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ルーターが固まっても勝手に復活!神デバイス「ezJack」を試してみた

ezJack「EJ-13」。Amazonでの価格は4,720円(9月末時点)。ほかにプラグの形状が異なる複数のモデルがある

 MEGATECの「ezJack」は、ルーターやモデムに取り付け、それらが応答しなくなると、自動的に再起動をかけてくれるデバイスだ。定期的にPINGを飛ばして死活監視を行なうので、長期間ハングアップしたままになる事態を回避できるのはもちろん、スマホアプリを経由しての手動リセット、さらにはスケジュールを指定しての再起動にも対応している。

 宅内で別の部屋にルーターを設置している場合はもちろん、遠隔地にいる場合も、再起動のために設置場所に足を運ばなくて済むようになるこのデバイス、対応するプラグ形状によって複数の種類がある。今回はACアダプタのジャックに取り付けるモデル(EJ-13)を購入したので、その特徴と具体的な使い方を紹介する。

ルーターと電源アダプタの間につないで電源を制御

 ルーターで何らかのトラブルがあってハングアップした場合、復旧させるには物理的に電源ケーブルの抜き差しを行なうのが一般的だ。本製品はルーターと電源アダプタの間に接続し、スマホアプリからの遠隔操作によって、電源の切断および再投入が行なえる。要するに擬似的に電源ケーブルの抜き差しを行なってくれるわけだ。

 またルーターに対して定期的にPINGを打ち、ハングアップしていると判断した場合は、自動的に再起動を行なう機能を備えるほか、スケジュール設定による再起動もサポートしている。ルーターが頻繁にハングアップするせいで、毎回足を運んで電源ケーブルの抜き差しを強いられている人にとっては、まさに神デバイスだ。

 ボディサイズは小型のネットワークアダプタと同程度で、ルーターと電源アダプタの間に挟み込む形で接続する。DCジャックの径は製品ごとに異なるので、パッケージには径を変換するための2種類のプラグが付属しており、市販のルーターのほとんどは接続可能とされている。

製品本体。小型のネットワークアダプタと同程度のサイズ。重量は公称27g
裏面。技適もきちんと取得している。Wi-Fiは2.4GHz帯専用
パッケージは茶箱。標準のプラグ形状は「DC5521」
同梱品一覧。径が異なる交換用プラグ2種類も付属している
ルーターと電源アダプタの間に挟み込んで使用するため、片方がオス、もう片方がメスになっている
径が異なる交換用プラグをオスメスそれぞれに取り付けた状態
本製品装着前。ルーターにLANケーブルと電源ケーブルが接続されている
本製品装着後。ルーターと電源ケーブルの間に本製品を挟み込む形で取り付ける

設定および手動操作はスマホアプリから行なう

 利用にあたっては、ルーターと電源アダプタの間に本製品を接続したあと、スマホアプリにログイン。本製品の検出を行なったあと、SSIDとパスワードを入力して、スマホから本製品へと直接アクセスできるようにする。SSIDは自動検出に対応しておらず手動で入力しなくてはいけないのが手間だが、手順自体は難しくはない。

まずは専用アプリ「ezDevice」をインストール(左)アカウントを作成してログインする(中央)ホーム画面が表示される。この時点ではデバイスは未登録なので、右上の「+」をタップ(右)
モデルリストを下にスクロールして本製品(EJ-13)を探してタップ(左)検出が実行されるのでしばらく待つ(中央)SSIDとパスワードを入力。SSIDは自動検出されず手動入力なので少々煩わしい(右)
Wi-Fi設定が完了するとクラウドへのデバイス追加が行なわれる。ちなみに「Cloud4UIS」というのは管理用のクラウドサービス(左)設定が完了したらホーム画面へと移動する(中央)ホーム画面のリストに追加された。これで使えるようになった(右)

 スマホアプリを開くと、ホーム画面の一覧に本製品が表示されているので、これを開くことで電源オフまたはリセット(再起動)などの操作を行なえる。これにより、遠隔地にあるルーターの電源オンおよびオフ、あるいはリセット(再起動)を、スマホから行なえるようになる。

 さらに本製品はこれに加えて、ルーターに対して自動的にPINGを打ち、連続して3回タイムアウトが発生すると停止しているとみなし、再起動をかける機能も用意されている。また定期的にリセットを行なうスケジュール設定にも対応している。これらはすべてアプリ上で設定する仕組みで、検出感度やPING間隔などの細かい指定にも対応する。

 ちなみに本製品は「Cloud4UIS」というクラウドサービスとの連携によって動作する。スマホアプリからCloud4UISに送信された指示をローカルに設置された本製品が受け取り、電源オフやリセットを実行するという流れだ。「Cloud4UIS」の名は表に出てきていないので、少々分かりづらい。

個々の製品のホーム画面。上部の2つのアイコンは、左が「電源オフ」右が「リセット(再起動)」を意味する(左)ネットワーク関連の設定画面。本製品のIPアドレスや、アクセスに用いるSSIDなどが並ぶ(中央)時刻に関する設定画面(右)
設置に関する設定画面。検出感度やPING間隔などを細かく設定できる(左)同、PING以外にHTTPを利用するモードが選べる(中央)スケジュールの設定画面。定期的にリセットを行ないたい場合に利用する(右)

「電源オフ」と「リセット」をうまく使い分ける

 スマホアプリからの遠隔操作で手動リセットを行なう手順を見ていこう。本製品には小型のOLED画面が搭載されており、現在のステータスが表示されている。スマホを使って電源オフやリセットといった操作を行なうとき、このOLED画面を見ていると、両者が連動してどのように動作しているかがよく分かる。

 さてスマホアプリで対象デバイス(ルーター)の画面を開くと、左に「電源オフ」右に「リセット」のアイコンが表示されている。手動で操作する場合は、この2つのアイコンのいずれかを使うことになる。

本製品のOLED画面には現在のステータスが表示されている。日本語で表示されるので分かりやすい
スマホアプリと並べてみた。スマホアプリは左に「電源オフ」右に「リセット」のアイコンが表示されている

 まずはリセット(再起動)。右側の「リセット」アイコンをタップすると、本製品からルーターへの給電が数秒間途絶え、その後再び通電することで、ルーターが再起動する。本体側のOLED画面を見ると、ステータスが「オン」→「リセット」→「オン」へと変化する様子が見て取れる。

スマホアプリの右側のアイコンをタップするとリセット(再起動)するか尋ねられる。「確認」をタップ
リセットの実行中。アプリのアイコンは残り秒数の表示へと変化する。本製品のOLED画面の表示が「オン」から「リセット」に変化する
リセット完了。本製品のOLED画面の表示が「オン」に戻り、またスマホアプリのアイコンも元の表示に戻った

 再起動ではなくシャットダウン(電源オフ)も行なえる。左側の「電源オフ」アイコンをタップすると、本製品からルーターへの給電が途絶えるところまでは同じだが、その後再び通電されることはなく、そのままの状態が維持される。本体のOLED画面も「オフ」となっており、ルーターがシャットダウンされたままとなることが分かる。

 なお完全にシャットダウンしてしまうと、そのルーター固有のSSIDを使って本製品にアクセスしていた場合、本製品へのアクセス手段そのものが失われてしまう。そのためこの「オフ」自体を無効化する機能も用意されている。現地に足を運べない遠隔地から操作する場合は、この機能は活用すべきだろう。

左側のアイコンをタップすると電源をオフにするか尋ねられる。「確認」をタップ
シャットダウンが実行された。本製品のOLED画面の表示が「オン」→「オフ」へと書き換わった。アプリのアイコンもグレーアウトしている
ルーターを完全にシャットダウンしてしまうと、そのルーター固有のSSIDでアクセスしていた場合、本製品にもアクセスできなくなる。そのため電源オフのアイコンを非表示にし、リセットしか行なえないようにすることもできる

 ちなみにシャットダウンによるアクセス不可を防ぐもう1つの方法として、LAN上に別のWi-Fiアクセスポイントを設置し、そちらのSSIDで接続する方法が考えられる。つまりWi-FiアクセスポイントAをリセットする場合はWi-FiアクセスポイントBに接続された本製品経由で、Wi-FiアクセスポイントBをリセットする場合はWi-FiアクセスポイントAに接続された本製品経由で操作するという、たすき掛けの状態にするわけである。

 実は筆者宅では、元からそうしたネットワーク構成になっている。具体的には、メインで使っているWi-Fi 6ルーターに、アクセスポイントモードに設定したWi-Fi 7対応ルーターをぶら下げ、スマートホーム系を中心とした大多数のデバイスはWi-Fi 6ルーターを、スマホなど速度を要求されるデバイスはWi-Fi 7ルーターを使うという運用を行なっている。

 そのため今回の試用においても、Wi-Fi 7ルーターに接続する本製品には、Wi-Fi 6ルーターのSSIDを登録するという形で、Wi-Fi 7ルーターが再起動中も、本製品にはWi-Fi 6ルーター経由で問題なく接続できる形にしてある。本製品の仕組みを考えても、この構成がベターだろう。

