夏到来! USB扇風機13製品を試す

今回テストした13製品




 2005年に始まったクールビズによって職場の冷房が節約されるにつれ、個人向けのクーリングアイテムの需要も増すようになった。クールビズと並行し、残業を減らす対策も兼ねて、定時を過ぎるとオフィスの空調をカットしている職場も少なくないようだ。業務中に扇子やうちわが手放せないという人も多いだろう。

 そんな中、USBポートからの給電によって動作する小型の扇風機、いわゆるUSB扇風機については、PCのある職場ならほぼ確実に電源が確保できることから、自分専用のクーリングアイテムとして購入して職場に設置する人も増えているようだ。量販店でもこの時期、特設コーナーを設けて対応しているなど、PC周辺機器には数少ない季節商品として、積極的に拡販に取り組んでいる。

 今回は、いま通販で入手できるUSB扇風機13種類をピックアップし、各製品の特徴を写真および動画を用いて紹介する。記事の最後にはケース別のおすすめ製品も掲載したので、購入の一助となれば幸いだ。

 なお、本文および動画中に記載している参考騒音は、生活騒音のある環境で簡易テスタで測定した値であるため、あくまでも参考程度に見てほしい。また、記載している購入価格は一例であり、この価格で購入できることを保証するものではないことをご承知置き願いたい。

●USB給電専用タイプ(3製品)

 最初に紹介するのは、乾電池駆動を前提とせず、USB給電のみに対応したタイプだ。もともと乾電池駆動だったものを設計変更でUSBに対応させた製品と異なり、当初からUSB給電による駆動を前提にしているため、乾電池ボックスがないぶん台座部分がコンパクトであることが多い。


□オーソドックスな3枚羽の据置型扇風機

メーカー:エレコム
型番:FAN-U17WH
価格:1,260円
購入価格:610円

 3枚羽を持つ製品。羽根はウレタン製で手が当たっても安全。フレキシブルアームで上下左右の角度調節が可能。風量は台座のON/OFF兼用スイッチで無段階変更が可能。参考騒音はMAX時で約83dBだが、回転数によってかなり差があるので、音が気になる場合は低速回転で使うとよい。ファンの直径の割に風量はそこそこある。USBケーブルは直結式で1.5m。オーソドックスながら使い勝手に優れる印象。

オーソドックスな外観 風量は無段階で可変する
フレキシブルアームで上下左右の角度調節が可能 羽根はウレタン製なので手が当たっても安全

・製品情報
http://www2.elecom.co.jp/accessory/cooling-sheet/fan-u17/


□時計および温度計が付属した据置型扇風機

メーカー:バッファローコクヨサプライ
型番:BSOTS05WH
価格:1,320円
購入価格:1,114円

 エレコムFAN-U17WHとほぼ同じ外観だが、台座部分に時計および温度計が付属しており、そのぶん背が高い。回転数は台座のON/OFF兼用スイッチで無段階変更が可能。金属製のフレキシブルアームで上下左右の角度調節が可能。風量はそこそこあり、参考騒音は約86dB。前述のエレコム製品とは採用モーターが異なるようで、回転音が明らかに異なるほか、回転数を変えてもあまり音の大きさが変わらない。時計は別途内蔵電池(CR2032)で駆動するので、USBケーブルを抜いてもリセットされることはない。USBケーブルは直結式で1.1m。

エレコムFAN-U17WHと似たオーソドックスな外観 台座部分に時計および温度計が付属。内蔵電池(CR2032)で駆動する
金属製のフレキシブルアームで上下左右の角度調節が可能。エレコムFAN-U17WHに比べると可動範囲は狭い エレコムFAN-U17WH(左)との比較。細部に違いはあるが、基本的には台座部分のみ異なる製品だと思って差し支えない

・製品情報
http://buffalo-kokuyo.jp/products/accessory/cooler/fan/bsots05/


□コンパクトかつ静音設計の扇風機

メーカー:グリーンハウス
型番:GH-USB-FANSPシリーズ
価格:オープンプライス
購入価格:1,487円

 静音設計を謳う、4枚羽のコンパクトなUSB扇風機。風量は弱と強の2段階切り替えで、背面のスライドスイッチで切り替える。参考騒音は弱で約77dB、強で約79dBと突出して低い値ではないが、耳障りなノイズが少なく、風量がほぼ同等のエレコムFAN-U17WHやバッファローコクヨサプライBSOTS05WHと比べると静か。背の高いUSB扇風機は邪魔になるという人におすすめの一品だ。惜しむらくは脚部にマグネットがついておらず、スチール面などへの固定ができないこと。似た外観を持つ一般の扇風機によくある機能だけに残念。カラーは黒と白の2色をラインナップ。USBケーブルは直結式で1.0mと、他製品に比べるとやや短い。

