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普通のドライブでCD/DVDの記録面に絵を焼く「Disc Image Studio」

 CD-RやDVD-Rの記録面に、データの書き込みそのもので肉眼でも見える絵を描けるフリーソフト「Disc Image Studio」がX(旧Twitter)で話題を集めている。これはGitHubユーザーのJiaFeiMiao-K-Cat氏が開発しているWindows向けのソフトで、9月12日に初めてGitHubで公開された。11月2日リリースの最新版1.3.6では日本語のUIに対応したほか、Linux/macOS向けの実験的なCLI版を追加し、ランタイムも同梱している。

 Disc Image Studioは、画像をCD/DVD/BDの物理層の規格に沿ったデータに変換するツール。このデータを焼くと、ディスクの記録面に図柄が浮かび上がる。CD向けにはWAV形式の音楽トラックとCUEファイルを出力し、cdrecordやImgBurnなどのライティングソフトで書き込める。DVD向けには絵だけのISOイメージのほか、内周にファイル、外周に絵を記録する混在ディスクも作成できる。1.1.0以降は、25GBの1層BD-Rにも実験的に対応した。

 ディスクに絵を描く機能は、かつてドライブメーカーが製品化していた。ヤマハは2002年、CD-RWドライブ「CRW-F1」に「DiscT@2」を搭載した。これはレーザーパワーを制御して記録面の色素の反射率を変える技術で、データを書き込んだ後の空き領域に文字や図柄を描ける。2005年には、ディスクのレーベル面に描画する技術として、HPの「LightScribe」と、ヤマハと富士写真フイルムが開発した「Labelflash」が相次いで登場した。

 ただし、これらの技術はいずれも専用のドライブおよびソフトが必要で、LightScribeとLabelflashのレーベル面印刷には専用メディアも必要だった。Disc Image Studioは、ファイルとして出力することで、任意の光学ドライブと書き込みソフトが利用できるのが特徴となる。

 ディスクに絵を描く上で難しいのは、メディアごとに記録領域の内径や外径、トラックピッチなど、物理形状がわずかに違う点だ。データの保存には影響がないが、絵は大きくゆがむ。そこで本ソフトはキャリブレーション機能を搭載。同心円と十字線の校正パターンを焼いたディスクを撮影して渡すと、写真の傾きを補正したうえで、曲線上に打った点から形状のパラメータを逆算することで、放射方向の直線に近づける補正を行なう。

Verbatim製DVD-R「AZO(43533)」の校正前(左)と校正後(右)。放射状の線の曲がりが改善されている

 DVDでは、半径に応じてトラックピッチが変化する3次の多項式モデルを使用する。Verbatim製DVD-R「AZO(43533)」で校正した実例も公開されており、校正前に曲がっていた放射状の線が、校正後はほぼ直線になっている。同メディアのほか、Verbatim製CD-RやBD-Rなどの実測プリセットも内蔵する。

 書き込みは、イメージファイルを出力してほかのライティングソフトで焼く方法のほか、実験的な機能として、Windows標準のIMAPI2を使い、データを生成しながらそのまま書き込む「即時ストリーミング書き込み」にも対応する。なお、空でないメディアへの書き込みは拒否する。書き込みの中断や生成速度の不足でディスクが使えなくなる可能性があるとして、捨ててもよいテスト用のメディアで試すよう注意を促している。

 対応OSはWindows 10 2004以降とWindows 11。配布されている実行ファイルには.NETのランタイムが含まれており、別途インストールする必要はない。

 ちなみに、CDの記録面に絵を描くツールには、arduinocelentano氏の「CDImage」という先例がある。作者は後年、CDImageのコードを公開した際に、人の目に頼るキャリブレーションの代わりに、カメラと画像認識を活用する可能性に触れている。Disc Image Studioのキャリブレーションは、この提案に沿った手法といえる。なお、Disc Image StudioのCDのインターリーブ処理はCDImageから派生したもので、ライセンスもCDImageと互換性のあるGPL-3.0-or-laterを採用している。