【ランキング】
注1:FDにJPEG形式で保存されるため、ソフトウェアが付属しない。
※今後、新製品の登場、既存機種のメリット&デメリットの新規発見、実販価格の変動などにより、随時ランキングが変わりますので、ご了承ください。 夏のボーナスシーズンとなり、久々のランキング更新となった。7月に入って、ボーナス商戦に向けた意欲的な新製品が続々登場し、ベスト10の半数以上が初登場という、まさに激動のランキングとなった。 5月のビジネスショー、6月のWindows World Expoと大型のイベントが立て続けに開催されたこともあって、かなり多数の新製品が発表された。いずれも、かなり意欲的で個性的なモデルばかりで、ますます選択肢が広がっている。しかも、すでに今現在でも市場では40機種を越えるモデルがひしめき合っているのだから、一体どの機種を選べばいいのか迷って当然。実際に魅力的な機種や超お買い得な機種などまで含めると、すでにベスト10でも収納しきれない状態になっており、激戦を越えて、大混乱状態になっている。 なお今回は、「リコー DC-3」「ニコン COOLPIX300」「三菱 DJ-1000」「京セラ DR-350」「ソニー MVC-FD7」「カシオ QV-200」「東芝 アレグレット」「オリンパス C-820L」「シャープ パワーザウルス」など、発売直後もしくは未発売の機種は、筆者が製品版を使用していないこともあって、ランキング対象となっていない。そのため、次回の更新ではこれらの機種の多くがベスト10入りすることが予想され、またまた超激動のランキングになりそうだ。 【ランク理由】 久々の更新だけに、ランキングはめまぐるしく変動している。とくに上位機種の大半が入れ替わっており、“三ヶ月ひと昔”といわれるデジタルカメラの激変ぶりが理解できるだろう。 Best 1は、6月下旬に発売されたばかりのニューモデル「富士写真フイルム DS-20」だ。なにしろ、かなり長期に渡って第一位を獲得してきた「DS-7」とその改良機である「DS-8」の後継機だけに、その完成度とバランスの良さには目を見張るものがある。改良点も数多く、画像の輪郭の甘さが解消され、色再現性も飛躍的に向上。画像記録時間も1/2に高速化され、電池の持ちも約2倍。さらにストロボや光学ファインダーを内蔵するなど、あらゆる面で基本性能の充実を図っている点が大きなポイントだ。個人的には、スイッチONで液晶が常時ONになるモードがないのが不満だが、それ以外は価格を含め、現時点でのベストセレクションといえるレベルに仕上がっている。また、やや混乱状態のスマートメディアも本機では3.3V、5Vのいずれも対応しており、同社から両対応のPCMCIA変換アダプターも発売されるので、取りあえずは安心だ。もっとも、これほど多くのメーカーが参入しているにも関わらず、ベスト1はまたまた富士フイルムの製品という点が、ちょっと悔しいが、これは実際に使用してみての偽らざる結果なのだから仕方ない。他社の健闘を大いに期待したい! Best 2は前回と同じく、「Cardshot」「Powershot350」「Q-mini」の三兄弟。今回のランキングにあたって、現在市場に出回っている最新モデルで実力を確認したところ、発売当初に比べ、明らかに画質が向上しており、液晶表示の品質もわずかではあるが改良されている点が確認できたことから、今回の第2位となった。これはいわゆるランニングチェンジだと思われるが、このあたりは通常では確かめようもないし、前バージョンの市場在庫があることも予想されるわけだが、初期モデルでも十分No.2に値する実力なので、安心して欲しい。 Best 3は、この夏注目の高画質モデルである「エプソン CP-500」をセレクトした。5月上旬にPC Watchでもベータ版レポートを掲載したが、今回製品版をチェックしたところ、画質・操作性ともにかなり向上しており、発売までの二ヶ月で長足の進化を遂げたことが確認できた。本機は81万画素CCD採用機であり、しかも高画素モデルに不可欠な大容量メモリーがラインナップされているコンパクトフラッシュ(CF)カードと、高品位で美しい表示品質の低温ポリシリコンTFT液晶を採用した、実に意欲的なモデル。しかも、パノラマやモノクロ、デジタルズーム、カメラからPM-700Cへのダイレクト印刷など、さまざまな付加機能を備えており、なかなか楽しくて使いやすいモデルに仕上がっている。しかも、MacintoshとWindows用接続キットや処理ソフトまで付属しているにも関わらず、89,800円と手頃な価格を実現している点が大きな魅力といえる。 Best 4は、あの人気モデル「Cybershot DSC-F1」のマイナーチェンジ版である「DSC-F2」。先代に比べ、記録時間が約1/3(約3秒→約1秒)になり、内部処理が全般的に高速化され、実に気持ちのいいモデルに仕上がっている。さらに、当初から指摘されていた電池の持ち時間も50%アップ(20分→30分)されており、液晶やCPUのスリープ機能など省エネ対策も施され、電池交換せずに内蔵メモリーを十分に使い切る枚数(Normalモードの58枚)を撮影できるようになった。また、画質面では中遠景の甘さはそのままだが、彩度が高まり、より見栄えのするものになっている点は好感が持てる。さらに、9コママルチ連写で撮影したカットを簡易的に動画再生できる機能も加わた点も評価できる(これがかなり楽しめる)。そして、価格も13,000円も安くなり、見て、触れて、撮って楽しめる、エンターテイメント系デジタルカメラとして、オススメできるモデルといえる。 