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スタンフォード大、レーザーで脳内を見る方法を開発

 米スタンフォード大学は6日(現地時間)、レーザーとカーボンナノチューブを利用して、生きた生物の脳内の血流を可視化する方法を開発したと発表した。

 現在、脳内を検査する方法は、外科手術を行なうものと、CTやMRIなど非侵襲的なものの2種類に大別される。前者の場合、脳を直接観察できるが、手術によって脳の活動に影響を及ぼしたり、免疫反応などを生じる場合がある。一方後者は、手術などは不要だが、個々の血管や神経細胞のグループなどを可視化することはできない。

 そこでスタンフォード大の研究者グループが開発したのが、Near Infrared-IIa(NIR-IIa)と呼ばれる手法で、可溶性のカーボンナノチューブを血管に注入した上で、近赤外線レーザーを頭に照射する。このカーボンナノチューブは、波長1,300〜1,400nmで蛍光するよう設計されており、この波長は、光をほとんど拡散させることなく頭の内部に通すことができ、血管内のカーボンナノチューブに届いて、内部から血管を発光させることができる。

 この手法を用い同グループは、マウスの頭皮の3mm内部における毛細血管の1本1本までを観察することに成功した。現在はマウスでの実験段階だが、今後、レーザーの透過深度を増し、カーボンナノチューブのしかるべき認可を取得し、ヒトへの臨床を進める。アルツハイマーやパーキンソン病は、脳の特定部分の血流の変化によって引き起こされるとの研究もあり、今回の手法がこれらの治療につながる可能性もあるという。また、脳内の神経細胞活動の調査にも適用できる可能性がある。

(若杉 紀彦)