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愛・地球博プレスプレビュー
【ロボット&新エネルギープラント編】
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外観。こちらはグローバルループからの入り口側 | 「モリゾー・キッコロメッセ」方面への出口側 | 中では、懐かしの「はじめ人間ゴン」がお出迎え |
先日発表された恐竜ロボットは子供に人気。ちょっとした芝居仕立てで恐竜が出てくる演出になっており、中には泣き出す子供もいるそうだ。その後、技術解説も行なわれる。
ステージでは恐竜ロボットのほか、ALSOKの警備ロボットや三菱の接客ロボット「wakamaru」によるデモンストレーションが交代で行なわれる。
ココロ、アドバンスト・メディア、そして大阪大学などが開発した 接客ロボット「アクトロイド」はさらに人間らしくなり、ロボットステーションではステージ脇で立ち姿を披露している。
そのほか産総研コーナーでは、メンタルコミットロボット「パロ」や、視覚障害者向けガイドシステムほかの展示が行なわれている。
恐竜ロボット | メンタルコミットロボット「パロ」 |
アクトロイド。以前のモデルよりも外見の出来が良くなり、パッと見、やや表情の硬い人間に見える |
アイシン精機と富士通が開発した次世代インテリジェンス車いす「TAO Aicle(タオアイクル)」にも試乗できる。自動運転で障害物を避ける機能を持っている。
次世代インテリジェンス車いす「TAO Aicle」 | 実際に乗って、自動的に目的地で止まったり障害物を避けたりと、ちょっとしたデモを体験できる |
目的場所の設定や、ステイタス表示はPDAで行なわれる | 障害物を検知するセンサーが足下についている |
ロボットステーションでは各種実用ロボットも見ることができる。松下電工とアマノが共同開発した「SuiPPi(スイッピー)」や、富士重工業の「スバルロボハイターRS1」は閉場後に会場内を掃除するが、昼間はロボットステーションで見ることができる。富士重工業の、ごみ箱回収ロボット「スバルロボハイターT1」はフードコートのゴミ箱を回る予定だ。
ALSOKの「ALSOKガードロボ」、テムザックの「ムジロー」もブースにいる。
ロボットステーション内の実用ロボットブース全景 | ALSOKガードロボ |
三菱重工のwakamaru |
ムジロー。GPSやレンジセンサ、マイクロ波を使った人感センサなどを搭載。また普段は格納されているが、双腕がボディのなかにあり、不審物を回収する。デザインは「機動戦士V ガンダム」、「鋼の錬金術師」などアニメのメカデザイナー 石垣純哉氏 | ムジローの腕。7自由度ある |
富士重工業の「スバルロボハイターRS1」(右)と同「スバルロボハイターT1」(左)。GPSや三角測量で自分の位置を計測して動く | 松下電工「スイッピー」 |
また、NECが開発し、先頃レポートした「チャイルドケアロボットPaPeRo」も託児所のような場所でデモされている。
PaPeRoに触って遊ぶことができる | インフォメーションブースには、ハローキティロボットも |
●ロボットステーション以外の場所で活躍するロボット
NEDOパビリオンではALSOKの「ALSOKガードロボ」、テムザックの「リグリオ」のデモを見ることができる。またHRP-2のモックアップも静展示されている。
ALSOKのロボットはグローバルコモン(外国館)ゾーンでもときどきデモを実施しているので、ばったり見ることもあるかもしれない。各ゲートの近くでもアクトロイドの姿を見ることができる。
テムザックのリグリオ | 【動画】来場者に挨拶をするリグリオ |
ALSOKガードロボ。屋外でも使えるように防滴加工されており、来場者案内用のFeliCaカードのリーダーやタッチパネルのほか、全身にセンサーやカメラを装備している | ALSOKガードロボ背面。こちらにもカメラや人感センサーや、威嚇用ペイント弾等を装備。なお背面といっても便宜上であって、こちら側を前に回すこともできる |
NEDOパビリオン内にあるHRP-2モックアップ。なお6月のロボット週間では実際に動くHRP-2も見ることができる | 各ゲート近くにある案内所にいるアクトロイド |
「三菱未来館 もしも月がなかったら」には三菱重工業が開発している接客ロボット「wakamaru」が4体いる。うち2台はウェイティングホールで漫才のような掛け合いをして客を出迎える。
センターゾーン東側にある「中部千年共生村」では、「サイクロプス」、「ながら3」などを見ることができる。
三菱未来館の「wakamaru」 | 中部千年共生村の「サイクロプス」。人間の動きに合わせて体を動かす。デザイナー山中俊治氏の作品 |
中部千年共生村の「ながら3」。静展示。かつて2002年のロボカップにも出場した | 中部千年共生村の「WOODY-1」。森林作業支援ロボット。静展示。早稲田大学WABOT-HOUSE研究所と岐阜県との共同開発 |
●意外な穴場「モリゾー・キッコロメッセ」
また、意外な穴場が会場の北西端のゾーンにある「モリゾー・キッコロメッセ」だ。パビリオンの外ではマンモスと遊ぶ場所があったり、中も「熱電素子で遊ぼう」、「超音波遊園地」、「水のわくわく実験室」など科学工作的な展示が多く、現役の「科学少年」と「元科学少年」たちには意外と楽しい場所ではないだろうか。
モリゾー・キッコロメッセ | パビリオン内風景 |
「鋳物ザウルス」や巨大な昆虫のオブジェなども |
ここでもフラワーガールロボット「Posy」ほか、ロボットが一部展示されている。
フラワーガールロボット「Posy」。日本SGIとロボット・デザイナー松井龍哉氏との共同開発(2002年のリリース) | 愛知工業大学もブースを出展している。これはレスキューロボ開発を目指した「芋虫型ロボット」。残念ながら故障中 | ロボットとは銘打たれていなかったが、こんなものも。腕からは空気砲を連射、モノアイは右左に動く。子供には人気が出そうだ |
●NEDOではエネルギープラントそのほかの展示も
グローバル・コモン5のNEDOパビリオンでは、次世代の新エネルギープラントのツアーが実施される予定。内覧会でも行なわれた。ツアー所要時間は約50分。一度に約40名が参加できる。
NEDOパビリオン横の新エネルギープラント。左側が燃料電池、右側が太陽電池 | NEDOパビリオン外観 | 中には「MIRAI君」というオブジェ的ロボット? が立ってお出迎え |
プラントはNEDOパビリオンのすぐ横にある。生ごみから取り出した水素で作動する燃料電池や太陽発電システムなどが「マイクログリッド(小規模電力網)」を作って「長久手日本館」と「NEDOパビリオン」に電力を供給している。
マイクログリッドのエネルギー制御システムは、構内LANで結ばれた「IP-BAS(需要モニタリング装置)」からエネルギー需要を計算しながら随時、発電電力指示値を計算し、各ユニットの発電バランスを取る。
ツアーは2部構成で、まず映像によるガイダンスとプレゼンが行なわれ、そのあとに燃料電池システムや太陽光発電システム、メタン発酵システムなど5つのポイントを見学する。
新エネルギープラントの発電状況 | 映像ガイダンスはPAFC、MCFC、SOFC、PEFCなど各燃料電池の発電効率についてなど、かなり真面目なもの | 高温ガス化システムで作った水素、一酸化炭素を都市ガスと混合して改質器を通して発電する溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC) |
万博会場から収集した生ゴミを発酵させメタンガスを取り出すメタン発酵システム | 太陽電池。両面で発電する。日立製。他にもさまざまなタイプの太陽電池が併用されている |
NaS電池。余分な電力を蓄電しておき、電力需要が高まったときに取り出す。自動車のバッテリの3倍の蓄電能力があるという | 都市ガスで発電する固体酸化物形燃料電池(SOFC) |
なお、NEDOパビリオン内では「HRP-2プロメテ」開発物語のミニ映画が上映されている。
□愛・地球博のホームページ
http://www.expo2005.or.jp/jp/
□「愛・地球博」レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/link/expo.htm
□関連記事
【3月18日】愛・地球博が25日開幕。18日にプレスプレビューを開催(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050318/aichi.htm
【3月15日】日立、6km/hで動作する倒立2輪ロボット「EMIEW」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0315/hitachi.htm
【3月4日】二足歩行する恐竜型ロボット公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0304/nedo.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0223/hitachi.htm
【2月1日】NEDO、愛・地球博におけるロボットの安全基準を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0201/nedo.htm
【2004年12月3日】トヨタ、「愛・地球博」ロボットショーを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1203/toyota.htm
【2004年6月17日】NEDO、愛知万博に100体のロボットを投入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0617/nedo.htm
(2005年3月23日)
[Reported by 森山和道]