Best 5は、マルチーズこと「三洋電機 DSC-V1」。詳細は前回に譲るが、内蔵メモリー専用機であること以外は、現時点でもこの軽快さと気持ちよさを越える魅力を備えたモデルはなく、実販価格も5万円台半ばと手頃なレベルになっている。肩肘張らずに気軽に使える機種という点では、かなり魅力的な選択肢だと思うが、そろそろ、少なくともVGAのメモリーカード式モデルか、できれば高画素のカード式モデルが欲しいというのが本音。OEM供給が一段落したら、ぜひとも上級モデルを発売して欲しい(ハイクォリティーでも“ハイ・チーズ”なんて愛称にはしないでね!)。 Best 6は89万画素原色系CCD採用のAF3倍ズームモデル「コダック DC120」。実販価格も8万円台と手頃になり、低価格なCFカードも出回りはじめ、さらにシェアウエアで使いやすい本機専用のユーティリティーソフトも登場するなど、周辺環境も整ってきており、なかなか魅力的な存在になっている。実際にこの価格帯で、これだけ明快で美しい写りをするモデルは皆無(ややノイズは多いけどね)であり、3倍ズーム付きで液晶モニター付きという点も便利。サイズと操作性が難点だが、高画素の実用機として割り切って使えば、かなり魅力的でお買い得なモデルといえる。 Best 7は「ミノルタ Dimage V」。発表以来1年。ようやく発売されたという感じだが、やはりこのサイズで2.7倍ズーム付きという点は大きな魅力。価格も5万円代後半と十分にリーズナブルなレベルだ。だが、ピントが固定式で望遠側での近距離撮影ができない点や、レンズの明るさが暗いために、自然光での屋内撮影が苦手な点などがやや気になる。また、現時点では、スマートメディアが5Vカード専用という仕様も、将来性を考えるとやや心細い。頼みのフラッシュパスも発売が遅れるなど、ちょっと厳しい状況ではある。だが、小型軽量で気軽に使える事実上唯一のズーム付きモデルとして、大いに魅力的な存在といえる。 Best 8はニューフェースである「ソニー MVC-FD5」。詳細は近々にレポートするが、記録媒体にフロッピーディスクを使うという、コロンブスの卵的な発想で、しかも撮影系はビデオのものを流用し、価格と電池に負担となる画期的な新技術は投入しない代わりに、徹底的な省エネ設計を図るという、割り切った姿勢が魅力的。サイズもかなり巨大だし、画質も最良のレベルではないが、これがなかなかに実用的。実際に使ってみると、フロッピーを採用したこともあって、パソコンへのデータ転送も楽々。ちょっと画像が欲しいだけなら、「ああ、これでいいんだあ~」という、妙に現実的で実用なところに納得してしまう(ちょっと悔しいけど)。価格も手頃なので、取りあえず気軽に撮って、気軽に入力したい!という人にオススメの、超実用機といえる(趣味で使うなら、10倍ズームの「MVC-FD7」まで待とう!)。 Best 9は、今や底値という感じの「リコー DC-2E」。すでに2万円代後半という、恐ろしいほどの価格になっているモデルだが、液晶付きで、オートフォーカス式でPCMCIAカードも使えるという多機能機。レンズ前1cmまでの接写もOKだし、暗さにもめっぽう強いためストロボなしでも安心。写りもなかなかよく、現行機種に比べるとノイズが多いものの、かなりシャープで解像力はクラストップレベル。画像フォーマットは特殊だがユーティリティー経由でJPEGなどに一括変換できるので安心だ。この価格なら、買って損はないし、一台あると便利なモデルといえそうだ。 Best 10は、「富士写真フイルム DS-10」。液晶ナシのシンプルなモデルだが、ストロボ内蔵で、画像記録もスマートメディアを採用しているため、なかなか便利。ピントもホワイトバランスも固定式と、本格的な撮影にはやや物足りないが、メモ用と割り切れば結構Good。また、至近距離でも絞りを絞って撮影すれば結構ちゃんと写るので、使いこなせば、結構使い勝手もいい。画質もDS-20の流れを汲むもので、DS-20ほどの美しさはないが、DS-8よりも良好。価格も2万円代後半と安価なので、“デジタル・写ルンです”だと思って購入するといいだろう。 次点としては、実販価格が3万円台半ばと、超お手ごろになった「松下寿 COOLSHOT II」をセレクトした。かなり以前に製品直前版の簡単なレポートをお届けしたが、最新機種では液晶のレスポンスがわずかながらも向上しており、やや撮りやすくなっている。画質や記録速度はギリギリ実用レベルという感じだが、メモ用と割り切れば十分かも。むしろ、このサイズでこれだけスタイリッシュなモデルが、この価格で入手できるなら、アクセサリー感覚で購入してもいいなあ~と思ってしまう。割り切って使うなら、かなりのオススメ機種といえそうだ。 今回も番外として、130万画素モデルの「富士写真フイルム DS-300」を選出した。詳細は前回や以前のレポートに譲るが、いまや実販価格はほぼ20万円と、本機の実力を考えれば相当にリーズナブル。もちろん、万人向きのモデルではないが、画質にこだわりを持つ人や本当のメガピクセルをいち早く体験したい!という人にオススメできるハイクォリティーモデルといえる。もっとも、本機はある程度、撮影後に自分の意図にあった画像処理をすることで、そのポテンシャルを最大限に生かせるタイプであり、撮影時にも写真の知識を要求される部分があるので、その点は予め納得したうえで購入したい。
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■参考記事
[Reported by 山田 久美夫]