やじうまPC Watch

緊急性を検知し、適切な対応の指示まで行なう検索エンジン技術

〜Microsoft Researchが開発

心臓マッサージを指示する画面のプロトタイプ

 Microsoftの検索エンジンBingは、ユーザーの検索意図を理解するということを目的に開発されている。例えば、観光地の名前で検索すると、ユーザーが旅行に行きたいのだと判断し、その都市に関する情報や飛行機などの情報を表示し、食事に関する検索を行なうと、食事に行きたいのだと判断し、お勧めのレストラン情報などを表示するといった具合だ。

 同社研究機関であるMicrosoft Research(MSR)では現在、その検索意図に「緊急性」という概念を加え、さらにはその状況に対する適切な対応を指示する技術を研究・開発している。

 例えば、目の前で人が倒れた場合、現在の検索エンジンでその状況に応じた検索を行なうと、Wikipediaや病院の情報を表示するだろう。しかしそれらの情報は、概して時間のある時に予防対策的に読んでおくものとなっていて、現在起きている状況には適切な対応を促さない。

 そこでMSRのNina Mishra氏らは、例えばスマートフォンで「心肺蘇生」が検索された場合、検索エンジンは緊急性がある検索だと判断する。そしてまずユーザーに、緊急通報を行ない、救急車を呼ぶよう指示する。救急車が到着するまでの間、電話のGPSから位置情報を取得し、最寄りのAED(自動体外式除細動器)の位置を示し、それを周りにいる人取りに行ってもらうよう指示する。続いて、そのスマートフォンを倒れた人の胸の上に直接置き、電話の上から手で押して心臓マッサージするよう指示が出る。その際、電話の加速度センサーを使って、押し具合や速度が適切かどうかがリアルタイムで表示。救急車が来たら、状況を引き渡すという具合だ。

 緊急性の判断に当たっては、検索語の意味だけではなく、それまでの検索履歴や、センサー情報などから得られた分析結果が用いられる。Windows Phone 8.1では、検索エンジンベースのパーソナルアシスタント「Cortana」が搭載されたが、検索エンジンが状況に応じてユーザーへの適切な助言を行なう人工知能アシスタントになる日はそう遠くなさそうだ。

 この研究結果については、7月にオーストラリアで開催される第37回Special Interest Group on Information Retrievalにて詳細が発表される。

(若杉 紀彦)