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ロッキード・マーティン、NASAと共同で低騒音超音速機の風洞試験を行なう
2017年2月27日 17:47
米ロッキード・マーティンは24日(米国時間)、NASAが保有する超音速に対応した風洞を用い、開発中の低騒音な超音速機「QueSST(Quiet Supersonic Technology) X-Plane」の風洞試験を発表した。試験は今後8週間かけて行なわれる。同社は機体に特殊な設計を施すことで超音速航行時に出る騒音の大幅な軽減を計画している。
予定機体サイズの9%のモックを用い、マッハ0.3〜1.6まで再現できる風洞で試験が行なわれ、さまざまな速度や状態における空力の解析や、推進システムへの影響などを検証する。NASAはそう遠くない将来での地上を超音速航行できる旅客機の実現を期待している。
かつて航行していたコンコルドのような超音速旅客機を望む声は以前からあるものの、超音速航行による衝撃波であるソニックブームの発生が問題となっていた。ソニックブームは機体先端で急激に空気が圧縮されたあと、機体後尾で急激に圧力が戻ることにより発生した衝撃波が地上に到達するまでに統合され、地上で2回の大きな爆音として観測されるものだ。これはグラフ上でN型となるため、N-waveとも呼ばれる。
ロッキード・マーティンが開発中のX-Planeは特殊な設計により、この圧縮と膨張により生じる2種類の衝撃波を分離し、結果的に極めて静粛になるとしている。風洞試験は2017年中頃まで継続し、資金集めなどが整い次第、技術実証機の製作に移る予定だ。