山田久美夫のWORLD PC EXPO98レポート

国内初登場モデルが多数展示


会期:9月30日~10月3日
会場:幕張メッセ


 今年のWORLD PC EXPO98は、フォトキナの後を受けて国内初公開となるモデルも多く、なかなか見応えのあるイベントとなった。ほぼ今年最後のデジタルカメラが展示されるイベントとあって、各社ともかなり力が入っている。

 今回初公開となったモデルは、「富士フイルム FinePix600Z」、「Clip-it80」、「三洋電機 DSC-X100」、「DSC-SX1Z」、「ソニー Cyber-shot PRO」、「デジタルマビカ MVC-FD91」、「MVC-FD81」、「カシオ QV-7000SX」、「キヤノン PowerShot PRO70」、「オリンパス C-900 ZOOM」、「C-830」など、実に数多い。
 また、プリントやデータ保存といったユニークな周辺機器の新製品が続々登場したのも今回のイベントの大きな特徴といえる。




●ソニー:「Cyber-shot PRO」ほか多数のデジタルイメージング製品を出品

 ソニーは今回、先だって発表された150万画素5倍ズーム搭載一眼レフデジタルカメラ「Cyber-shot PRO」を出品。ブースでは自由に手にすることができ、国内では初公開ということもあって人気も上々。また、アクリル越しながらもイベント用のスケルトンモデルを展示していた。

 また、85万画素シリーズのデジタルマビカ「MVC-FD91」、「MVC-FD81」の姿もあり、ショー前日に発表されたばかりのフロッピーディスクからダイレクトにプリントできる306dpiのA6版昇華型プリンタ「FVP-1」も出品されていた。

 もっとも今回のソニーブースのメインは、CCDカメラ内蔵の小型ノートPC「PCG-C1」であり、こちらは初日のすいている時間帯でさえ、触るのがやっとという感じの超人気ぶり。すでに発売済みのモデルであり具体的な質問が多かった。

【Cyber-shot PRO】
【スケルトン仕様のCyber-shot PRO】
A6版昇華型プリンタ FVP-1
CCDカメラ内蔵ノート
VAIO PCG-C1

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●キヤノン:「PowerShot PRO70」と「Digital Photo Station」を出品

 キヤノンは発売延期となっていた168万画素モデル「PowerShot PRO70」を国内のイベントでは初めて出品。しかし、価格は158,000円と決定したものの、発売時期は11月とあるだけで、正確な発売日はまだ決まっていない。
 PowerShot PRO70は、自由に手にすることができ、ユーザーがその操作感を試していた。説明員の話では「Cyber-shot PRO」とどっちにしようか迷っているという人が結構多いという。ブースに展示されているモデルも、まだまだβ版レベルというが、おそらく発売までに他のイベントで出品されることはなさそうなので、興味のある人はぜひとも今回のチャンスに実機を手をすることをオススメしたい。
 なお、本来ならそろそろ実写レポートをお届けしたいところだが、まだ実写レポートに耐える貸出機がないという。

 また、同社は、デジタルカメラのデータをPCなしで記録やプリントできる「Digital Photo Station PA-200」を初公開。これは一種の電子アルバムで、PCMCIA Type2カードのデータをスーパーディスクに記録したり、同社のBJプリンタでプリントできるもの。テレビ画面を使ったデータ編集や整理、スライドショーなどの機能もある。
 前述の通り、記録媒体はスーパーディスクだが、これには本ハードを動かすための30MB程度のシステム領域があり、実際のデータ記録に利用できるのは約90MB程度。ハードには8MB程度のRAMしかなく、起動時にはスーパーディスクからシステムを呼び出して利用する。そのため、システム側のバージョンアップによる機能の拡張性もあるという。もっともディスクはシステムをプリインストールした同社の専用品がメインとなるようだ。
 現在の高画素モデルをハードに使っている人なら、90MB程度の容量などすぐに使い果たしてしまう可能性もあるが、基本的にはPCを持っていないユーザー向けの製品なので、容量的にはギリギリ実用レベルという感じだ。
 PCカードスロットはPCMCIA Type2変換アダプタを介せば、CFカードでもスマートメディアも利用可能。しかし、スーパーディスクからカードへの書き出し機能はなく、対応するプリンタも同社のBJCシリーズのみ。価格も7万円前後と高価な点も気になる。PCレスでデジタルカメラを活用できるハードウエアとしては注目される。

【Digital Photo Station PA-200】

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【3月12日】「キヤノン、超小型81万画素と168万画素のデジタルカメラ」
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●富士フイルム:この秋の新製品が勢揃い!