 とはいえこれはWi-Fiルーター自体にトラブルが発生して再起動が完了しないという最悪の事態に備えるためのもので、通常なら対象となるWi-FiルーターのSSIDを登録しておいても、再起動さえきちんと完了すればアクセスが可能になるはずなので、あまり神経質にならなくてもよいだろう。

このほか本製品のOLED画面では通電状況やWAN IP、LAN IPも表示できる
モデル名、シリアルナンバーなどの情報も表示可能。ちなみにOLED画面の右側にあるのがファンクションボタンだ

動作を把握するためには有料サブスクとの契約が必須

 最後に本製品のログについて。本製品が連携するクラウドサービスの「Cloud4UIS」は、無料版ではログは見られず、また通知機能もないため、自動リセットが行なわれても、その事実を知る術がない。ハングアップせず動き続けていれば問題ないとはいえ、それが本製品あってのものなのか、あるいはたまたまなのか、判断がつかないのは少々気持ち悪い。

 有料プランを契約すれば、電源オン/オフやリセットなどのログを参照できるようになるほか、メールおよびSMSによる通知機能も利用可能になる。さらに最大10台のデバイスを一括管理し、管理アカウントを割り当てるなどの機能も提供される。契約期間は1年あたり59.99ドル(約9,412円、1ドル=約156.9円換算)だ。月額プランは用意されていない。

有料のサブスクリプションプランと契約すると通知機能などが使えるようになる(左)なにより大きいのはログが参照可能になることだろう(中央)メールによる通知機能も利用可能になる。メールはすべて英語だが特に問題にはならないだろう(右)

 今回の試用にあたって契約してみたが、SMS通知は米国の電話番号に限定されているため利用できず、利用できる通知方法はメールのみ。またホームユースだと管理アカウント機能はあまり出番がなく、実質使える機能はログ表示とメール通知くらいで、少々割高な印象だ。障害の発生件数や障害がよく起こる時間帯などの傾向をレポートで出力する機能くらいはほしいところだ。

 ちなみにこのログは有料プラン契約後から記録するのではなく、それ以前に発生した障害も含めて表示してくれる。筆者が使い始めてから約1カ月半のうちに、PINGの無応答を検知して自動リセットされたケースはなかった。

 一方、ルーターの再起動でしばらく応答がなくなったのを障害と見なして自動リセットがかかった形跡はあった。ログの記録という意味では、きちんと動作していると見てよさそうだ。

文字通りの神デバイス。現状の課題は?

 以上のように、ルーターの設置場所に足を運ばずにリモートで再起動が行なえるほか、ハングアップを検知して自動的に再起動してくれるという、神デバイスといって差し支えない製品だ。こんな製品がほしかったという人も多いのではないだろうか。

 もっとも発売から数年が経過しているにもかかわらずあまり注目された気配はなく、またAmazonで取り扱いのあるバリエーションも減少傾向にあるのが気がかりだが、ユーザーが増えてノウハウが蓄積されることで価値が向上するタイプの製品のように感じられるので、本稿をきっかけに利用者が増え、さまざまな環境で使われることで、製品がブラッシュアップされていってほしいと願う次第だ。

 現状での課題は、付属プラグの形状が手持ちの機器に合うとは限らないことだろう。筆者宅にある2台のルーターはいずれも対応していたが、筆者が本来使いたかった光回線のONUはプラグ形状が合わず利用できなかった。こうした場合の交換用のプラグが別売であってもオプションとして用意されていれば、より安心して導入できるだろう。

 もう1つは宅内専用であり、防水仕様でないことだ。筆者宅に設置されているネットワーク機器のうち、ハングアップが発生する頻度がダントツに高いのは、屋外に設置されているネットワークカメラであり、真っ先に導入したかったのだが、本製品は防水仕様でないためあきらめざるを得なかった。

 本製品のバリエーションの中にはUSB Type-C版(EJ-12)もあり、ネットワーク機器以外のデバイスの電源制御も行なえる。USB Type-C経由の給電に対応したネットワーク機器が増えてくれば、コネクタ形状の問題も解消され、またケーブルの組み合わせの自由度が上がることで、防水仕様の問題も解決できるかもしれない。

今回の記事をほぼ書き終えた段階で、本製品のUSB Type-C版(EJ-12)を追加で購入し、ネットワーク機器ではないデバイスに使えるか試したところ、問題なく利用できた。バッテリ非搭載のUSB扇風機をスマホから電源オン/オフしたりと無駄に応用範囲は広い