今回試用したのはブラック(GH-USB-FANSPK) 背面から見たところ。背面中央にON/OFFと2段階の風量切替スイッチを備える
真上などにも向けられるのはメリット ガード部はプラスチックなので見た目よりも軽量。ガードは取り外して清掃も可能だ

・製品情報
http://www.green-house.co.jp/products/pc/usbvariety/fan/gh-usb-fansp/


●USB/乾電池駆動兼用タイプ(6製品)

 次に紹介するのは、USBのほか乾電池でも駆動する製品だ。本体内に電池ボックスがあることから、台座部分がやや大柄になりがちな傾向がある。用いられる電池の種類は単1〜4まで幅広い。また、自動首振りに対応した製品もある。


□たたんで持ち運べるハンディタイプの扇風機

メーカー:ロアス
型番:UA-036W
価格:オープンプライス
購入価格:799円

 卓上でも持ち運びでも使える全長13cmのハンディタイプ。単4電池×3本でも駆動する。3枚羽はウレタン素材で、直径は実測で約9cm。本体正面はミラーになっており身だしなみを整えるのにも役立つ。本体が軽いためか、摩擦力の弱いデスク上などに置くと運転中にUSBケーブルの反発力に負けて引きずられてしまうことがある。ゴム足も薄いためモーターの音が接地面に響きやすく、ファンのサイズおよび風量の割には音が大きく感じられる。参考騒音は風量弱で約73dB、強で約80dBだが、それ以上に接地面から響いてくる耳障りな音が気になる。風はかなり弱く、30cmも離れるとほとんど感じなくなるため、手に持って使うことを前提としたほうがよさそう。専用USBケーブルの長さは1.4mで取り外し式。

たたんで持ち運べるスタンドタイプ 正面はミラーになっている。スタンドの右側面にON/OFFと2段階の風量切替スイッチを備える 側面から見たところ。滑りやすいので滑り止めのマットなどの上に置いて使うのがよい
スタンドを最大限開いた状態。スタンドは6段階で可変する 単4電池×3本でも駆動する

・製品情報
http://www.loas.co.jp/LoasWebProduct/search06/U/search06_4967101200165.html


□7色の多色展開、コンパクトな据置型扇風機

メーカー:グリーンハウス
型番:GH-USB-FANMシリーズ
価格:オープンプライス
購入価格:1,339円

 据置型のコンパクトな扇風機。単3電池×2本でも駆動する。左右および上下方向は無段階で調節可能だが、上下方向の調節はモーター部の根元ではなくアームの付け根で行なうため、倒しすぎると転倒のおそれがある。ON/OFFのみで風量調節はできない。ファンの直径の小ささを回転数の高さでカバーしているためか、参考騒音は約78dBながら相当耳障り。専用のUSBケーブルは約1mで取り外しが可能。本体色は7色をラインナップしている。

今回試用したのはホワイト/グリーンのモデル(GH-USB-FANMWG)。プラスチック成形でややオモチャっぽい印象は否めない 首は左右方向にもスイングするが、台座ごと動かせばいいだけなのであまり意味はないように思われる 上下方向の角度調節が可能。根元から可動するとあって、かなり極端
上を向かせたところ。これが転倒しないギリギリの角度 単3電池×2本でも駆動する

・製品情報
http://www.green-house.co.jp/products/pc/usbvariety/fan/gh-usb-fanm/


□花をモチーフにしたビッグサイズの扇風機

メーカー:グリーンハウス
型番:GH-USB-FANFLB
価格:オープンプライス
購入価格:1,384円

 花を模した6枚羽根の製品。単3電池×4本でも駆動する。ファンの直径は160mm、全高も250mmと、メーカーサイトの写真から受ける印象に比べて本体サイズはかなり大柄で、オフィスの机の上に置くと存在感がありすぎるかもしれない。もっともファンの直径が大きいこともあって風量はかなりあるので、とにかく強い風を求める場合におすすめ。スイッチはON/OFFのみで風量調節はできないので、うるさいからといって弱風にできない点は要注意。参考騒音は約78dBだが、風切り音もあって実際はかなり騒々しく感じる。ファンはウレタン素材で触れても安心。専用のUSBケーブルは1.2mで取り外しも可能。

高さ250mmとビッグサイズ 側面から見たところ。フォルムは独特 上下方向に3段階の角度調節が可能だが、可動範囲はあまり広くない
スイッチはON/OFFのみで風量調節はできない 単3電池×4本でも駆動する

