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CERN、LHCでの300TB分の粒子衝突実験データを公開

 欧州原子核研究機構(CERN)は22日(現地時間)、世界最大の粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)における粒子衝突実験に関する300TB分ものデータをパブリックドメインとして公開すると発表した。

 LHCでは、陽子などの粒子を光速に近い速度で互いに衝突させることで、原子核内部構造の解明や、未知の素粒子の発見などを行なっている。素粒子に質量を与えるとされ、先日、その理論提唱者であるヒッグス博士らにノーベル賞をもたらした、ヒッグス粒子の発見もLHCでなされている。

 CERNでは、2014年末にも、2010年に行なった実験を基にした27TB分のデータを公開しているが、今回のデータの300TBのうち100TBは、2011年に行なわれた7TeV(テラ電子ボルト)での陽子衝突実験の全データの半分に相当する。

 データに合わせて、解析ツールや、本データセットに最適化したコードサンプルなども提供。CERNでは、このデータを活用することで、素粒子物理学の標準模型に関する第三者によるさらなる発見や、学生に対する教育や啓蒙用途にも繋げて欲しいとしている。

(若杉 紀彦)