鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第150回:1月15日~1月19日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


1月15日

■■松下、ライカレンズ搭載3CCD DVカメラ
  ~アクセサリキットに動画メールソフトを同梱~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010115/pana.htm

手ぶれ補正(picture/image stabilization)

 撮影時のブレを自動的に補正するビデオカメラの機能。
 松下が'90年に発売した肩のせ式のビデオカメラ「NV-M900」で初めて搭載され、現在は多くのビデオカメラが採用している機能。

 手ぶれの検出には、映像信号からカメラの動きベクトルを検出するタイプと、センサーを使ってカメラの動きを検出するタイプとがある。前者は、前のフレームとの相関からカメラの動いた方向と量を求める方式で、ソフトウェア処理だけで高い精度の検出を行なうことができる。リーズナブルで小型化にも適した方式だが、充分な光量が得られないとうまく機能しないという欠点がある。後者は、振動ジャイロセンサー(※1)などを使ってカメラ本体の動き(回転)を検出する方式である。物理的に検出するため安定しているが、動きベクトル検出に比べると小型化が難しい。また、センサーは比較的ゆったりとした揺れが検出しにくいため、製品によっては動きベクトル方式を併用しているものもある。

 補正には、大きく分けると電子式と光学式とがある。電子式は、実際の撮像エリアよりも大きな(高画素の)CCDを用意し、その一部分を撮像エリアに使用する。使用するエリアを、カメラの動きをキャンセルする方向に移動させれば、ぶれが除去できるという仕組みだ。撮像エリアの移動は、CCDの読み出しタイミングを制御したり、信号を一旦フレームメモリに記録し、メモリからの読み出しを制御することによって行なっている。

 光学式は、カメラの動きに応じて光学的に補正を加えるタイプで、電子式補正が利用できないスチルカメラの手ぶれ補正にも使われている。例えば、レンズからCCD(あるいはフィルム)までの撮像系全体の向きを、ぶれをキャンセルする方向に動かすようにすれば、揺れの無い安定した撮像を得ることが出来る。このような首振り用の機構のことをジンバル(gimbal)といい、これをジンバルメカ方式と呼んでいる。しかし、メカニズムが非常に大きくなってしまうため、通常は光軸を変化させることによって同等の効果を得ている。アクティブプリズム方式やバリアングルプリズム方式と呼ばれるタイプは、頂角を変えることのできるプリズムをレンズの先端に取り付け、動きに応じて頂角を制御。シフト方式は、レンズユニット内に設けた補正用のレンズを並行移動させて、結像点を変えている。

(※1)一定の方向に振動している物体が回転すると、振動方向と直交する方向に振動が発生する(コリオリのカ)という現象を利用し、角速度を検出するデバイス。カーナビゲータなどにも使われている。


1月16日

■■ローランドとヤマハがMIDI規格の互換性向上で協力
  ~GSとXGをオープン化し相互にサポート~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010116/midi.htm

GMレベル2(General MIDI Level 2[GM2])
ジーエムれべるツー、ジーエムツー

 AMEI(Association of Musical Electronics Industry~社団法人音楽電子事業協会)とMMA(MIDI Manufacturers Association)が策定した、電子楽器の音源仕様の規格。

 MIDI(Musical Instrument Digital Interface)は、電子楽器間で演奏情報をやりとりするためのインターフェイス規格である。この規格には、実際にそれを演奏する楽器の仕様に関する規定は無く、演奏の再現性を高めるための共通音源仕様は、MIDIの関連規格「General MIDI Level 1(GMまたはGM1)」として'91年にまとめられている。

 GMは、音色の配列や発音数などの最小限の基準を設けたものであり、より高い再現性を実現するために、ローランドはGSを、ヤマハはXGを提唱。音色やエフェクト、エディット機能などの独自の拡張を行なったこれら規格も広く普及している。'98年には、AMEIとMMAによるGMの拡張規格であるGM2がリリース。いずれもGMベースの拡張であり、拡張の方向性や実際にサポートされる機能には共通点も多い。しかし異なる部分もあり、GS系とXG系それぞれにGM2を加えた仕様の音源が登場。2001年には、ローランドとヤマハが相互協力に合意し、今後は、これら全フォーマットをサポートする製品のリリースも期待されている。

 なお、GM2における主な拡張は、以下の通り。

□AMEI(Association of Musical Electronics Industry~社団法人音楽電子事業協会)
http://www.amei.or.jp/
□MMA(MIDI Manufacturers Association)
http://www.midi.org/
【参考】
□MIDI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980224/key19.htm#MIDI
□GM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980224/key19.htm#GM
□GS
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/key29.htm#GS
□XG
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#XG


1月18日

■■富士通、印刷速度が向上したA3対応モノクロレーザープリンタ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010118/fujitsu.htm

IPP(Internet Printing Protocol)
アイピーピー

 Printer Working Group(PWG)が策定しInternet Engineering Task Force(IETF)の標準規格となった、インターネット経由のリモートプリントを行なうためのプロトコル。

 Webに使われているHTTP(HyperText Transfer Protocol)プロトコルを使って、サーバーとクライアントがコミュニケーションを行なうのが特徴。ユーザーはURLを指定してサーバーに接続。プリンタの照会や印刷ドキュメントの転送、印刷ジョブの管理などの機能を利用することが出来る。IPPのプロジェクトは、各社が開発を進めていたインターネット経由の印刷技術をまとめる形で'96年にスタート。'97年にはドラフト規格がリリースされ、翌'98年には対応製品(プリントサーバ)の出荷も開始。OS側は、Windows 2000でサーバーとクライアントが、Windows 98 SEでクライアントが標準でサポートされている。

□Printer Working Group
http://www.pwg.org/
【参考】
□プリントサーバー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990909/key90.htm#PS


1月19日

■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  2年サイクルで革新するIntelのプロセスロードマップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010119/kaigai01.htm

ムーアの法則(Moore's law)

 Gordon E. Mooreが唱えた、「1つのチップに集積できるトランジスタ数が18~24カ月で2倍になる」という予測。

 Mooreは、故Robert Noyceとともに'68年にIntelを創設。第2代CEO('75~'87)を経て、現在は同社の名誉会長を務めている。'65年、Fairchild Semiconductor時代のMooreがElectronics誌に寄せた「Camming more components onto integrated circuits」によれば、コストパフォーマンスの良い集積度は1年で2倍になると予想。当時50コンポーネントを越えた所にあったICが、5年後には1,000を越え、10年後には65,000に達するであろうと述べている。後にこれを2年に改訂した様で、概ね18~24カ月ごとに新しい技術で作られたチップが登場するという、技術革新の指標となっている。

□Gordon E. Moore(Intel Corp.)
http://www.intel.com/pressroom/kits/bios/moore.htm

[Text by 鈴木直美]


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