソン株式会社 取締役常務執行役員 プリンター事業部長 久保田孝一氏、同社代表取締役社長 碓井稔氏、エプソン販売株式会社 代表取締役社長の佐伯直幸氏

 碓井氏は、今回の新製品は「全てのオフィスプリンタをインクジェットに置き換える」という目標に向けた製品であり、オフィス環境にイノベーションを起こしていくとアピール。

長期ビジョン「Epson 25」
オフィスで気兼ねなく印刷できる環境
提供価値
インクジェットイノベーションでオフィス変革

 販売戦略について説明を行なった佐伯氏も、ホームユースや商産業のプロダクションプリンタなどではインクジェット化が進んでおり、オフィスセンターの領域でも同様にインクジェット化を進めていきたいと述べ、インクジェット系印刷市場、複合機/プリンタ市場を見据えて販売を行なっていくとした。

販売戦略
市場規模
ターゲット
販売目標
スマートチャージ
PX-M7070FX/S7070Xはオールインワンプランのみで提供
PrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッド
PrecisionCoreラインヘッド
印刷デモ
インクカートリッジ