やじうまPC Watch

衝突しても安定飛行できるドローンをEPFLが開発

10月30日 公開

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)Intelligence Systems研究所のAdrien Briod氏と、Przemyslaw Mariusz Kornatowski氏らは30日、「Gimball」と名付けられた、衝突しても安定飛行を保てるドローンをYouTubeで公開した。

 このドローンはプロペラと制御基板などから成る本体の周辺に、分子模型のように球状にワイヤーを張り巡らせた形になっており、ジャイロスコープのように、本体部分の向きを一定に保ったまま、周囲のワイヤーだけを360度回転させることができる。

 これにより、ドローンが障害物に衝突しても、まずカーボンファイバーでできたワイヤーがショックを吸収するとともに、プロペラなどを障害物から守り、ドローンに向きを変える力が加わっても、ワイヤーの外殻部分だけが回転し、本体は安定した状態を保てるというわけだ。実際、地磁気センサーだけを付けた試作機を森の中に放ったところ、衝突しては方向転換を繰り返しながらも自律的に数百m進むことができたという。これは昆虫の特性に倣ったものだ。

 このドローンは災害救助など、人間が入り込みにくい場所の探索などを用途としているが、障害物を避けるセンサーなどが不要なため、安価に作れるのが特徴。

(若杉 紀彦)