 相変わらず元気な富士フイルムブース。今回も中央に大きなステージを構えた大がかりな出展となっている。
 同社のメインは、知名度が上がってきたデジタルプリントサービス「F-DIサービス」と、デジタルカメラの二本立て。だが、やはり来場者の関心はデジタルカメラの方に集中している。

 今回は、先だって発表されたゴールド&ブラックバージョンの「FinePix700」や「Clip-it80」を実際に手にすることができる。しかも、その場でモデルを撮影し、同じく新型のTA式プリンタ「TX-70」を使ってプリントをすることもできる。
 150万画素3倍ズームの「FinePix600Z」はアクリル越しでの出品となっているのが残念だった。また、HiFDを使ったデジタルフォトアルバムも同じくアクリル越しでの展示となっている。

ゴールドバージョンの
FinePix700
ブラックバージョンの
Clip-it80
150万画素対応プリンタ
TX-70
【FinePix600Z】
【デジタルフォトアルバム】

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【9月9日】「富士フイルム、同社初の85万画素デジタルカメラほか」
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【9月9日】「富士フイルム、3倍ズーム搭載メガピクセル機を参考出品」
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●オリンパス:C-1400XL、C-900 ZOOM、C-830の三大新製品を一堂に展示!

 オリンパスは、今年年末に勝負をかける「C-1400XL」、「C-900 ZOOM」、「C-830」の三大モデルをブースに並べて積極的にアピール。なかでも、年末の注目機種であり、一般向けイベントでは本邦初公開となる「C-900 ZOOM」は一見の価値あり! デザイン的にも従来機種から一皮むけたスタイリッシュなもので、操作感もなかなか良好。各機種のβ版によるサンプルプリントも同時に展示されており、購入を検討している人はぜひみておきたい。

 また、同ブースでは、640MB対応のMOディスクドライブと、スマートメディア、CFカードのリーダーを一体化した内蔵型ドライブ「MCO100F」を出品。なかなかおもしろいコンセプトの製品だが、価格が10万円と高価な点や、カードについては読み込みのみで書き込みができないという欠点もある。これはメモリカードからMOへの書き込み用途がメインのためだが、実際にPCカードをノートPCとのデータ交換用に使う人も多いことを考えると、この仕様は理解に苦しむ。

【C-1400XL】
【C-900 ZOOM】
【C-830】

スマートメディアスロット、CFスロット
MOドライブを備えるMCO100F

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【9月10日】「オリンパス、マニュアル機能を充実させたC-1400XLほか」
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●三洋電機:個性的な「DSC-SX1Z」「DSC-X100」を出品

 三洋電機は今回、新型ノートPCがメインという感じだが、デジタルカメラもそれに近いレベルでの、力の入った出品となっている。
 今回は、この9月に相次いで発表された85万画素の軽快モデル「DSC-X100」と、同社初のメガピクセルモデル「DSC-SX1Z」を出品。各機種のプリントサンプルも用意されている。とくに、「DSC-SX1Z」関連では、独特の画像補間アルゴリズムを採用し、プリント画質で200万画素相当を実現した「アグフア フォトジェニー」のプリントサンプルもあり、こちらも必見だ。

【DSC-X100】
【DSC-SX1Z】

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【9月9日】「サンヨー、最大60秒の動画が撮影できるデジタルカメラ」
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□WORLD PC EXPO98ホームページ
http://wpc98.nikkeibp.co.jp/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digicame/dindex.htm

('98年10月1日)

[Reported by 山田久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp