UEITA、ヒートシンクのCd値計測を義務付け
従来、ヒートシンクの広告には「冷えすぎ」、「強力」といった表現が使われていたものの、実際にはどの程度冷えるのかがユーザーにとってはまったく不明だった。 ヒートシンクによる冷却は、「ヒートシンクとCPU間の熱伝導率」、「ヒートシンクの熱伝導率」および、ヒートシンクと空気の接触による冷却効率の3つのパラメーターで決定される。 ヒートシンクをファンを使って空気で冷却するとした場合、それはニュートンの冷却の法則により、ヒートシンクからの熱の拡散量はその温度差に比例する。しかし、ヒートシンクに空気が接触すると、熱を受け取り、逆に空気の温度が上がってしまう。空気の温度が上がってしまうと今度は、それが熱の拡散量を減らしてしまうことになる。 しかし、一般にヒートシンクは、ファンにより強制的な対流が行われており、ヒートシンクに接触した空気はやがて外部に排気され、新たな空気がヒートシンクに接触することになる。 以上のことから、ヒートシンクを流れる単位時間内の空気量を調べることでヒートシンクの冷却能力を測定することが可能になるわけだ。 今回UEITAから発表されたのは、自動車などで使われている空気抵抗値(Cd値)を測定する方法。ヒートシンクには、さまざまなファンが取り付けられるため、その速度や空気の流量については規格化が難しい。そこで、ヒートシンクの空気に対する抵抗値を測定することにした。実際の冷却能力はこのCd値とファンの性能から計算式で求めることが可能だ。 今回は「ヒートシンクとCPU間の熱伝導率」については、シリコングリスの組成など化学的な問題もあり単純な比較は困難として測定方法を定めることはしていない。また、「ヒートシンク自体の熱伝導率」については、2003年までに測定方法を定める予定。 UEITAはメーカーに対して強制力を持たないが、担当者の話によると国内メーカー数社がこれを採用する予定。海外メーカーについても市場の動向により採用する可能性があるとしている。
□UEITAのホームページ (2002年4月1日)
[Reported by 塩田紳二] |
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