やじうまPC Watch
Windows/Android両搭載ポータブルゲーム機「PGS」の開発のいざこざ
2017年8月30日 15:23
Windows 10とAndroidをデュアルブートとし、両方のプラットフォームに対応したゲームをポータブルでプレイ可能にするゲーム機「PGS」。2016年7月にKickstarterで発足したプロジェクトで、目標の10万ドルに対して30万ドル以上の出資が募ったが、すぐにキャンセルとなった。
PGSはいわゆる“スライダー”式のデバイスだが、下部はキーボードの代わりにサブ液晶とゲームをプレイするためのゲームパッドを搭載する点が特徴。x86プロセッサとARMプロセッサの両方を搭載するとともに、WindowsとAndroidの両方を切り替えて使え、Windowsに対応したゲームも、Androidに対応したゲームもプレイできることを特徴とする。
似たコンセプトの製品として、深センのGPD Technologyが製造/販売している「GPD WIN」があるが、GPD WINはクラムシェルであり、Windowsしか動作せず、ハードウェアキーボードを備える点などが大きく異る。PGSはよりゲームに特化したハードウェアであると言えるだろう。
さてそんなPGSだが、同社のホームページで、Kickstarterのプロジェクトキャンセルに至るまでの“いざこざ”が書かれている。
これによると、PGSは当初「XpPhone」と呼ばれるWindows搭載小型デバイスを手がける企業に開発を依頼していたが、XpPhoneは数カ月にわたって虚偽の報告をし、PGS開発に取り組んでいるようにみせかけ、自分たちの製品開発に資金を使っていたという。PGSはXpPhoneを今後訴えるつもりでいるという。
その事実に気付いたPGSは次なる開発パートナーを探したが、日本ではIntelプロセッサの開発経験のある技術者と契約できず、台湾でも「我々には複雑すぎる」と断られ、中国・深センでは「完成したデバイスを持ってきてくれれば、それをコピーする」と言われたそうだ。しかし苦労した甲斐があって、6月にようやく中国の大手メーカーおよびHengxiang Century Technologyと開発契約を結べたという。
6月以降の進捗については事細かに報告されているが、筐体の改善や部品の選定、初期設計の図版、Intelのロシアオフィスとの共同作業による問題解決、およびMediaTek製CPUの採用および開発にまつわる問題の解決などが記述されている。
新たに開発されるPGSは、2017年末にメディア用サンプルが完成し、2018年第1四半期の完成を目指しているという。