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米バンドのOK Go、新譜をDNAで発売
(2014/11/26 06:00)
The New Yorker誌は24日(米国時間)、米国のバンドOK Goが新譜「Hungry Ghosts」を「DNA」で発売する予定だと報じた。
このDNAとは、生物の遺伝情報を記録するあのデオキシリボ核酸のことだ。OK Goは、野心的なPVの作成で定評があり、先日公開された「I Won't Let You Down」では、OK Goのメンバーと2,000人以上の女子高生が、一糸乱れぬマスゲームのようなダンスを披露し、それをドローンによるワンカットの空撮で収録するという、前代未聞のパフォーマンスを見せつけた。そのOK Goが、数週間前にリリースした4枚目のアルバムとなるHungry Ghostsは、すでにレコード、CD、MP3などで発売されているが、年末までにDNAで発売するのだという。
DNAがアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の塩基で構成されていることは生物や化学の授業で習ったと思うが、生物の遺伝情報は、この塩基の配列という形で記録されている。遺伝子工学により、DNAは人為的に任意の配列に組み替えることができるようになったが、この塩基の配列をデジタルのビットに見立てれば、デジタル音楽ファイルの記録にDNAを使うこともできるというわけだ。
ただし、DNAの販売にはさまざまな法規制があり、どのような形態で発売するかはまだ決まっていない。また、DNAで音楽を購入したとしても、一般のユーザーがそれをデコードして再生することは不可能。つまり、このDNAアルバムは、アルバムを購入する上でもっとも効率の良い方法などというものではなく、一種のアート的パフォーマンスでもあり、科学的プロジェクトでもあるとOK Goは語っている。
日本で実際に発売されるかは分からないが、発売された暁には、こういった取り組みに賛同できるユーザーは、一種の寄付のような形で、このDNAアルバムを購入してみてはいかがだろう?