特集

スマホとPCの中間サイズ。8型タブレット7機種を一斉レビュー

~カジュアル/仕事/電子書籍/AV視聴目線で個別評価

【カジュアル用途目線】山田 祥平の評価

※ここでは、山田 祥平氏による7製品の評価を掲載している。各製品のスペックやほかのライターの評価をご覧になりたい方は、ページ最下部にあるリンク付きの目次を参照いただきたい。

 iPadをのぞけばすべてAndroidまたはそれに準ずるFire OS端末ということでどれをとっても同じように感じてしまう。

 必然的に消去法での順位付けとなってしまった。いわゆる老眼を自認する世代にとって、スマートフォンの文字の小ささに悩まされているユーザーは多いと思う。そういう意味では画面のスケーリングができない機種は避けるべきだ。

 ただ1位に選んだZenPadは、もともとのデンシティが比較的大きく設定されているため、それなりに大きなスケーリングで表示されるのが救いだったと言える。

第1位「ASUS ZenPad 3 8.0(Z581KL)」

 タブレットをタブレットらしくとにかくオーソドックスに作ったらこうなったという印象。あらゆる点でバランスがとれている。それでいてスペックも悪くない。メモリ容量も大きく、使っていてストレスを感じにくい。USB Type-C採用というのもうれしい。細部にわたってうまく作り込まれているのに感心する。

 処理性能も、今回の評価機種のなかでもっとも高く感じるが、グラフィックス処理速度の点でちょっと不満を感じることもある。また、画面のスケーリングができない点も多少気になった。

 iPad miniがPro世代になっていたら逆転していたかもしれないが、現時点ではこの製品が勝っている。だが、iPhoneユーザーなら間違いなくiPadを選んだほうがいいだろう。きっと余計なことで悩まなくてすむ。

 タブレットに求められるものをすべて揃えたという印象であり、オーディオ的な要素も申し分ない。ただ、LTEのSIMスロットがMicro SIMというのは残念。せっかく通話もできるのだからNano SIMにしてスマートフォンのものと差し替えて使うような用途も考えてほしかった。

第2位「Apple iPad mini 4」

 とにかく安心して、難しいことを考えることなく使えるという点ではダントツだと思う。iPhoneを使っているなら、新たに何を覚える必要もなく自然に使うことができるはず。本当ならLINEも自宅ではiPad、外出先ではiPhoneといきたいところで、Androidではダメなのに、iPadは特別扱いでそれができるのを期待するユーザーも多そうだ。

 ただ、すでに2年も前の製品であることからコストパフォーマンス的なお得感がなくなってしまっている。iPad Proの投入で主力が画面サイズ9.7型超となった今、このサイズ、この処理能力のiPadでは不満を感じることも多くなるだろう。

第3位「Huawei MediaPad M3 Lite」

 MediaPad T3よりも上位機種という位置づけだが、解像度を欲張ったために損をしている。また、縦位置で使うことが多くなるこのサイズのタブレットで16:9のアスペクト比は使いにくいと思うことがある。スマートフォンは片手で持ちやすいということから細長さを追いかけているが、タブレットは違うということを訴求してほしかった。

 とはいえ、勢いが止まらないHuawei製品ということで、比較的安定した作りになっている。割り切るところは割り切り、譲れないところは譲らない頑固さが感じられる製品。


※以下、4位以降の製品を点数順で掲載。同点の場合は製品リスト順で並べている。

Huawei MediaPad T3

 処理性能はそれほど高くないのだが、解像度を落とすことで見かけの処理性能を上げているので遅いという印象はそれほどない。利用用途にもよるが解像度が低くてもあまり困らないと判断できるならこの割り切りを評価すべきだ。

 16:10というアスペクト比も悪くない。価格の点でもリーズナブル。LTE対応機をしっかりと用意している点もいい。

NEC PC LAVIE Tab E TE508/HAW

 画面のスケーリングができないのは高齢者にとって死活問題。スマートフォンではつらいからタブレットを使いたいと思うユーザーは決して少なくない。

 LTE内蔵機が用意されていない点も気になる。家のなかでしか使わないというならともかく、旅行や外出などでちょっとでも役立てたいと思うならLTEはあったほうがいい。

BLUEDOT BNT-791W

 全体的にいくらなんでも安っぽすぎるという印象。手にしたときの所有感がほとんど感じられない。ディスプレイ解像度、搭載メモリなども最低限となっている。OSがAndroid 6.0と古いままなのも気になるところ。

 価格がダントツに安いという点は評価できるが、もう少しがんばればFire HDに手が届くなど、あえてこの製品を選ぶ理由が見当たらない。

Amazon Fire HD 8(第7世代)

 プライム会員の割引きなどを利用すれば圧倒的な価格の安さでありながら、それなりのスペックを満たしているのは評価できる。

 だが、今回評価した製品のなかでは遅い部類に入る。初心者には向いていないと判断した。また、LTE内蔵モデルがないので外出時の利用には不便。