・製品情報
http://www.green-house.co.jp/products/pc/usbvariety/fan/gh-usb-fanfl/


□ビッグファン採用の据置型扇風機

メーカー:サンワサプライ
型番:USB-TOY43
価格:1,974円
購入価格:1,159円

 直径120mmの巨大なファンを持つUSB扇風機。単1電池×2本でも動作する。上下方向に2段階の角度調節が可能。風量はLOWとHIGHの2段階で、本体正面右下のスライドスイッチで切り替える。ファンが大きいだけあってかなりの風量だが、そのぶん音も大きく、参考騒音はLOWで約90dB、HIGHで約94dBと、今回試用した製品の中でもっとも音は大きい。専用のUSBケーブルは2mと長く、机の下のPCとの接続も容易。筐体はプラスチック丸出しでややオモチャ的な印象。製品パッケージには「連続で8時間以上使用しないでください」とある。

3枚の羽根はウレタン製で、周囲にガードが付いた構造 フラットなようでいて奥行きはそこそこある 角度は実質2段階切替。完全に寝かせることもできる
本体正面右下のスライドスイッチで風量の2段階切替が可能 専用USBケーブルのほか、単1電池×2本でも動作する

・製品情報
http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=USB-TOY43&cate=1


□自動首振りに対応したレトロ調のUSB扇風機

メーカー:グリーンハウス
型番:GH-USB-FANCシリーズ
価格:オープンプライス
購入価格:1,935円

 4枚羽を採用したレトロ調デザインのUSB扇風機。単3電池×4本でも動作する。最大の特徴は自動首振りに対応すること。背面のつまみを上下させることによって首振り/固定を選べる。風量は弱と強の2段階で、本体正面下部のスライドスイッチで操作する。風量はそこそこあるぶん音も大きく、弱で約80dB、強で約87dBとかなりのもの。また今回使用した個体では、首振り時に耳障りな高い音を発生することが稀にあった。USBケーブルは取り外し式で1.2m。6色のカラーをラインナップする。首振りの角度は実測値で70度ほど。

今回試用したのはシルバー(GH-USB-FANCS) クランク部のアップ。これを用いて自動首振りを実現している 上下方向の角度調節も可能だが、可動範囲はあまり広くない
上を見上げたところ。後述のサンワサプライUSB-TOY56シリーズに比べると可動範囲は狭い 単3電池×4本でも動作する

・製品情報
http://www.green-house.co.jp/products/pc/usbvariety/fan/gh-usb-fan/


□一般的な扇風機に極めて近い形状の、自動首振り対応のUSB扇風機

メーカー:サンワサプライ
型番:USB-TOY56シリーズ
価格:2,919円
購入価格:2,008円

 3枚羽を採用した自動首振り対応のUSB扇風機。単4電池×4本でも動作する。本体後部のつまみをひねることで首振り/固定が選択できる。上下方向の可動範囲はグリーンハウスGH-USB-FANCシリーズに比べるとかなり広めだが、首振りの角度は実測値で45度ほどとやや狭い。風量は弱と強の2段階切り替え。参考騒音は弱で約77dB、強で約83dBとそれほど大きくないが、今回試用した製品はファン回転時にワイヤーのガードと共鳴して耳障りな高周波音を発していたのが気になった。なお、左→右に首を振る速度と右→左に首を振る速度に差があるが、メーカーサイトによるとこれは仕様とのこと。3色のカラーをラインナップする。

今回試用したのはホワイト(USB-TOY56W)。一般的な扇風機に極めて近い外観を持つ 上下方向の角度調節は自由度が高い 上を見上げたところ。本製品と同じ自動首振り式のグリーンハウスGH-USB-FANCシリーズに比べると可動範囲は広い
左右の可動範囲はあまり広くない。ワイヤーのガードは取り外してファンを洗うこともできる 単4電池×4本でも動作する

・製品情報
http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=USB-TOY56W&cate=1


●クーリングファン派生タイプ(4製品)

 昨年頃から新たに登場してきたのが、PCケース用の冷却ファンをそのまま単体で扇風機として使えるようにした製品だ。周辺機器を冷やすための外付ファンから出発したものが、扇風機ライクな形状を持つに至って、USB扇風機として販売されるようになった、と考えるとわかりやすい。そもそもの冷却ファンが長時間の連続運転を前提に作られているため、耐久性に加えて静音性も高い。一部の製品は、ネットの自作PC関連の掲示板で、冷却用のアイテムとしても人気だ。


□男らしさ全開、120mmの冷却ファンをそのままUSB化した扇風機

メーカー:タイムリー
型番:BIGFAN120U for Men
価格:不明(※メーカーサイトに表記なし)
購入価格:1,380円

 PCケース用の120mm冷却ファンの電源をUSBに取り替えたユニークな製品。2009年に登場した時は取扱店も限られていたが、2010年になって取扱店が増えてぐんと入手しやすくなった。冷却ファンの正面と背面にファンガードを付けただけということもあり、角度調節およびON/OFFスイッチなどは備えず、USBポートに差し込むとすぐに運転がスタートする。開口部が広いため、参考騒音は約86dBとサーバールームを思わせる騒々しさだが、風量はかなりのもの。直結タイプのUSBケーブルは実測50cm強とあまり長くないため、環境によっては延長ケーブルを別途用意する必要がある。

PCケース用の120mm冷却ファンをそのままUSB電源化。ひとまわり小さい80mm冷却ファンを用いた姉妹製品もある 冷却ファンそのまんまの外観。風量はかなりあるが、そのぶん騒々しい 側面。正面と背面の見分けがつきにくく、使おうとして間違えることもしばしば

・製品情報
http://www.groovy.ne.jp/products/accessory/goods_fan.html#003


□人よりも機器の冷却に向いた静音タイプのマルチクーラー

メーカー:サイズ
型番:USB EZFAN
価格:オープンプライス
購入価格:1,298円

 80mmファンを内蔵したスタンドタイプの扇風機。メーカーでは「マルチクーラー」と銘打っており、人以外にPCや周辺機器の冷却にも向くとしている。USBケーブルは巻き取りタイプが本体に直結しており、未使用時には本体内に収納できる。ケーブルは実測50cm強とあまり長くないため、環境によっては延長ケーブルを別途用意する必要がある。ON/OFFスイッチはなく、USBケーブルを差し込むとすぐに運転が始まる。風量は無段階の調節が可能。風量はそれほど強いわけではないが、参考騒音は最大で約77dBと、静音性を求める人向け。ただし風切り音よりもモーター音が聞こえやすく、人によっては耳障りに感じるかもしれない。

筐体はスタンドタイプ。80mmファンを内蔵する 側面。上下方向の角度調節が可能 角度は無段階で可変するが、ベースの安定性はあまりないためこれ以上傾けると倒れてしまう
本体正面右のスライドレバーを用いることで無段階の風量調節が可能。ただしON/OFFスイッチはない USBケーブルは巻取式で本体に収納可能

・製品情報
http://www.scythe.co.jp/cooler/ez-fan.html


□120mmファン採用、マグネット付でスチール面に取り付けられる角形扇風機

メーカー:シグマA・P・O
型番:UMF02シリーズ
価格:オープンプライス
購入価格:1,546円

 120mmファンを内蔵した、スタンドタイプの扇風機。2009年に発売され自作PCユーザの間で話題になった「UMF01」の上位機種で、自作PCを扱う掲示板では冷却ファンを市販品に交換する話題も出るほど。上下方向の角度調節が可能で、完全に上を向かせることも可能。またスタンド部底面にマグネットを装備しており、スチール面に取り付けられるので、スチール机やロッカーに取り付けるなど設置方法は自在。ファンが大きいだけあって風量はかなり強力で、かつ参考騒音は弱で約76dB、強で約83dBと静か。ホワイトのほかブラックもラインナップする。本体正面のLEDが夜間ややまぶしいのが難点。

今回試用したのはホワイト(UMF02WH)。80mmファンを採用したUMF01シリーズもある PCケース用の冷却ファンをそのまま採用。風量は「BIGFAN120U for Men」とほぼ同等だが、音はこちらが圧倒的に静か 完全に上を向かせることも可能
この手の製品には珍しくUSBケーブルはminiBタイプで、取り外しが可能なほか手持ちのケーブルとの交換も可能 スチール面への取り付けが可能なので設置範囲は広い

・製品情報
http://www.sigma-apo.co.jp/front/products/detail/UMF02


□USB扇風機としても使えるユニークなノートPC用冷却スタンド

メーカー:シグマA・P・O
型番:UMF04シリーズ
価格:オープンプライス
購入価格:3,482円

 今回紹介する製品の中でもっとも異色なアイテムがこれ。ノートPCの底面を冷却するためのクーラーに折りたたみ式のスタンドをつけ、扇風機としても利用できるようにしてしまった1台2役の製品。メーカーでは「USBマルチノートクーラー」と銘打っている。3つのファンを内蔵した横長の筐体は、キーボードとディスプレイの間などのスペースに有効設置できるなど、省スペース性という点では意外なメリットも。参考騒音も約51dBと静か。もっとも風量は弱く、ファンから5cm離れると風が出ていることが分からないほどなので、強い風で体を冷やしたいという用途には向かない。ブラックとホワイトの2色展開。USBケーブルはminiBタイプの汎用品で、長さは1m。

今回試用したのはブラック(UMF04BK)。ファンを1基に減らしたモデルもラインナップする 側面にON/OFFスイッチと、無段階調節のロータリースイッチを備える ノートPC用の放熱クーラーとしての用途が主
小型のファンが3基並ぶ。ノートPCの底面に当てるのには役立つが、距離が離れると途端に風量が落ちる スタンドを用いることで立てて扇風機として利用できる。5段階の角度調節が可能

・製品情報
http://www.sigma-apo.co.jp/front/products/detail/UMF04


●総評

 今回レビュー向けに製品をリストアップしていて顕著だったのが、一昔前に主流の一角を担っていた、USBポート直結のフレキシブルタイプの影が非常に薄くなっていることだ。ラインナップとしては存在しているのだが、どのメーカーも数年前から型番は変わっておらず、店頭での扱いも小さい。あくまで入門用という位置づけに落ち着いている感がある。

 それに伴って増加しつつあるのが据置タイプだ。全体的に高機能化が進み、とうとう自動首振りに対応した本格的な製品まで登場している。品質面ではまだまだピンキリで、使ってみると思わぬ欠点が露呈する場合もあるが、かつてのUSB扇風機=オモチャというイメージからはかなり脱却しつつあるといってよい。カラーバリエーションも含めて店頭の棚の多くを占めるのがこのタイプで、今後もしばらくは主流であり続けると思われる。

 一方、耳障りな騒音および耐久性を解決する1つの策として、PC用の冷却ファンをそのまま転用した製品も増えつつある。見た目こそ扇風機らしくないが、そもそも長時間の連続運転を前提としている冷却ファンをベースに作られているため風切り音の不安定さも少なく、今回実際に試用してみてその実力はあなどれないと感じた。今後さまざまな派生製品が登場することを期待したい。

 最後に、今回紹介した製品の中から、具体的なケース別におすすめ製品を紹介して締めとしたい。

【ケース1:オフィスで静かに使いたい】

 エレコム「FAN-U17WH」か、バッファローコクヨサプライ「BSOTS05WH」をおすすめする。いずれも無段階変速で風量のコントロールが可能なので、周囲に配慮しながら使うにはぴったりだ。実売価格を考慮すると前者がよいだろう。また静けさを優先するのであればグリーンハウス「GH-USB-FANSPシリーズ」もお勧め。背が低いのでディスプレイの手前に置いても邪魔になりにくいのもよい。サイズ的に多少かさばるが、マグネットによる設置の自由度の高さも考慮し、シグマA・P・O「UMF02シリーズ」という選択肢も悪くない。

【ケース2:多少の騒音は構わないので、とにかく強力な風を浴びたい】

 サンワサプライ「USB-TOY43」か、グリーンハウス「GH-USB-FANFLB」ということになるだろう。ただしこの両機種は使っていて周囲が振り返るほど運転音が大きいのと、後者に至っては風量調整ができないため、騒々しくても風量を落として静かにすることができない。そうした意味では、風量は多少落ちるがそこそこの静音性もあるシグマA・P・O「UMF02シリーズ」も候補に入れたい。

【ケース3:複数のメンバーで同時に使いたい】

 自動首振りに対応したタイプということでいくと二者択一になるが、僅差でグリーンハウス「GH-USB-FANC」シリーズに軍配を上げたい。ただし一般的な扇風機に比較すると遠くまで風が届きにくいため、近距離からせいぜい2人で共有するのが限界だろう。価格も2,000円前後と他機種に比べて高価なので、同じ予算を使って首振りでないタイプを2台買うことも視野に入れたい。長時間連続して風を浴びない対策として自動首振りを求めるのであればありだろう。

【ケース4:人間ではなくPCや周辺機器を冷やしたい】

 風量や静音性、設置の自由度の高さから、シグマA・P・O「UMF02シリーズ」をおすすめする。価格を優先してサイズ「USB EZFAN」という選択肢もあるが、ケーブルが短いのとON/OFFスイッチがないことから、ON/OFFスイッチがついたUSBハブを別途用意した場合、価格的にシグマUMF02シリーズとそう変わらなくなってしまう。ただし無段階の風量調節ができるのと、ケーブルを収納できるのは魅力なので、取り回しも含めて考えるのであればこちらもおすすめする。

(2010年 7月 2日)

[Reported by 山口 真弘]